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リニューアルレッスン |
2008.04.26 |
0円宅録、最終話だ。アプリケーション名を挙げながら全てをまとめよう。 ・ASIO4DLL Windows標準のサウンドドライバーはマイクから音を入力するとスピーカーへの出力までにタイムラグがあるのが多い。ひどい場合は0.5秒以上も遅れてしまう。これだとギターやベースを弾いてそれを録音する事は不可能だ(midiで繋ぐキーボードに限ってはmidi InとOutをmidi用ドライバに設定すれば、音はキーボードのモニターに出力されるので問題はない)。 そこで、そのタイムラグを最小限に抑えてくれるのがASIOと言う規格で、ASIO4DLLがフリーウェアとして公開されている。オレの環境下では2台のXPマシンで問題なく動作し、Vistaマシンでは設定が面倒であったが、なんとか動作しているようだ。 このドライバはWindowsのオーディオ全てを制御するものではない。ASIO対応のアプリケーションのみに利用出来るドライバである。このドライバをインストールしても、ASIO非対応のアプリケーションは標準のオーディオドライバを利用するので、Windowsのオーディオ環境そのものが変化する訳ではないのでご安心あれ。 とにかく、宅録に当たって、皆さんのパソコンの中にASIO規格のドライバが無ければ、これをインストールするしか術はない。真っ先にインストールしないとならないソフトウェアだ。 ・Reaper DAWアプリケーションでありVSTホストプログラムとしても機能する。DAWとはオーディオデータとmidiデータをトラック毎に管理し、録音、編集(加工)、ミックスダウンを行うツールで、これがないとギターをパソコンで鳴らす事も出来ないし、宅録も出来ない。 他にもフリーウェアのDAWソフトが色々と存在するので、何を使っても良いが、ASIOドライバ対応である事、VSTプラグイン対応、VSTi(ソフトウェアシンセ)対応である事、そうでないと無意味だ。近頃はそうじゃないのを探すの方が大変だが、中にはフリーウェア版は対応していないが、シェアウェア版は対応している、そんなケチなアプリケーションもあるので、注意しよう。あくまでも銭を一切掛けずに宅録をする、それが目的だ。 標準では英語表記なので、日本語パッチを当てると良いだろう。
・Music Studio Producer(MSP) これもReaperと同じくDAWソフトであり、ASIO、VST、VSTiと全てに対応している・・・、筈なのだが、パソコンの環境によってオーディオ部分が全く機能しないバグがある。オレの環境では全て使えないし、掲示板を見ても「使えない・・・」なる声が多い。 では何故そんな不具合の多いアプリケーションをここで紹介するのか?。それはこのMSP、midiシーケンサーソフトとしては非常に優秀だからである。midiデータだけを扱う分には問題なく動作するので(あくまでもオレ個人の環境での話でもあるが)、midiデータの製作、編集に有用なツールだ。オレが初めてmidiデータを操作したのもMusic Studio。その理由もあり、機能もそうだが、使い勝手も気に入っている。 midiデータそのものはこれで作り、VSTi(ソフトウェアシンセ)で音を加工する場合は、加工したトラックをファイルに保存し、Reaperで呼び出し、Reaper上でVSTiを使うと良いだろう。 Music StudioにはWin98時代のStandardとWin2000からのIndependenceがあるが、この2つはシェアウェア。宅録程度に使うのならフリーウェア版のProducerで十分である。何度も言うが、銭を掛けずに宅録をするのだ!。いずれにせよ、皆さんの環境でASIO、VST、VSTiが使えなかったら、お金を払う価値も無い。 ・Domino まれにMSPが全く動かない、もしくはすぐにフリーズする、そんなパソコンの環境もあるようだ。特にVistaの環境では動作しない事が多いらしい。そんな時はDominoを使おう。これもMidiシーケンサーであり、MSPとは操作方法が全く異なるが、Vistaでも動作確認をしており、midiデータだけを扱うのなら、本体そのものも軽いので、こちらの方が安心かもしれない。 使い勝手を判断する基準は個人個人異なるので、MSPとDominoの両方を試してみる価値があろう。尚、Dominoは純粋なMidiシーケンサーなので、オーディオデータ扱いになるVSTiには対応していない。