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リニューアルレッスン |
2008.01.04 |
練習用の音源は前話のAmがキーのmidiデータを再び使うので、Smoke On The Waterのギターソロを全て1音上がっている事をまず注意しよう。 Smoke On The Waterの最初の速弾きが終わった直後のスタッカートのフレーズ、小節数で言えば8小節目だ。これをAmをキーに変更すると左のようになり、ブロックとして弾く為に最後の押弦部分だけ変更したのが右だ。
この部分はAナチュラルマイナースケールの第3ポジションとなる。
Aナチュラルマイナーの第3ポジション(=Dドリアンの第1ポジション) これを1つの汎用的なパーツにしよう。フレーズの基本はトニックに始まり、トニックに終わる。上のフレーズだとトニックから始まっているが、終わりは4th音である。そこでもう1小節、戻りのフレーズを独自に考えてみよう。
これを16分音符にすると・・・。
そう、上が汎用パーツ化に成功した最終フレーズである。また2拍目、3拍目で素直にトニックに戻るフレーズでも良いだろう。
別のポジションでも同じように弾けた方が良いだろう。特にマイナー系のスケールの場合、第1ポジションと言うのは良く使うし、第1ポジションで弾けるものは第2ポジションでも弾けちゃう。
つまりこのフレーズはギターの場合、3つのポジションで同じ事が可能なのだ。こういうのを汎用的なフレーズと言い、皆さんはこの3つから、まずは自分が一番弾き易いと思うのを練習し、最終的には3つのポジションで同じスピードでこなせる事を目標としよう。オレは第1ポジションでのこのフレーズは恐らく使わないだろうが、皆さんは苦手なポジションを作らない為にも全て練習する事を強くお勧めする。
Smoke On The Waterのその前の小節である7小節目である最初の速弾き部分。これをAmに直してみよう。するとこうなる。
これは運良くトニックで始まりトニックで終わっているので、これそのものが汎用フレーズになっている。ちなみにこの時のコードはDmなので(オリジナルはCm)、Aナチュラルマイナーのフレーズではあるが(しつこいけどオリジナルはGm)、敢えてDドリアンの第1ポジションのスケールにD音に対するb5thが加わったと考えた方が良いだろう。 つまりこれをドリアンと考えると、どのマイナーコードが来ても、その第1ポジションで弾けば良いのだから、Aナチュラルマイナーの第3ポジションとして理解するよりも、覚えるのも容易なのだ。Cmだったら8フレットの第1ポジションで弾けば良いし、Emだったら12フレットの第1ポジションで弾けば良いのだ。 そしてせっかくなので、どんなリズムにも対応出来るようにこれを今度は3連符に直してみる。
このようにSmoke On The Waterのギターソロを全体で感じるのでなく、1つ1つをパーツとして考えて、汎用的なフレーズを作る練習を是非やって頂きたい。初めのうちは1〜2小節限定で作り上げた方が簡単かもしれない。慣れてきたら2〜4小節に増やしてみる。最初から4小節のフレーズを作ろうとせずに、1小節のパーツを2つ、3つ、4つ・・・、そう考えてみよう。
つまりこういう事・・・
プロのフレーズをコピーする、パクるとはこういう事を指す。ギターソロ全体を完コピーしたところで、それを他で流用出来なかったら何の意味もなさない。完コピーした事は偉いと皆に褒めて貰えるかもしれないが(実際に十分に自慢して良い事だ)、そこで止まってしまうと、陰で「あいつは応用力が丸でない」と言われるのがおちだ。 せっかくリッチー・ブラックモアがこんな素晴らしいギターソロを我々に提供してくれたのだから、それをSmoke On The Water以外の曲でも利用しない手はないでしょう?。この曲だけで、パクリと言われようが、自分なりのパーツを10くらい作り、それを全て指癖にすれば、ほとんどのロック曲は弾けると言っても一概に間違いではないと思う。 Smoke On The Waterはハードロックギタリストになる為の登竜門である、ギタリストもギター教本もそんな説を唱えているが、みんな勘違いしているんじゃなかろうか?。 仮に勘違いしていないにせよ、もうちょっと突っ込んで、1つの曲を弾きこなす、弾き倒す、これをギタリストは目指さないとならないと思うし、教本でもそのように誘導して初めて優良図書となるのではなかろうか?。単に「弾きましょう!」、「弾けました」ってだけでは登竜門でも何でもない。オンリーワンには決してなれないのだ。 本レッスンも、足りない部分も多々あると思うが、反対に敢えて足りない部分をわざと作る事で、皆さんに考える癖を付けて頂きたいとも思っているのだ。行間を読んで欲しい、そう意識的に書いている事も多い。今回のネタもSmoke On The Waterのフレーズを元に10の汎用フレーズを作り、「皆さん、どうぞ使ってください」と書いても良いのだが、それでは各自が考える癖が付かないでしょう?。
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