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スケールを考えよう |
2005.5.25 |
ディープ・パープルの曲で簡単に弾ける曲はなんだろう、マイナーペンタトニックスケール、ブルーノートスケールを学ぶのに最適な曲はなんだろうと自問すると、このStrange Kind Of Womanが浮かんで来る。 ココでも説明しているが、ロックギター入門曲として知られているSmoke On The Waterよりも簡単に弾けるのだから、これを本レッスンで紹介しない手はないだろう。 キーはBm、よってBマイナーペンタトニックスケール、Bブルーノートスケール(Bドリアン+α音)が使える。勿論Bナチュラルマイナースケールも使えるが、泥臭い曲なのでイメージを崩したくないのなら響きが綺麗過ぎるナチュラルマイナースケールは使わない方が良い。 下図はBブルーノートスケール(キーがマイナーなので3th音は入れていない)で、第1ポジションを中心にオークターブ下の第5ポジション、第2ポジション、第3ポジションの一部を記述したもので、この曲はこれくらいの幅で弾くとちょうど良かったりする(無論0フレット〜22フレットまで存分に使ってもいい)。
Bブルーノートスケール ちなみに上のスケールに2nd音を足すと(♭3の音から1フレット左が2nd音)、ドリアンスケール+♭5thになり、よりマイナーの響きを得られ、リッチー・ブラックモアのフレーズも一部のこの2nd音を巧みに使っている。
この曲で一番難しいのではないかと思えるのがイントロ部分のキメフレーズ。まんまブルーノートスケールの常套手段であるが、フレーズそのものが小節を跨ぐのでリズムが取り辛い。よって3連符単位とか小節単位で覚えるよりも一気に全てのフレーズを指癖として記憶した方がスムーズに弾ける。
イントロ部分
ただ、やみくもに6th音や♭5th音を使ったからと言って、ブルージーになる訳でなく、定番なフレーズってもんが存在する訳で、リッチーがどのように弾いているかを研究する、完全にコピーしないまでも耳に残るフレーズをパクる、これも大切だ。
この曲で一番気をつけなくてはならないのは、シャッフル、3連のリズムに乗る事。残念ながら模倣演奏としてアップした上の音源は最後の最後で3連のリズムに乗り切れず、走ってしまっている音があり、ちょびっとカッチョ悪かったりする。皆さんは是非これを反面教師にして頂きたい。このノリが完璧に体に染み込めば、速弾きをしなくても十分にカッコいい。それと要所要所でスタッカートでリズムにメリハリをつける事を忘れずに!。 もし速弾きをしたいのなら、普通に弾くと3連譜だから6連符か・・・、とは思わない方が良い。このテンポだと余程の速弾きの達人でない限り6連符では弾けない。頑張って5連符だろう。だからここはある程度リズムを無視してもいい。実際にオレがこれを速弾く時はシャッフルのビートなのに16分音符で弾いていたりするし、指にお任せモードなので、それが時には5連符になっていたりする事もある。
この曲をブルージーに弾くにはギター音も大事だ。ギターはなんでもいいが、あまり太い音作りはせずに、高音がカラッと抜けるような軽い音を作った方が、そしてあまり歪ませない、ゲインを若干減らし、クリアーな音を目指せば、よりらしい雰囲気をかもし出す事が出来ると思う。 もしストラトキャスターならリアピックアップとセンターピックアップのミックスで少し篭った音を作れば一時期のクラプトンサウンドになるし、ハムバッカーピックアップ搭載のギターだったらリアとフロントのミックスでギターのボリュームを6〜8くらいに落として演奏するとジミー・ペイジ風なブルージーサウンドになるだろう。
最後に、この曲で初心者に厄介なコードが1つある。それはF#7(#9)とE7(#9)と言うテンションコード(F#7(+9)、E7(+9)とも書く)。
これは53話から始まる一連のコード理論でも述べていないコードだが、F#7(9)やE7(9)と言う9thコードは57話で学んでいるので、カッコの中の9と言う数字が#9になっただけのコードだ。 つまり9thコードが1、3、5、♭7、9と言う音を使うのに対して#9thコードは1、3、5、♭7、#9を使う。9thコードで9の音を押さえている指を1フレット右にずれせば#9thコード(+9thコード)の出来上がり。これは何故なのか判らない方はコード理論の最初から学び直そう。 この#9thコードは、ブルース、ブルースロックでは頻繁に利用されるコードなので、9thコードと一緒に型として覚えてしまおう。リッチー・ブラックモアはほとんど9thコードの代わりにこの#9thコードを使っており、LazyやMaybe I'm A Leo等でバリバリにそれが使われている。
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