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リニューアルレッスン |
2008.06.12 |
前話で、□6、□7、□m6、□m7は完璧だろう。今回はテンションノートの復習をしてみよう。 基本は□7、□m7にテンションを乗せる。□6や□m6でもジャズ系の音楽ではテンションノートを乗せる事もあるが、特に覚える必要はないだろう。せいぜい□6(9)くらいだ。 そして□7には原則的に9thと13thがテンションとなる(つまり2nd音と6th音)。そして□m7は9thと11thをテンションノートにするのが原則だ。 では、どの教本にも最初のテンション付きのコードフォームで覚えさせられるのが□7(9)コードだろう。6弦にトニックがあるフォームと5弦にトニックがあるフォームの2つ。
基本のA7(9) 6弦トニックのフォームは本来ならば6弦5フレットを押さえるべきだろうが、人間の手の構造上、これは無理。よって6弦トニックの□7(9)はトニック音を省略し、3rd, 5th, b7th, 9thの4音で構成される。また5弦トニックのフォーム、こちらは1弦12フレットも押さえれば5thも含む事が出来るが、そうでない場合はギターの構造上、どうしても5th音は入れられない。
この2つのフォームは覚えていて当然だが、この2つだけ覚えて□7(9)を弾けると思っちゃならない。確かにブルース系のロックだとこの2つのフォームだけで何とかなってしまうし、ロック系の教本でもこの2つしか教えていないのが多い。しかし、もう2つ3つ覚えて損はない。 この時、ドリアンスケールを思い出すとテンションノートを入れやすくなる。
Aドリアンモード ドリアンモードを知っていれば上の2ndと6th音の位置も判るでしょう?。そして2ndは9thであり、6thは13thである。よってここから3つのA7(9)を見つけられる。A7(9)が3つも!?、そう、4つある。探し出せたかな?。
一番左のフォームは3rd音が省略されるので若干コード感が希薄になるので、あまり使われないが、これだってれっきとしたA7(9)だ。次のフォームはトップノートに9th音があり、その下の音が離れて5thとなる。だから9th音を特に強調したい時に使われる。 3番目のフォームはトップノートは9thのままだが、その下の音がb7thなので、前のフォームよりも9th音があまり強調されない。最後に示したA7(9)は3rd音が入り、とても響きが良い。ジャズやフュージョンでは定番のフォームなのでロックな人でも覚えた方が良いだろう。指使いが難しいが(4弦から人、中、小、薬となる)、これは慣れるしかない。 ドリアンの音の配置を理解しているとA7(13)とA7(9,13)と言うコードも導き出せてしまう。
上は全て6弦をトニックとしたA7のテンションのコードだ。そして5弦をトニックとしたA7のテンションコードを作る場合は、9フレットからAのドリアンモードを考えると良い。
上の9, 10フレットを良く見ると、ここにA7(13)とA7(9,13)が隠れているのが判る。
また12〜14フレットを見れば、冒頭で紹介した定番のA7(9)からA7(9,13)を導き出せる。テンションノートが2つあるので、トニックの1st音も排除している。ついでに良く使われるA6(9)も紹介してしまおう。
最後のA6(9)を見て「おやっ?」と思った方、鋭い!。と言うのもA7(13), A7(9,13)とA6(9)ってのは何となく似ているのである。そりゃぁそうだ、6thは13thなのだが、A6と言うコードはb7thの代わりに6th音を使うコードであり、A7(13)はA7のコードに6th音を加えたコードだからだ。 だからA7(13)とA6と言うのは構成音がほぼ同じなのだから(b7thが入るか入らないかだけ)、フォームも類似するし、実践でもほぼ同様に扱われる。 それと5弦トニックのA7(13)とA6はシンメトリーになっている。その部分を見てみよう。10,11フレットを押さえればA7(13)であり、11,12フレットを押さえればA6になる。そしてA6は一般的なA7(13)の3弦を半音下げただけってのも判ると思う。
さて、9th系のテンションにはb9thと#9thの2つがある。つまり、9thコードと言うのは□7(b9)、□7(9)、□7(#9)と3つが存在するのだ。このb9th、#9thを表現するには5弦をトニックとした□7(9)コードを考えると簡単だ。要は押さえている9th部分を半音下げるか上げるかだけ。
13th系にはb13thと言うテンションノートが存在する(#13thは言い換えればb7thだから意味がなく、A7(#13)なんてコードは存在しない)。こちらは今度は6弦をトニックとしたフォームが表現しやすい。
そして、このb13thを絡める場合、9thも含めてA7(9,b13)となる事が多いし、9th音もb9thにしちゃっても良い響きだ。
問題はb9th, #9th, b13thと言うテンションノートをどう使っていくか?。指板上で押さえられても、実践で使えなくちゃ何の意味もない。そこで出てくるのが「オルタード」と言うキーワード。b9th, #9th, b13thの3つはオルタード系テンションと呼ばれる。このオルタードとは勿論、オルタードスケールと同意。
