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リニューアルレッスン
     113話 何故II-V、V-Iが重要か?

2007.12.11

メジャーキーのダイアトニックコードは以下の通りである(詳細はコチラ)。

度数 Imaj7 IIm7 IIIm7 IVmaj7 V7 VIm7 VIIm7-5
C D E F G A B
コード Cmaj7 Dm7 Em7 Fmaj7 G7 Am7 Bm7-5



キーがCならこの7つのコードをどう使っても音楽理論的には間違いではない。

Imaj7 - IIm7 - IIIm7 - IIm7

上はダイアトニックコードの最初の3つを使っただけのコード進行だ。キーがCの場合の譜面を下に示そう。

でもこれには前話までに学んだV-IとかII-V-Iと言ったコード進行がない。そうなのだ、今も書いた通り、7つのコードをどう使っても間違いではない。ただコードにはそれぞれ性格があり、それを考慮すると「こうやった方が良いのではなかろうか?」なる定番とも言われるコード進行が出来てくる。それがV-IやII-V-Iなのだ。

では上のコード進行を元に考えてみよう。最後のDm7と最初のCmaj7、ここを繋ぐものとしてV7コードであるG7を挿入する。

Imaj7 - IIm7 - IIIm7 - IIm7/V7

これで4小節目から最初の戻る時にII-V-Iが出来た。実際にG7を加えた時とそうでない時とでも比較してみよう。G7を加えたものは明らかにG7からCmaj7への移行で終了感が出るのが判ると思う。これがV7コードの特性で、トニックコードに戻りたがる性格があると言えよう。V-Iと言うコード進行は定番中の定番で、Vコードをドミナントコードと言うのでドミナントモーションと言う。

そしてこのV-Iをコード進行の中にも入れちゃおう。1、2小節目に注目。Imaj7からIIm7。このIIm7のDm7を仮のトニックするとV7はDに対する5度の位置だからA、よってA7になる。でも上のCのダイアトニックコード表を見るとAm7はあってもA7は存在しない。

そりゃそうだ。上はキーがCに対するダイアトニックコードで、A7と言うのはキーをDにした時のダイアトニックコードの中のV7だからだ。V7はトニックコードに戻りたがる性格があるのだからA7はDm7に戻りたがる性格がある。ちょっと表現が曖昧だが、ここだけDmにキーが転調していると考えても良い。

Imaj7/VI7 - IIm7 - IIIm7 - IIm7/V7

だったらIIIm7を仮にトニックとした時にもそれに対するV7コードを入れられると思わないか?。そう、その通り。このIIIm7を仮にトニックにしちゃう。するとV7コードはどうなるかお判りか?。Eをトニックとした時の5度の位置、それはBだ。だからV7コードはB7になる。そしてB7はキーをCにした時VII7になる。

Imaj/VI7 - IIm7/VII7 - IIIm7 - IIm7/V7

だったら4小節目のIIm7をキーにV7を入れられちゃうの判るでしょう?。

Imaj/VI7 - IIm7/VII7 - IIIm7/VI7 - IIm7/V7

A7とB7はキーがCの時のダイアトニックコードに含まれていないが、それぞれDm7、Em7へのセカンダリードミナントコードである、そう覚えよう。

最初のImaj7 - IIm7 - IIIm7 - IIm7から結構複雑になったでしょう?。コードの細分化とはこのドミナントモーションに加えセカンダリードミナントコードが増えて行く事なのだ。

これはジャズだからこういう事をするのではない。クラシックだってJPOPでもブルース系ロックでやっている事、ベートーベンだってエグザイルだってローリング・ストーンズだってやっている。つまり音楽理論の基本中の基本でしかないのだ。だからこういう事を知らないで己をミュージシャンと言っちゃならない訳だ。

これにテンションノートを付けてみよう。まず13thをつけてみる。この13thは次に来るコードがマイナーコードならそれをフラットさせb13thにする、こういうお決まりがある。これを覚えておくと13thを自在に入れられるようになる。


A7b13はA7(b13)、B7b13はB7(b13)、G13はG7(13)である

次に元のコード、Cmaj7、Dm7、Em7には9thを付けてみよう。


Cmaj9はCmaj7(9)、A7b13はA7(b13)、Dm9はDm7(9)、B7b13はB7(b13)
Em9はEm7(9)、G13はG7(13)である。

さて、次に□7の裏コードを使ってみよう。今回利用している□7はA7, B7, G7で、それぞれ裏コードはEb7, F7, Db7になる。ギターの場合、裏コードは指板を見ればすぐに判る。表と裏の関係を示そう。

G7の裏コードはDb7、Db7の裏コードはG7、A7の裏コードはEb7、Eb7の裏コードはA7、B7の裏コードはF7、F7の裏コードはBb7、つまりそれぞれが表であり裏なのだ。そしてこの表コードに対する裏コードの事を代理コードとも言う。ではG7、A7、B7をそれぞれ裏コードにしてみよう。

弾いてみると判ると思う。ドミナントモーション、セカンダリドミナントはこのようなコード進行で下降する時、E, Eb, D, Db, Cと半音毎に落ちて行くので非常に耳に馴染み効果が高い。そして多くはこの下降時に利用する裏コードは9thのテンションを入れる。


Eb9はEb7(9)、Db7はD7(9)である。

さらにコード進行としてはほとんどこういう使われ方はしないが、アドリブをする際にソリストが仮のコードとして考える事がある。例えばA7の裏コードがDb7である。だからDb7と言うのはドミナントコード、V7の役割を持つ。だからこの代理コードV7に対するIm7コードにしちゃうのだ。するとDm7はAbm7になる。同じくF7をV7とするとEm7がBbm7になる。