MSP利用時同様に、最終的にはReaperで音を加工する事になる。 ・FreeAmp3(VSTプラグイン) アンプと各種エフェクターがセットになったVSTプラグインツール。エフェクターはギタリストが利用するほとんどが揃っている。プリアンプ部は組み合わせで色々なキャラクターを作れ、10種類程度のキャビネットを選択出来(ベースアンプのキャビも数種類あるのでベーシストでも使える)、様々なタイプの音作りが可能だ。 欠点としてはアンプ部分に付属するノイズゲートの使い勝手が悪いのと、かなり重たいプログラムなので、パソコンがローパワーであった場合、若干窮屈かもしれない。テストした結果、CPU700MHz、メモリ256MBでも動作したが、かなりアップアップだった。
・Dirthead この2つ単体のアンプシミュレーター、Dirtheadはマーシャル風なサウンドを期待出来、Tubebabyは中高音がプッシュされた独特な音色を持つ。両者ともゲインを掛ければこれだけでハードロックが可能なVSTプラグインである。 ・SimulAnalog Guitar アンプにマーシャルJCM900、フェンダーツイン1969を、エフェクターにBOSSのDS-1、SD-1、Tube Screamer、Oberheim PS-1、Univox Univibeを模倣しているプラグイン群。それぞれ単体で機能するVSTプラグインなので、例えば上記のDirtheadとSD-1と言った組み合わせも可能だ。 そのまま使うとGUI環境としては単なるスライダを調節するだけのシンプルなものだが、外見を変化させるスキンを加える事で、様々な操作感を味わう事が出来る。ただオレの環境ではスキンが上手く動作しなかったので、デフォルトのまま利用している。 ・Classicシリーズ 現時点で、コーラス、コンプレッサー、ディレイ、フランジャー、イコライザー、リミッター、フェイザー、リヴァーヴの8種類の独立したVSTプラグインがある。使った限り、どれも相当に優秀である。
・VstHost ReaperのようなDAWソフトでなく、純粋なVSTホストプログラムで、VSTプラグインを呼び出す為のプラットフォームでしかない。要するにパソコンをギターアンプ化するだけだったらこれで十分である。ただオーディオ設定や操作法がややとっつき辛く、それを理解しようとする根性がない人には向かないだろう。 VSTホストプログラムはこれだけでなく、ちょっと調べるだけでも幾つも見つかる。VSTプラグインツールと同様に、自分の環境、自分のスキルにマッチしたものを見つけると良いだろう。 ・SoundEngine Free 国産のwav波形エディターだ。DAWソフトのようにトラック管理するタイプでなく、wavファイルを読み込んで、様々な加工をする為のツール。これの利点は出力レベルを設定出来る事と簡単にフェイドイン、フェイドアウトを作る事が出来る点だろう。拡張子がwav形式のファイルしか読み書き出来ないのと、リヴァーヴエフェクターが使い物にならないのが欠点だ。 ・Jet Audio Windows Media Playerと同じ、マルチメディア再生ソフトだ。GUIがワンラックタイプのステレオコンポを模倣しているので、扱いやすい。利点は、単体でCDからのリッピング、各種マルチメディアファイル変換、簡易録音、再生ピッチ変更等が可能な事。英語表記なので、日本語パッチを当てると良いだろう。
これらのアプリケーション、ツールの多くは海外製である。今、日本では食べ物の自給率が30%だか40%を切っていると言うが、宅録関連のアプリケーションに関してはほぼ海外製と言って良いくらいだ。だから一部、日本語パッチや日本語マニュアルが存在するが、ほとんどが英語表記である。 しかし、慌てる事なかれ。日本人の凄いところは、これらのアプリケーションをこれまた無償でインプレッションを行っているサイトが仰山存在する事。オレも海外のサイトからこれらを検索したのでなく、まずは検索エンジンから日本のその手のサイトを検索し、そこからリンクを辿ってダウンロードしているのである。 ASIO、DAW、DTP、VST、VSTi、この辺をキーワードに検索を掛ければ、それらを解説している幾つかの日本のサイトに繋がるので、解説やインプレッションを読み、そこを起点に色々と海外サイトを巡るのが良いだろう。 とにかく何度も言う通り、一銭も掛けずに宅録をする!、色々なフリーウェア使って、納得が行かなかった時に初めて市販品を買う選択をしよう。
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