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リニューアルレッスン
     143話 教本は信じるな

2008.05.03

市販のギター教本やギター雑誌の多くは言葉、説明が至らない事が多い気がしてならない。ギターな日々435話の「弦を切ってしまう」事による回答もそうだと思う。「プロよりもアマチュアの方がピッキングが強い」、これだけに注目してしまうと、「もっと弱くピッキングすれば弦を切らなくなるのか」と曲解を生む。誌面の都合上、そして間違いとも言い切れない面もあるが、これに関しては明らかに初心者に対して優しい言葉とは言えない。

ならばロック、フュージョン、ジャズ、様々な分野のプロとアマチュアのギタリストのピッキングの強弱を科学的に立証して欲しいものである。何が良くて何が駄目、これを科学的に立証する、アマチュアギタリスト向けのGuitar Magzine誌だからこその企画ではあるまいか?。

ギターを始めた頃、最初に買ったギター教本は海外のブルースギターの翻訳物。何故これを買ったのか、今考えると理解出来ないが、3コードしか使っていないので簡単だと思ったのだろう。そこで右手のピッキングについて。写真付きで説明されていたのだが、それが逆アングルで弾けと書かれていたのだ。

教本にそう書いてあるのだから、それを模倣するのは当然。物凄く弾き辛いと思って、心の中では「本当にこれで正しいのか?」と疑問を抱きつつも、本が正しいだろうと長期間に渡りそれを励行した記憶がある。

逆アングルピッキングが駄目な訳じゃない。事実、ブルースやR&Bの世界では逆アングルのギタリストが多いし、ジャズギタリストで速弾きベスト5くらいに入るジョージ・ベンソンも逆アングルだし、ハードロックならジャーニーのニール・ショーンも完璧な逆アングルギタリストだ。また、オレも今ではフレーズによっては逆アングルでピックを弦に入れる事も多々ある。

しかし、知る限り、逆アングル(特にロック系の人)で常に弾く人は多く見積もってもせいぜい2割程度だろう。今、当サイトから生まれたセッションに来てくれるギタリストの中には逆アングルを使う人は一人もいない。逆アングルピッキングはロック、特にハードロックギターに関してはマイノリティに属しているのである。

だから初心者がまず注意する事は、右も左も判らないながらも自分にマッチした教本を得る必要がある。上述したような教本を買ってしまったら、上達するものも上達しない。まぁこれは25年以上前の話で、今ではそんな妙な教本などないと思うが、少なくとも初版が最近のもの(初版が古過ぎるとテクニックやフレーズ等すでに流行遅れのものもある)、そして自分が目指したいジャンルに特化した教本を買う事を心掛けよう。

また教本を100%信じない事だ。ピッキングスタイルにせよ、最近の教本は順アングル、平行アングル、逆アングルとしっかりと写真とその特徴を示しているのが多い。しかし、これも言葉、情報が足りない。初心者は写真に示された角度を信用してしまう。

仮にそれが弦に対して45度だったしよう。すると初心者は常に45度の角度でピックを弦に当てようとする。逆アングルが好きなギタリストがいるのだから、人によっては25度くらいの角度で入れた方が弾きやすい人もいるだろうし、もっと、60度くらいまで角度を付けて弾いた方が楽だと言う人もいるだろう。

しかも弦に入れる角度はピックの形状によっても異なる事がある。近頃は先端が丸まっているティアドロップタイプのピックが流行っているようだが、オレが使っているホームベース型のピックのように先が尖ったタイプとは異なる角度でないと弾き辛い。

また、手そのものも大きさや、ピッキングをどの部分で行うか、ブリッジに手首を固定するのか、浮かしているか、立位で弾いた場合、ストラップは長めなのか短めなのか、ピックの形状も含め、それらによりピッキングの角度は色々と変化するのだ。さらにオレのようにフレーズによって順アングル、平行アングル、逆アングルと使い分けたりもするギタリストもいる。

ちなみにオレは順アングル中心ではあるが、角度はほとんどつけない。限りなく平行アングルに近い順アングルであり、例えばディープ・パープルのBurnのようなアルペジオフレーズでは完全に平行アングル、もしくは逆アングルになるように意識して弾いている。

アルペジオフレーズで平行アングルにするのが正しいのでなく、オレ個人が平行アングルで弾いた方が楽だからそうやっているのだ。

本来、初心者の為の教本と言うのは、「平均して角度はこれくらいだが・・・」の先の言葉や解説がないとならないのに、そうでないのが実に多い。だからこそ我々は賢くならないといけない。教本に書かれている事を、間違いはないだろうが、あくまでも平均的な内容で、ある意味、常に眉唾であると思っていた方が良いのである。

ピック1つ取ってもそう。上述した通り、今は先の丸いティアドロップタイプが流行っているが、ピックなんて一部の鼈甲製やメタル製を除けば1枚100円なのだから、ありとあらゆる形状、硬さ、厚さを買って、自分で1枚1枚テストするべきなのだ。

現在、ホームベース型のピック、一般で入手出来るものは2種類しかない。1つはオレも使っている鼈甲製。鼈甲は貴重だから、1枚800円〜1200円もする。そしてもう1つ、フェルナンデスからプラスチック製のホームベース型が出ている。しかし、これを楽器店で探すのは至難の技だ。しかもカタログ上は3種類の厚さがあるのに、店に在庫しているのは大概1種類だけ。在庫していない厚さが欲しいとフェルナンデスに尋ねると、受注生産で100枚からと言うではないか。

それくらいホームベース型のピックと言うのは今では廃れている。余程、リッチー・ブラックモアに傾倒している人でないと使わないと言っても良いくらい。なのにオレはそれしか使わない(リッチーに傾倒している訳じゃない)。このようにギタリストなんて個人個人丸で異なるのである。

教本に書いてあったからそのようにしか練習しない・・・、その通りに練習し、満足の行く結果が得られれば良いが、少しでも違和感を持ったら、色々と考えを巡らそう。そういう場合は、仮に教本で「やっちゃいけない」と書かれてあっても、自分がそれが弾きやすかったら、やる価値はある。

考えてみよう。「やっちゃならない」なる言葉は、それをやっているギタリストがいるから表現出来る言葉だ。やっているギタリストってのはきっとそれが弾きやすいと思ってやっているのだから、もしかしたら自分もその手のギタリストに入るのではなかろうか?、そういう疑問を持つ事だ。

ピックをこねくり回しながら(円を描きながら)ピッキングする。これは「やっちゃならない」弾き方である。しかし、オレはそれを堂々とやっている。きっちりとしたフレーズには向かないから、そう言ったフレーズには使わないようにしているが、アクセントを必要とする演奏なら、その方が弾きやすいと感じており、平気でクルクルと円運動をしている。まぁ、こねくり奏法はなるべくならしない方が良いとは思うが・・・。



   



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