リニューアルレッスン
　　　　　１２０話　本当にSmoke On The Waterを弾けるのか？

2008.01.04

皆さん、本当にリッチー・ブラックモアの弾くSmoke On The Waterのギターソロフレーズを弾けるか？。上級者は勿論弾けるであろう。しかし初級者、中級者の中では結構いい加減な人もいるのではなかろうか？。

フレーズを完コピー出来たから「弾ける」のではない。フレーズなんて多少違っていても構わない。「弾ける」と言うのと「弾きこなしている」ってのは微妙に違う、これを意識出来ているか、否か・・・。

ese-smoke-on-the-water.mid

上のmidファイルはSmoke On The Waterのギターソロ部のメインのコード進行をループさせたものだ。但し、オリジナルのキーがGmなのに対し、これはAmがキー。よってコード進行はAm - Am - Dm - Am、これのループとなっている。さぁ、リッチーのフレーズを弾いてみよう！。そして可能ならばそれを録音して欲しい。

キーがGmからAmになっているから弾けない・・・、これではお話にならない。自分は初心者だからしょーがない、これは言い訳に過ぎないと思う。自分に甘えては駄目だ。初心者だからこそ、こういう練習が必要なのだ。何の為に色々なキーでスケールの運指練習をしているのか？、そう問われたら返す言葉がないでしょう？。

またこういう誰もが知っている曲はギターテクニックを見直すのにも最適だ。ちゃんと１音チョーキングが出来ているか(１音ぴったりにチョーキング出来ている初心者は少ない)、またSmoke On The Waterの最重要事項であるスタッカートはしっかりと音を切っているか、そして速弾き部分に音のばらつきがないか、これらを意識して自分の録音した音源を聴いて頂きたい。そして自分で自分の演奏に突っ込みを入れよう！。

特にスタッカート部分、この曲は８分音符中心のスタッカートフレーズと１６分音符の速弾き部分が交互に出てくる。幾ら速弾き部分を流暢に弾けてもスタッカートがカッコ悪かったらこのギターソロは成立しない。特に速弾きに入る直前のスタッカートフレーズは走りやすくなり、ここで走るとこれまたかっこ悪いギターソロと化す。多少もたつくイメージで弾くと良いだろう。

こう書くと自分もしっかりと演奏しないとならないので、ハードルが高くなり、めんどくさいのだが、一応下の音源がその辺を意識して弾いたものだ。

リズムもテンポも間違っていないのにスタッカートの切れ味が悪いと感じたら、それはゲインを強く掛け過ぎているのである。特に「せっかくリッチーのフレーズをコピーするのだからニュアンスも似せたい」なんて方は、この曲ではゲインを強く掛けてはならない。そしてゲインを弱めて弾き辛くなった分、トレブルを少し下げてみよう。そうすれば多少弾きやすくなるし、リッチーっぽい音色になってくれる筈だ。

この曲を練習する利点は、Highway StarやBurnのように勢いで弾くギターソロではない事。だからテクニックやリズムを重視した練習が可能となる。速弾き部分も若干もたついているくらいが丁度良いし、ゲインをかなり落として、速弾き部分でもスタッカートを切っているように弾くと(ピックを弦に対して平行、もしくは逆アングルで入れてやると否応にもスタッカートされる)、さらにリッチーのニュアンスに近付いてくれる。

これをアドリブする時でも、出来るだけ泥臭く、もったりと弾くと雰囲気が良くなるであろう。勿論、これでもか！、ってくらいにブレス無しで速弾きをしたって誰からも文句は言われないし、そういうギタリストも多い。でもこの曲で自分のギターテクニックを向上させる練習をするなら、敢えて速弾きを封印し、スタッカートを中心にもったりと弾く事に重点を置いた方が良いだろう。速弾きの練習をするのならBurnやHighway Starでやれば済む事。

前話では色々なスケールを使ってSmoke〜を弾こうなる主旨で書いたが、その反対にマイナーペンタトニックスケール+b5thだけを使い、基本テクニック重視で弾く練習も必要だ。ポジションも複数のブロックで弾き分ける練習もありだが、第１ポジションだけで弾いているのも練習になる。