Eb9はEb7(9)、F9はF7(9)、Db7はD7(9)である。

極端な事をすればG7に対する裏コードがDb7だから最初のCmaj7も裏にしちゃってF#maj7にしちゃう事も出来る。

さて、ここで一番最初のコード進行をもう1度示そう。

Cmaj7 - Dm7 - Em7 - Dm7

上の譜面と見比べて欲しい。これが原型だとは誰も思わないでしょう?。このコード進行でアドリブする時でも上の譜面に示した仮のコード進行に則ってフレーズを考える。これがアウトフレーズになる要因の1つで、特にジャズ系のミュージシャンは、音楽理論を拡大解釈し、裏コードを有効的に使って、わざとアウトフレーズを作り出すのだ。

勿論、この状態でフレーズを作ると1〜4小節、全てがアウトフレーズになってしまい、リスナーは全てがミストーンだと思ってしまう。だから、どこでオンフレーズにし、どこでアウトフレーズにするか、それを瞬時に考え、原型のコード進行にマッチするようなアドリブを繰り出す、まさにセンスの勝負な訳だ。

次に元のコード進行にディミニッシュコードを当てはめてみよう。詳しくは新80話を再読して頂くとして、ここでは簡単に説明する。

ディミニッシュコードにする部分はドミナントコードとセカンダリドミナントコードである。つまり、、、

Cmaj7/A7 - Dm7/B7 - Em7/A7 - Dm7/G7

上のA7、B7、G7をディミニッシュにする。まずそれぞれにb9thのテンションを入れるとA7(b9)、B7(b9)、G7(b9)だ。このb9thのテンションを含む□7コードは半音上のディミニッシュコードと同じであるから、それぞれBbdim、Cdim, Abdimになる。

上でも十分なのだが、もっとコードとコードの繋ぎを自然にしたい。そんな時に考えるのが、ディミニッシュコードは短3度だけで構成されているコードだから構成音の全てがトニックになる。これを思い出すと・・・。同じフォームで短3度上や短3度下を押さえても同じになる。

1、2小節目のディミニッシュコードを短3度下にずらしたのが上の譜面だ。これでコード感の繋がりが良くなったのが判ると思う。そしてこれは、

Cmaj7/A7(b9) - Dm7/B7(b9) - Em7/A7(b9) - Dm7/G7(b9)

と全く同じ意味である事、つまり□7(b9)と半音上のディミニッシュコードが同じなのだから、ディミニッシュコードと半音下の□7(b9)コードは同じである。これを覚えておこう。

これらを知っていると次に説明するアドリブする際にも有利だし、また自分で作曲、編曲する際に、人とは異なるコード構成にする事も可能なのだ。

ではこの手のII-V、もしくはV-Iを利用してオンリーワンなアドリブする為の要領を簡単な例で示そう。

セッションをした時にAm7だけの一発物があったとしよう。ロック系のギタリストの大半はAマイナーペンタトニックかAナチュラルマイナーのどちらかを使うだろう。これはAm7をトニックコードのIm7にした時のスケールだ。ではAm7をIIm7にする。するとキーはGで、Aドリアンが使用される。

AナチュラルマイナーとAドリアンは6thがフラットしているか、ナチュラルかだけだが、それだけでもだいぶニュアンスが異なり、Aナチュラルマイナーを弾くギタリストと差別化が可能だ。

その時V7はD7だから(キー、即ちIがGの時、IIはAでVはDだ)、、、

Am7 - D7

と言うII-Vの仮のコード進行を作ってみる。ここでAm7ではAドリアンを(=Gメジャースケール)、D7でEオルタードを使うとジャズっぽくなっていく。さらにD7の裏コードはAb7だ。

Am7 - Ab7

そして今度はD7の裏コードであったAb7を正規のV7とすると、Am7はEbm7になる。

Ebm7 - Ab7

これはキーがDbのII-Vになる訳で、本来キーがGだったのがDbになるのだから、当然フレーズはアウトしていく訳だ。

関係図を示そう。

Am7のワンコードでもこのようにAm7をIIm7と想定すると、D7がVコード、その裏コードとしてAb7、Ab7をVコードとするとIIm7はEbm7となり、いずれのスケールも理論上は利用出来ると言う事になる。

また、G7の一発物があったとしよう。このコードでアドリブすると普通はG7をV7に見立ててGミクソリディアンを使うだろう(キーはCになり、Cメジャースケールだ)。そこをG7をI7にするのだ。

仮のコード進行としてII-V、その裏のII-V、結果は同じである。つまり、Am7の一発物とG7の一発物は、Am7をIIm7、G7をI7にする事で同じ解釈が成立するのだ。

アドリブのマンネリ化を防ぐには音楽理論を理解していると、ただのAm7やG7の一発物の曲でも、AナチュラルマイナーやGミクソリディアン以外にも様々なスケールを利用出来る事になる。

勿論、本来のコードに対するスケールと異なるスケールを利用するのだから、常にアウトフレーズになり、一概にそれらを使いましょうとは言い切れないが、一部、ここぞと言うところで、拡大解釈する事で、マンネリフレーズからオンリーワンフレーズになってくれる。

何故II-V、V-Iが大切かこれで理解出来たろう?。アドリブする際に、□m7コードをあてがわれたらIIm7-V7を、□7コードをあてがわれたらV7-I7を想定するのである。

そして、先日来述べている事で最重要なポイント。このような仮のコード、仮のコード進行を見立てる事により、フレーズはアウトして行くが、それを自信を持って弾く事。そうでないと聴く側に単なるミスとして処理され、笑いものになるだけだ。「おまえらの低レベルの脳味噌ではこんなフレーズ弾けないだろう!」、これくらいの鼻持ちならない高飛車で丁度良い。



   



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