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リニューアルレッスン
     152話 II-V-Iの実践 その3

2008.07.01

オルタードスケール、まだ難しいなぁ〜、そんな方は前話で解説した裏コードに対するスケールを使えば良いだろう。コード進行はこうなる。

Dm7 - Db7 - Cmaj7 - Eb7

但し、ミソはコードバッキングは冒頭のコードのまま、スケールのみをDb7、Eb7に対応するものを使うのである。この時、単純にDbミクソリディアン、Ebミクソリディアンを使う(ドリアンとミクソリディアンの2つのモードは基本中の基本のスケールなので絶対に覚える事)。

Gオルタードスケールの構成音
 G, Ab, A#, B, Db, Eb, F

Dbミクソリディアンの構成音
 Db, Eb, F, Gb, Ab, B, Cb

このようにDbミクソリディアンはGオルタードの音を多く含んでいるので、しばし代用される。Aオルタードの代用もEbミクソリディアンだ。オルタードノート以外はアウトノートになるが、ロングトーンとして使わない限り、このアウトノートが経過音として良い効果を与えてくれる。下の音源はアドリブしたものだから、指癖でその他のスケールノートも含まれているが、G7の部分ではDbミクソリディアンを、A7の部分ではEbミクソリディアンを中心に使っている。

Infoseekサイト
http://np-music.hp.infoseek.co.jp/の方は下
それ以外のサイトでは下
DATA
裏コード用のスケールを使った場合
WMA DATA
裏コード用のスケールを使った場合

これも単にスケール練習用のフレーズしか使っておらず、思いつきで弾いたので雑っぽさは否めないが、違和感はないでしょう?。裏コード用のスケールを使う場合は、最後の音、これだけに注意をすれば良いのである。即ち、最後の音、ロングトーンで伸ばす事が多いだろうから、本来のコードのコードトーンに着地する、そのルールさえ知っていれば裏コード用のスケールも怖くはない。

裏コードに対するスケールを使った場合、オルタードスケールの代用で、わざわざそれを覚える必要がないと言うメリットもあるが、他にもある。

Cメジャースケールの構成音
 C, D, E, F, G, A, B

Dbミクソリディアンの構成音
 Db, Eb, F, Gb, Ab, B, Cb

DbをC#、EbをD#, GbをF#、このように考えると、キーがCの楽曲でG7コード時に裏コードを使うと、半音上にずれたような感覚になる。これがアウトノートとして絶妙なフレーズを産み出すのである。勿論これはGオルタードでも同じだが、再三書いている通り、一般的なミクソリディアンだから、指使いが簡単で、フレーズを容易に作り出せる利点がある。

ジェフ・ベックのFreeway JamのようにG7一発の楽曲、ここでDbミクソリディアンを使うと、途端にロックからジャズ、フュージョンのアクションを起こす事が出来るし、Star Cycleのようなモード曲でもそれは同じ。

Star Cycleのコード進行
 F7 x 4 - D7 x 2 - F7 x 2 - G7 x 2 - D7 x 2

F7をB7に、D7をAb7に、G7をDb7と言う裏コードを想定して、本来F7ではFミクソリディアンを使うところをBミクソリディアンを、同じくD7ではAbミクソリディアンを、G7ではDbミクソリディアンを使ってしまうのだ。

B7 - Ab7 - B7 - Db7 - Ab7

但し、Freeway JamにせよStar Cycleにせよ、延々と裏コード用のスケールを使ってしまうと、そりゃぁ気持ち悪い。要所要所で裏コード用のスケールを使うのだ。Freeway Jamなんてのはオーソドックスに弾くとGマイナーペンタトニックスケールにナチュラルの3rd音を加えたスケールを使うが、ここ一番って時にDbミクソリディアンを使ってやるのである。

ついでなので、モードについて書いていきたい。モードの基本はコードに対するスケールを使う事。Cm7だったら一般にCドリアンを、C7だったら一般にCミクソリディアンを利用する。

しかしジャズメンはそれだけでは飽き足らなかった。元々は複雑なコード進行を持つジャズ曲を、もっと簡単に、コードに左右される事無くメロディ、フレーズ優先の曲を作る、それがモードなのに、それが主流になるにつれ、回帰現象が起こってくる。