オルタードスケールの構成音 b2ndは言い換えるとb9thだ。同じくb3rdは#9thであり、b6thはb13thである。 オルタードスケールと言うのはドミナントコード時に使われる。よって今回はA7を例に挙げているので、このA7がドミナントコードとして機能している時に使われるのがAオルタードスケールと言う事になる。 そこでII-V-Iと言うコード進行を思い出してみよう(復習されたい方は新78話や新113話を!)。 A7をV7とするとII-V-IはEm7-A7-Dmaj7だ。試しに下の3つをポロロンと弾いてみよう。最後のDmaj7を弾いたところで終了を感じる筈だ。このようにII-V-Iと言うコード進行は終了に進む為の定番のコード進行なのだ。
そしてVからIに向かう時、より終了に向かって傾斜していく感じを出てくれるのがオルタード系のテンションノートなのだ。
A7部分をA7(9,13)〜A7(9,b13)と言う流れにする ※A7(9,b13)はA7(b9,b13)でも可 5弦をトニックとすると、13th、b13thの代わりに#9thとb9thが使われる。
A7部分をA7(#9)〜A7(b9)と言う流れにする #9thとb9thの他に13thも加えてみよう。下はトップノートを常に1弦14フレットのF#にしてみた例だ。
A7部分をA7(#9,13)〜A7(b9,13)と言う流れにする 上はA7(9,13)〜A7(b9,b13)だったり、A7(#9,13)〜A7(b9,b13)、はたまたA7(9,13)〜A7(9,b13)とかでも良い。要するに9thと13thを組み合わせる時は、9th音を基本に、それが9th、もしくは#9thなら13thを、9th、もしくはb9thならb13thをって事。
13thとb13thをどう扱うか? ついでに同じく終了感をより醸し出すコードとして□aug、□aug7と言うコードがある。augとはaugment(オーギュメント)の略で、増加させると言う意味があり、これはコード中の5th音を半音上げたコードを指す。5th音を半音上げると#5thになり、これは言い換えるとb6thであり、テンションノートとするのならb13thになるので、このコードもオルタード系コードと呼ばれる。
□augの構成音
□aug7の構成音 フォームは難しく考える事はない。5th音を半音上げたのがオーギュメントコードなのだから、ただのA7を考えて、5thを押さえている部分を半音上げれば良いだけだ。
6弦をトニックとしたAaugとAaug7
5弦をトニックとしたAaugとAaug7 □augと□aug7、これをどう使い分けるだが、このコードはセブンス云々でなく、あくまでも5th音を半音上げる、これが特徴なのだから、時に気にしないでも良い。またギターで表現する場合、□Aug7は□7(b13)と同じ構成音になるので、わざわざ□aug7と指示する必要もないのだ(恐らく□aug7と指示する人はピアニストくらいではなかろうか?)。
こんなAaug 上のようなのも考えられ、フォームそのものは同じだから非常に扱い易いコードとなる。先に述べた通り、(ギターでは)□aug7は□7(b13)であるから、オーギュメントコードを使う場合は、b7thを排除した□augとして利用するのが普通だろう。 例えばだ。「Aのオーギュメントセンブスコードにナインスを加えてくれ!」なんて突然言われたとしよう。オレもそうだし、恐らくほとんどのギタリストは口がポカ〜ンと開いて、あまり意味を理解出来ないと思う。そんな指示よりも「A7(9,b13)を弾いていれ!」の方が良いでしょ?。 では今度は□m7にテンションを乗せよう。最初に書いた通り、□m7へのテンションの基本は9thと11thだけで、□7よりも覚える事は遥かに少ない。如何にAm7を例に取って指板表を作ってみた。 □m7(9)は簡単でしょう?。幾つかは□7(9)のナチュラルの3rdを半音下げるだけで作る事が可能だ。
11thは注意が必要だ。と言うのも11thは4thであるから、ギターの構造上、b3rd音と共に使うのは非常に困難なのだ。よって□m7(11)と言うコードは本来削除してはならないb3rd音を除いて、代わりに11th(4th)を加えるようになる。だからギターで□m7(11)を弾くと、実は□7sus4と同じ構成になってしまう事もある。
さて、ここでAm7(11)、これの構成音を調べてみよう。
Am7(11)の構成音 前話の最後の部分で、A6とF#m7は平行調で構成音が同じと言う事を書いた。となるとAmに対する平行調はCだからAm7とC6は同じになる。そしてAに対する11th(4thと同じ)であるD音はC6に対する9th(2ndと同じ)になるのが判ると思う。つまりAm7(11)とC6(9)は同じと言う訳。
C6(9)の構成音 下は上でも紹介したA6(9)である。
これは5弦とトニックとしている。だからC6(9)を弾く場合は5弦3フレットをトニックとした上のフォームを押さえれば良い。この時の構成音はC, E, A, Dと5th音であるG音が抜ける。そしてこの一般的なC6(9)と言うのはG音を省略したAm7(11)と表現しても良いのである。 と言う事で前話に掲載した練習用midiデータで、テンションノートを加えたコードを使ってテンションコードに慣れていこう!。
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