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リニューアルレッスン
     110話 アウトフレーズの練習法&オルタードスケール

2007.12.1

前話で纏めておいて、今度は練習法ってのもおかしな話だが、必要事項、強調したい事は何度でも書く、そういう流儀だから、重複する内容がなってもまぁご勘弁願いたい。

1、アウトフレーズを聴く

本レッスンをご覧の方の中でアウトフレーズとは一体どういうものか、実際にそれに出くわした事がない方だっていると思う。そして困った問題で、それを聴いてもどれがインフレーズでどれがアウトフレーズかを理解出来ないと、ここから先は読んでもしょーがない。こればかりは初心者に優しいと自負しているこのレッスンでも「耳を養おう」としか言いようが無いのだ。

ロック系の有名どころのギタリストだったらスコット・ヘンダーソンが一番アウトするギタリストかもしれない。アラン・ホールズワースのような、どう弾いているのか理解出来ない変態フレーズは出てこないし、フランク・ギャンバレはアルバムによっては100%ハードロックしていたりして、アウトフレーズはヘンダーソンに比べては少ない。ヘンダーソンだったら彼名義のアルバムを2、3枚買っておけばアウトフレーズに相当出会えるだろう。

ジョン・スコフィールドはアウトフレーズ研究には適している。ただこの人、中にはロックしているアルバムもあり、普通にマイナーペンタやドリアンばかりを使っている曲も多く、間違いが無いのは「Live 77」と言うライブアルバムと「Grace Under Pressure」、この2枚はアウト満載だ。ロック、フュージョンめいているが「Meant To Be」もそこそこアウトフレーズを堪能出来る。

同じジョンでもジョン・マクラフリンも間違いなく、容赦の無い程にアウトする人だが、この人は、超速弾きが得意なので、下手すると気付かない可能性があるから、アウトフレーズ研究には適さないだろうが、耳を肥やす分には良い。

ジャズをすんなり聴ける方ならモダンジャズアルバムに目を向けた方が判り易い。と言うのもジャズはロックやフュージョンと違って、バックで鳴っている音数が圧倒的に少ないから、ギターフレーズのみを取り出すのは容易だ。

ただこの辺のギタリストはビバップやハードバップの流れを汲む人も多く、逆にそういう人はコードに忠実で、この人はアウトするでぇ〜って人を挙げるとなると難しい。やっぱり曲によってって感じなのだな。その中で、アルバム全編でアウトしていたのが、パット・マルティーノの「Think Tank」だ。この人はアルバムによって全てオンノートなんて事もある。過去に演奏したスタンダードナンバーを纏めた「Plays Standards - Best Of Muse」なんかは12曲入っているけど、これでもかってくらい正確な音スケールばかりで、「Think Tank」と比較すると、これが同じ人が弾いているのか?、と首を捻っちゃう程。

どうもこの人は1970年代とそれ以降、全く異なってくるようだ。70年代はジョージ・ベンソンと肩を並べる、いや、それ以上の完璧主義者、80年代からははアウトフレーズ満載の鬼才、そんなイメージがある。よってアウトフレーズを聴くのだったら80年代以降のが良いだろう。

他にグランド・グリーン、タル・ファーロウ、バーニー・ケッセル、ケニー・バレル、この辺のジャズギタリストを聴いておけば大概のアルバムに数曲はドキッとするアウトフレーズが出てくる。

上述したようなアルバムを聴いて、耳コピーするのでなく(出来る人はとっととしても良いが)、まずはアウトフレーズとはどういうものかを感覚的に掴むのが第一歩だろう。スコット・ヘンダーソン、ジョン・スコフィールド、パット・マルティーノ、もしこの辺を聴いてもピンと来ない、もしくは、アウトしているのは判るが好みではない、なる感想が出た場合は、無理にアウトフレーズを学ぶ必要は無いだろう。