モードはあまりにも単純過ぎるからと言う理由で、Cm7やC7一発のモード曲でもCドリアンやCミクソリディアンだけでなく、様々なスケールを使うようになる。

前々話前話で紹介したII-V-Iの基本のコード進行は次の通り。

Dm7 - G7 - Cmaj7 - A7

Dm7とG7の関係はII-Vであり、A7と先頭のDm7もこれだけを取ればII-Vの関係だ。モードとはこのようなドミナントモーション、セカンダリードミナントを廃止した楽曲。だからCmaj7のドミナントコードであるG7は無視し、前の小節のDm7を引き継ぐ。同じくDm7のセカンダリードミナントであるA7も無視し、Cmaj7を引き継ぐ。

だからこれをモード的に考えるとDm7 - Dm7 - Cmaj7 - Cmaj7と言うII-Iと言う2つのコードだけで成り立つように仕上げる訳だ。そしてモードの究極がワンコードだけで成立する楽曲なのだ。

Dm7 - Dm7 - Cmaj7 - Cmaj7のmidi

非常に単調なったでしょう?。そしてモード流で考えればDm7ではDドリアンをCmaj7ではCイオニアン(Cアイオニアンとも言われる)を使う。勿論DドリアンもCイオニアンも中身はCメジャースケールだ。だから単にコード進行が簡素化されただけで、フレーズそのものはCメジャースケールで弾く事になる。

初期のモードはそうだった。でも上述した通り、ジャズの世界で単調過ぎるのもつまらん!、と回帰現象が起こってしまった。では再び、コードを細分化しII-Vの要素を多く含ませると言うと、そうではなかった。そう、コード進行は簡素化したままで、フレーズだけを複雑化させたのだ。

つまりDm7 - Dm7の2小節でDドリアンを使うところを、Dm7 - G7と言うII-Vと仮定しちゃうのだ。よって2小節目ではDm7が鳴っているのに、フレーズはG7、ドミナントコード用のスケールを使う。同じくCmaj7 - Cmaj7、これも2つ目のCmaj7と先頭のDm7でII-Vと想定しちゃう。

よって例えば、、、

1小節目のDm7 - Dドリアン
2小節目のDm7 - Gオルタード
3小節目のCmaj7 - Cイオニアン
4小節目のCmaj7 - Aオルタード

当然2小節目と4小節目ではアウトノートが増えるので、アウトフレーズになっていく。ジャズメンの着眼点はここだったのだ。モード曲でもフレーズをアウトさせ、オンリーワンを狙った訳である。

さて、ここまでご理解頂けたであろうか?。

となるとだ!。前話で紹介したオルタードスケールを使ったサンプル音源。このフレーズがそのままDm7 - Dm7 - Cmaj7 - Cmaj7と言うコード進行でも使える事になりはしないか?。

うん、理論上はそう。でも前話は、あまりにもコードトーンを意識したフレーズが多いので、G7部分のフレーズとA7部分のフレーズはそれぞれDm7とCmaj7にコードが置換された時、かなり音がアウトしてしまう。そこまでアウトさせると単なるミストーンに聴こえてしまう恐れがある(実際にあのフレーズをそのまま弾くとかなり怪しい)。

そこで、Dm7でGオルタードを使うが、「Dm7を意識しつつ・・・」が条件となる。同じくCmaj7でAオルタードを使うが、Cmaj7を意識しないとならない。つまり、終了音はDm7のコードトーンであり、Cmaj7のコードトーンを意識して使えば良い。そして作ったのが下のフレーズ。

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オルタードを使ったパターン
WMA DATA
オルタードを使ったパターン

2小節目と4小節目でフレーズがアウトしているのが判るでしょう?。後は個人的な感覚で、これを良しとするか否かだ。そして冒頭ではオルタードスケールの代わりに裏コードのミクソリディアンを使ったフレーズを紹介した。これはそのまま使えちゃう。下のギターソロ部分は冒頭の音源と同じものを使っている。

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裏コードのミクソリディアンを使ったパターン
WMA DATA
裏コードのミクソリディアンを使ったパターン

