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アドリブの前にフェイクフレーズを考えよう |
2005.8.24 |
前話でコピーしたフレーズはキーを変えて練習するべしと書いた。この他にも将来、アドリブ演奏を自由に奏でる為には、コピーしたフレーズをフェイクして演奏する練習もしてみて欲しい。 フェイクとはオリジナルのフレーズの雰囲気を損なわず、少しずつ自分なりにフレーズを崩す事を言う。下の音源、ジャズブルースであり、最初の12小節がオリジナルのフレーズ、そして次の12小節からはそれを元にフェイクしたフレーズになっている。聴き比べて欲しい。
後半部分はどちらもスケールから離れて、コードトーンに従って、演奏していて、これもオリジナルフレーズの1オクターブ上のコードトーン中心にフレーズを作っている。フェイクとは単にオクターブ上の音を使ったり、リズムを少し崩したりするだけでも十分なのだ。 こういう事をちょっとずつで良いので、フレーズ毎に変化を付けていく練習をしよう。それをアドリブで弾けと言うのではない。勿論上級者はこの手のフレーズだったらすぐにアドリブでフェイクを入れるが、初心者はそんな事出来る筈もなく、1フレーズずつ解析しながら、時間を掛けてもいい、決めフレーズとしてフェイクフレーズを考えていく。 そして考えたフェイクフレーズを元にさらにそこからフェイクしていく。これを2度、3度、4度と続けていけば、いずれオリジナルフレーズと雰囲気は似ていても、全く異なるフレーズが出来上がるだろう。 皆さんにジャズをやれと言うのではない。たまたまオレ自身が最近ジャズギターのフレーズ研究をしているので、サンプル音源がジャズになっただけで、皆さんは、好きな曲、今までにコピーした曲を元にフェイクする練習をするのだ。 ディープ・パープルのSmoke On The WaterだってHighway Starだって十分にいじれるフレーズばかりだ。こういう練習を毎日のように行えば、周囲のコピーしかしないギタリストと差別化を計れ、それがやがて、自由にアドリブ出来るような肥やしになっていくのだった。 自分でゼロからフレーズを考えるよりも元になる物、モチーフがあるのだから、それを変化させれば良いだけで、楽に違いないし、あとはそれを自分の指に馴染ませれば、それはすでにリッチー・ブラックモアのフレーズをパクっているのでなく、皆さん自身のオリジナルのフレーズとなっていく。 ロックギターなら、オリジナルではスライドさせていたフレーズをチョーキングで賄ったり(その逆も)、単にフレーズそのものをオクターブ上や下に移行するだけでも良い。今回オレが行ったように、軸になる音だけをオクターブ上に設定すれば、例えば同じドミソでもフレーズそのものが確実に変化する。 8分音符や16分音符のフレーズを3連符や6連符フレーズにするだけでもいい。そしてこの手の練習を励行すれば「この音は外しちゃ駄目だ、この音は特にいらないから別の音に代理させよう」と自然に理解出来て来るのだった。これが経験から生まれるセンスなのだ。
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