2、本レッスンを復習する&慣用スケールのオルタードを扱う

新104話から新109話まで、再度読んで頂き、全てを暗記する必要は無く、なんとなく「アウトフレーズは理論で解釈できるものなのだ」、くらいは理解しよう。こういうものは練習して行くうちに最初はトンチンカンでも、次第に解明出来てくるものなのだ。

次に、アウトフレーズに対するインフレーズ用のマイナーペンタトニックスケール、ミクソリディアンとドリアンの2つのモード、これを完璧に弾ける事、これが前提だ。まだ心もとないなんて方は、アウトフレーズ練習の前に新87話から新100話までのモードを復習しよう。可能なら最低でも3ヶ月、願わくば半年から1年はモードのスケールにどっぷり浸かった方が良い。

そしてこの時、モード以外のコンディミ、hmp5、リディアンb7th、オルタードの4つのスケールも覚えなくちゃならない。オルタードはまだ本サイトで解説していないので、ついでだから、オルタードスケールの概要と、新たにスケールの学ぶ際の注意点を述べていこう。

初めに下の1〜22Fまで全体のスケール表をエクセル等を利用して作り、印刷しておこう。この時、テンションノートを含むようなスケールの場合、テンションノートとコードトーンを色分けすると、より判り易くなる。そして大変でもC〜Bまでの全てのキーの指板表を作った方が良い。

Gオルタードスケール ※#2nd=b3rd, #4=b5th

それを基にブロック毎に覚えて行くのが基本だろう。

Gオルタードスケールの第1ポジション ※#2nd=b3rd, #4=b5th

この時、1弦と6弦は2オクターブの関係にあるので音列は同じである事を理解していれば6弦さえ覚えれば1弦は無視して良いので、5本の弦のブロックを覚えるだけだ。

次はオレなりのスケールの運指として、6弦トニックから始まる2オクターブ、5弦トニックから始まる2オクターブ、これをスムーズに引ける様になるまで練習する。この2つのブロックさえ判っていれば、ほとんどの曲に対応出来る。

でも、どう考えても上の運指パターンで弾くと上下行ともスライドを利用しないとならない。ギターは構造上、異なるフレットで同じ音を出せるので、で自分で一番運指し易いであろうパターンを見つけるのが大切だ。オルタードスケールの場合、下が一番弾きやすい筈だ。

オレは斜めのラインを弾く事が多いので、最初に説明した方で弾く事も多いが、ブロック毎に弾く為の基本パターンと速弾きする際に運指が楽な自分なりの応用パターンの2つの運指パターンを覚えておくと便利だろう。

注意として、第4音までの1st, b2nd, #2nd, 3rd、これの運指はロック風に小指で#2ndから3rdをスライドさせるよりも、1stとb2ndで人差し指でスライドする事。人間は小指よりも人差し指の方が器用なのだから、効率を考えると人差し指スライドの運指に慣れるべきだ。

ここまで流暢に弾けるようになったら、キーを変えて練習するのだ。Gだけ弾ければ取り合えずいいや、次はコンディミを学ぼう!、それでは応用力の利かないギタリストで終わってしまう。1つのスケールをどのキーでも弾けて、別のスケールを覚えた方が後々に楽が出来る。

オルタードスケールの気持ち悪さは最初の4音まではコンディミと同じく半全半の間隔になっており、ここで半音の微妙なズレのアウト感を誘い、第4音から先、1オクターブ上の1st音まで今度は全て全音、ホールトーンスケールになっているのだ。ここで今度は浮遊感が生まれる。

だから単に1st音からスケール練習のつもりでオクターブ上の1st音までズラズラ弾くだけでもアウトフレーズになるし、用途を考えて半音のずれを楽しむだけなら第4音まで、ふわふわして気持ち悪さを求めるのだったら後半の全音部分、このように使い分ける事も出来る。

