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スケールを考えよう |
2005.5.13 |
本レッスンを教本代わりにくまなくお読みの方は前項を読んでおやっと思ったりもするだろう。このブルーノートスケール、モードの中のドリアンスケールに似ていやしないか?、と・・・ 。 そうなのだ。スケール音はほぼ同じなのである。ドリアンスケール(詳細はコチラ)とはナチュラルマイナースケール(詳細はコチラ)の第6音を半音上げた音になる。
Aナチュラルマイナースケール(Aエオリアンスケール)の第1ポジション
Aドリアンスケールの第1ポジション
Aブルーノートスケール(マイナーペンタトニックスに2nd、♭5th、6thを加えたもの)
一般に言われている事、ナチュラルマイナースケール(エオリアンスケール)とドリアンスケールはキーが、もしくはコードがマイナーの時に使われる。そしてブルーノートスケールはメジャーキーの時に利用される。 指板表を見て判る通りドリアンスケールとブルーノートスケールの違いは♭5thがあるかないかだけである。ではドリアンスケールをメジャーキーで使ってはならないのならこの♭5th音がメジャーキーでなくては響きが合わないのか?。いや、そうではないのだ。♭5thはメジャーでもマイナーでも普通に使える。 ♭5thが入っていればそれはブルーノートスケール、入っていなければドリアンスケール。単純にそう解釈してもいいが、果たしてそうなのか?。残念ながらこういう素朴な疑問に答えてくれている教本と言うのは未だかつて出逢った事は無い。またこの辺の事を詳しく知っている人もオレは知らない。 でもこの♭5thが入っているか、否かだけでスケールの名前が違ってくる、これで正解だと思う。♭5th音はブルーノート音の1つであり、それが入っているのだから当たり前でブルーノートスケールなのだ。 とは言え、厳密に「じゃぁこの曲はブルーノートスケールを使う」、「こっちはドリアンスケールを使う」と考える必要も無い。これこそ理論武装、頭でっかち人間になってしまい、音楽、ロックはスピリッツだろう!、って話になってしまう。 例えばCm6中心に構成されている曲があったとしよう。Cm6の構成音をドを1として数字で表すと1、♭3、5、6である。当然こういう曲にはドリアンスケールがマッチする。ジョー・サトリアーニのCool #9なんて良い例だ(ドリアンスケールを使って模倣している音源はコチラ)。 だからと言ってこの曲で♭5thの入っているブルーノートスケールが使えない訳じゃない。むしろ♭5thを使う事で非常に効果的なフレーズを作り出す事が出来、♭5thをロングトーンで延ばしても違和感は無い。 これを人に説明する時に「Cドリアンに♭5thを加えてフレーズを作っているよ」と言ってもいいし、「Cブルーノートスケールを使ってフレーズを組み立てている」と言ったって誰からも文句は言われない。仮に、ブルーノートスケールは3rd音も加わらないとそう呼ばない。そう定義されていたとしても、単に「ブルーノートスケールの3rd音を使わないで弾いている」と言えば済む話である。 ただ上述した通り、ドリアンスケールはマイナーキー、ブルーノートスケールはメジャーキー、それがおおよそ一般的であるから、メジャーキーの曲で「ドリアンスケールに♭5thを加えた」と言うのはちょっとおかしいし、反対にマイナーキーの曲で「ブルーノートスケールを使った」、これも本来はおかしい。 かと言って演奏の中身は同じだから、誰からも文句を言われる筋合いではないが、重箱の隅を突付かれてもムカつくだけなので、メジャーキーでは「ブルーノートスケールを使っている」、マイナーキーでは「ドリアンスケールを(♭5thも加えて)使っている」と会話した方が適切なのかもしれない。 最後に。最近知ったのだが、マイナーキー用のブルーノートスケールってのが存在するらしい。それは6thの音をフラットさせたブルーノートスケールの事を指すようだ(言い換えればナチュラルマイナースケールに♭5thが加わった)。確かに実際にマイナーブルースで使ってみると第6音がフラットしている分、暗い感じが強調され、いい感じになる。
マイナーキー用のAブルーノートスケールの第1ポジション
ちなみにマイナーキー用のブルーノートスケール、第6音がフラットする訳だが、マイナーキーでもナチュラルな第6音を持つメジャーキー用のブルーノートスケールを使ってもなんら問題は無い。 実際にディープ・パープルで言えば、Smoke On The Water、Strange Kind Of Womanと言ったマイナーキー曲でリッチー・ブラックモアは6thはナチュラルのままで使っていて、市販のスコア譜でもそれをブルーノートスケールと呼んでいるのも多い。しかし、その時は本来はきっと「ドリアンスケールに♭5thを加えている」と表現した方が良いだろう。
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