まとめよう。モード曲でアウトフレーズを作るには・・・。

コードが□m7であった場合、一般的にはドリアンを使うところを、IIm7-V7と言うコード進行を仮定する。Dm7であったら、V7はG7である。よってDm7のコードが鳴っている時にはGのオルタード系のスケールを使う(GミクソリディアンはDドリアンを同じだから無意味)。

もしくはG7の裏コードであるDb7のスケールを使う。この際はDbミクソリディアンがGオルタードの代用となり、勿論他にDb7のオルタード系スケールの全てを使っても良い。コードがジェフ・ベックのFreeway Jamのように□7であった場合も同じく裏コードのスケールを使う。

Dm7をDm7 - G7として、G7の裏コードにDb7を・・・。とすると、Db7をV7としてそれのIIm7はGbm7だ。そうなるとDm7と言うコードが鳴っている時に、Gbm7のスケール、Gbドリアンを使う、そう考えても良いだろう。勿論、GbドリアンはDbミクソリディアンであるから、Dbミクソリディアンとして演奏してもGbドリアンとして演奏しても使われる音には変化がない。

しかし、マイナーコードにはマイナースケールを・・・、特にロック系のギタリストなら、このように考えた方が理解し易いかもしれない。DbミクソリディアンをGオルタードの代用とするのなら、GbドリアンとしてGオルタードの代用とするのだ(この辺の解説は新113話を参照されたし)。

これらを理解していればモードでも立派にアウトフレーズを作り出せるのだ。

例外は幾つかある。以前にも解説したが、コードがDm7であった場合、Dm7 - G7と仮定するまでは同じとして、その時、G7へのスケールを裏コードであるDbミクソリディアンを使うのでなく、Gリディアンb7thスケールを利用する。

Gリディアンb7thの構成音
 G, A, B, Db, D, E, F

Dメロディックマイナーの構成音
 D, E, F, G, A, B, Db

このようにGリディアンb7thの第5音からスタートしたスケールをDメロディックマイナースケールと言う。言い換えればDメロディックマイナースケールの第4音からスタートするものがGリディアンb7thスケールなのだ。よってDm7 - G7と仮定した場合、Dメロディックマイナー、もしくはGリディアンb7thとしてフレーズを組み立ていると微妙なアウト感を楽しめるのである。

ついでに書けばDメロディックマイナーの第7音から始まるスケールがDbオルタードスケールとなる。

Dbオルタードスケールの構成音
 Db, D, E, F, G, A, B

このようにGリディアンb7thとDメロディックマイナーとDbオルタードの構成音は全く同じだ。だからDm7を細分化しDm7 - G7とした時、その裏コードのDbのスケールとして、Dbオルタードを選択した場合、わざわざDbオルタードを意識しなくても、単にDメロディックマイナーと思って演奏すれば良いのだ。むしろその方がDをトニックとするスケールだから、間違いは少ない。

同じくあまり意味をなさないのが、Dbコンディミだ。GコンディミとDbコンディミは同じ構成音だから、コンディミを使う際には裏コード云々なんて考える必要はない。そのままGコンディミを弾けば良いのだ。

あくまでも個人的見解であるが、裏コードを意識するのならミクソリディアンを素直に弾いた方が良い。

超速弾きフレーズを得意とするジャズギタリストのパット・マルティーノは□7コードでは全音下のドリアンを使うらしい。G7であったらFドリアンとなる訳だ。最後にこれの理由を考えてみよう。

Fドリアンの構成音
 F, G, Ab, B, C, D, Eb

これをG7で使うとなると・・・。

Gは1st音
Abはb2nd音
Bはb3rd音(#2nd)
Cは4th音
Dは5th音
Ebはb6th音
Fはb7th音

Gオルタードの構成音
 1st, b2nd, #2nd, 3rd, b5th, b6th, b7th

これから推測すると、パット・マルティーノはFドリアンをGオルタードの代用としているのではなかろうか?。思い出して欲しい。オルタードの常套フレーズはb5thは使わない事を・・・。1st, b7th, b9nd, #9th, b13thがあればオルタードらしいフレーズになってくれるのだ。

ドリアンの方が使い易いと思えば、□7ではそれに対応するオルタードスケールでなく、全音下の□m7のドリアンを使う、これの1つの手段かもしれない。



   



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