もう1度第1ポジションのブロックを見て欲しい。

Gオルタードスケールの第1ポジション ※#2nd=b3rd, #4=b5th

これで判る事はないだろうか?。GオルタードはAbマイナーペンタトニックに限りなく近いでしょう?。これなんだ、何故オルタードスケールがアウト感ばりばりなのか。それはG7が鳴っている時に半音上のAbマイナーペンタトニックを弾いているのと感覚的に類似する。コードに対して半音のずれを生むのがオルタードスケールの特徴なのだ。

ギタリストはここで選択に迫られる。G7が鳴っている時に、Gオルタードとして弾くか、半音上のAbマイナーペンタトニックスケールを弾くか・・・。どちらが良いのか?、答えは無い。どっちを使っても良い。それぞれのギタリストの自由だ。

仮に、Gオルタードを弾いていたつもりで、運指をミスってしまい、Abマイナーペンタの音が混在したようなフレーズになってしまったとしても、それも間違いじゃない。両方とも半音のズレを楽しめるスケールなのだから・・・。

ただ、練習を目的とするのならば、楽をしちゃいけない。マイナーペンタでも似たようなフレーズになるのだからなんて思っちゃいけないのだな。バンドやセッションで楽をするのは良いが、嫌な事をするのが練習なのだから、オルタードを覚えると誓ったら最後、絶対にそれを曲げちゃならない。

初めのうちは指板表に従って音を暗記しなくちゃならないから1日最低でも30分くらいは運指練習をするべきだろう。そして慣れてきたら幾つかのキーをピックアップして2、3回弾けば良いから運指練習としては5分程度で十分だろう。

3、とにかく録音

運指練習が完了したら、今まで本サイトで提供しているmidiデータをバックにその運指練習のままのフレーズを弾いて、コードサウンドと自分が弾いているフレーズを確認する。下は16分音符だけで構成してみたが、3連符やテンポによっては6連符の練習も必要だ。


オルタードスケールの場合は、コードトーンは1st, 3rd, b7thしかないので、恐らく最初は気持ち悪いだろう。ちゃんと弾いているのに全てがミストーン、ミスフレーズのように聴こえると思う。慣れろ!、と言う事ではないが、間違いないオルタードを引いているのだから、そういうものだと認識するしかない。

全てをオルタネイトピッキングした運指、ところどころにハンマリングオン、プリングオフを加えた運指、この両方を試し、録音した自分のサウンドを聴く。それにより、ピッキングした時のカッチリ感、レガートフレーズの違いが判ってくる。

この手の運指練習とバックの音楽がすんなりこなせるようになったら、自分なりに2拍〜1小節程度のフレーズを考えよう。ここがミソ。人真似するのも良いが、まずは自分でどんなフレーズがかっこいいか考える癖を付ける事だ。

何故録音しなくちゃならないか。それはこの手の妙なスケールと言うのは最初は耳に馴染まないので、とにかく弾くのに必死だ。だから自分がどんな音を出しているのか、冷静に判断出来ない事の方が多い。だから自分なりフレーズを考えたら、録音し、検討し、再び録音し・・・、これを繰り返して初めて耳が慣れてくる。

わざとフレーズをb2ndから始まり、b6thで終わるようなフレーズを作ってみて、これが気持ち悪いと感じたら、「1st音で始まり1st音で終わる」と言うフレーズの基本に戻ったりと色々やってみる事だ。

4、オンフレーズとアウトフレーズ

オルタードスケールコンディミスケールの利用、もしくは半音ずらしたり、5度ずらしたり、短3度移動したり、これをする事によりアウトフレーズは作れる。特にスケールをずらしてアウトフレーズだけでギターソロを構成すれば確実にそれはおかしなフレーズになるのだ。

だからオンフレーズとアウトフレーズを使い分ける必要が出てくる。ギタリストのセンスが出るのは正にココ。オルタードスケールに慣れるまではひたすらオルタードスケールを弾き倒す事になるが、実践となると、どこでオルタードスケールを使うかがポイントになってくる。

下は前話で解説した最後の譜面だ。


4小節のうちオルタードスケールを使っているのは3小節目だけだ。それもただの運指トレーニングフレーズ。これでも十分カッコイイ。

そしてこの3小節目はG7一発のところをV7-I7と言うドミナントモーションにし、D7-G7と仮定してDオルタードを使っても良い。またD7の裏コード(代理コード)はG7をキーにbII7になるAb7になるのでAbオルタードを使っても良い。このbII7想定のオルタードスケール、これはパット・マルティーニが良く使うアウト手法である。

下にその3小節目と4小節目を示そう。実践らしく、4小節目も若干アウトする趣旨を変えずに運指し易いパターンに変更している。

GオルタードでなくDオルタードを使っている

GオルタードでなくAbオルタードを使っている

G7コードでGオルタード、Dオルタード、Abオルタードが使える。だったら1小節目はGオルタード、2小節目はDオルタード、3小節目はAbオルタード・・・、間違いではない。しかし言葉で説明すると難しいが、敢えて言うのならば、リスナー側は、アウトフレーズを気持ち良い、楽しいと感じるのでなく、微妙なズレを楽しんでいるのだ。

どこを切ってもアウトフレーズなんてフリージャズじゃあるまいし気持ち悪いに決まっている。それよりもコードトーンの中にちょこちょこ入るテンションノートが愉快に感じる。そしてテンションノートは常に元に戻る性質を持っているから(緊張と緩和)、何度も言うが「1st音で始まり1st音で終わる」と言うフレーズの基本が重要になってくる。

先ずは1小節毎にオンフレーズとアウトフレーズを交互に繰り出す練習をすると良い。コードがG7だったらGマイナーペンタトニックスケールかGドリアンかGミクソリディアンのどれでも良い。これにGオルタードを交互に弾いて行くのだ。すでにオルタードスケールに慣れていたら、その他の半音、短3度、5度ずらしのスケールを利用しよう。

その後は各自自由で4小節を1つのサイクルとし、そこで起承転結するフレーズを考える。アウトするのだから単純に「転」の部分でアウトフレーズになるスケールを使い、1、2、4小節ではオンスケールを使うとか(上の譜面はまさにこの通り)、最初の小節でアウトフレーズで緊張感を与え、徐々に終局に向かうようなフレーズでも良いだろう。

そして最後に一番の難関。オンフレーズの中にアウトフレーズをかます!。まぁオルタードやコンディミをそのまま使っても良いが、すぐにフレーズなんてネタが尽きる筈なので、1小節の中で、最小限のオンフレーズ、アウトフレーズ、1拍の中で2音ずとイン、アウトを作る、そういった練習をする。

下の3つの譜面は、これまた前話のもの。これが最高のサンプルとは言い難いが、こういうフレーズを毎日1つ作るくらいやってみても良いと思う。

G7だったら、

GマイナーペンタトニックとGオルタードの組み合わせ
GマイナーペンタトニックとAbマイナーペンタトニックの組み合わせ
GドリアンとAbドリアン組み合わせ
GドリアンとAbオルタードの組み合わせ
GミクソリディアンとAbオルタードの組み合わせ
GドリアンとBbドリアンの組み合わせ

このように色々な組み合わせが出来、オルタードだけでなくコンディミ、ディミニッシュ、hmp5、これらを含めたら、星の数程のフレーズが作れるのだ。これを瞬時にインプロヴァイズ出来るか否か、それはオレも含め、皆さんの練習量とセンスによって決定される。

さぁ、今回でひとまずアウトフレーズに関するネタは終わりにする。皆さんもアウトフレーズを堪能し、マンネリを打開しよう。ここで偉そうに述べているが、オレ自身もアウトフレーズに真面目に取り組んだのは最近の事だ。今後も一緒に学んで行こうではないか!。

但し!、この手のフレーズは様式美ハードロックには向かない事をお断りしておく。理論的に正しく、意図してアウトしても、その意に反して、リスナーはそれをミスとして捉えるに違いない。まぁアウトフレーズを理解する事で、コードトーンの重要性を再認識する筈だから、練習して損する事はないと思う。



   



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