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リニューアルレッスン |
2007.11.7 |
hmp5(ハンプファイブ)スケール、正式名称はとっても長ったらしく、ハーモニック・マイナー・パーフェクトフィフスビロウと言う。日本語に訳すと、完全5度下げたハーモニックマイナースケールって事になるのだろう。 つまり□7コードの5度下のハーモニックマイナースケールを指す。今回例に挙げているのはG7だからGの5度下はC、よってG-hmp5スケールはCハーモニックマイナースケールと同じ事になる。そう、様式美なハードロック、ヘヴィメタルギタリスト御用達のスケールと同意なのだ。 リッチー・ブラックモアもレインボー時代にこのスケールを使っている。アルバム「Long Live Rock'n Roll」の中の大曲、Gates Of Babylonの前半のE7部分でE-hmp5スケールでエキゾチックなフレーズを連発している。これをAハーモニックマイナースケールと言っちゃならない。 アルバム「Down To Earth」のDanger ZoneではDb-hmp5を使ってキメフレーズ的なアラビアーンな速弾きをしている。これもF#ハーモニックマイナースケールだなんて抜かしちゃ決してならないのである。 まぁ、G-hmp5スケールを新たに覚えずに、5度下げたCハーモニックマイナースケールとして弾いても問題はないし、Gates Of Babylon、Danger ZoneもそれぞれAハーモニックマイナー、F#ハーモニックマイナーとして弾いても間違いじゃない。 でもhmp5はhmp5として学んだ方が利点が多いと思っている。まずトニックが違う。G-hmp5はあくまでもトニックはG音、Cハーモニックマイナー流の演奏をすると、どうしてもトニックのC音が中心となるので、違和感を持つフレーズになる事もあるのだ。
G-hmp5 第1ポジションとしては下のような6弦3フレットの1stを中指でスタートさせる運指が一般的だろう(5弦の3、4フレットは人差し指をスライド)。
そしてこの第1ポジションを良く見て頂きたい。下の赤色数字はGのコードトーンだが、黒数字を見るとそれぞれが半音上がっているからG#のコードトーンになっている。
G-hmp5スケールはGのコードトーンの他に半音上のG#のコードトーンを含む、G-hmp5スケールを単にCハーモニックマイナースケールだと覚えちゃうと、こういうところを見逃してしまう。G7が鳴っている時、Cハーモニックマイナーとして演奏したら、G#のコードトーンを上手く使えないでしょう?。
ただのこんなフレーズでもGとG#のコードトーン奏法だ! さらに、hmp5をhmp5として覚える利点は、このスケールは前話のコンディミスケールの一部を含んでいて、それは□7(b9)のコードトーンを持っているのである。
上の赤数字部分がG7(b9)のコードトーンだ。そういえば前話で書き忘れた事だが、□7(b9)と言うコードと□の半音上のディミニッシュコードは同じってを知っておこう。G7(b9)とG#dimは同じなのだ。
G7(b9)の構成音
G#dimの構成音 AbとG#は同じ音だから、G7(b9)とG#dimの違いはG音が入るか入らないかだけで、少なくともギターでは両者は同じコードとみなしている。これもCハーモニックマイナースケールで弾いていると、G#dim、もしくはG7(b9)のコードトーンを含んでいる事すら認識していない筈だ。 これらの理由から、取っ掛かりとして、hmp5スケールは5度下のハーモニックマイナースケールとして弾くのは否定しないが、使うこなそうと思ったらhmp5はhmp5として弾く事が望ましい。 ではここでコンディミスケールとhmp5スケールを違いを数字で示そう。
hmp5スケール
コンディミスケール コンディミのb3rdは無く、#4thに対しナチュラルな4th、6thに対してb6thと言う違いがあるが、似ていると言えば似ている。実際にオレもこの2つは良く混同してしまう。でもG#dimのコードトーンを含んでいる共通点があるし、コンディミもhmp5も□7コードで使えるので、仮に両者が混在しても特に問題は無かったりする。 ではサンプルを聴いて頂こう。
G7(b9)のコードトーンフレーズは前話を参照して頂こう。上の譜面はGとG#のコードトーンを交互に弾いているフレーズ。再三言うが、ただの5度下のハーモニックマイナースケールと思わずにしっかりとhmp5スケールとして学んで頂きたいと思う。作り上げたフレーズはコンディミよりも馴染みのあるフレーズになるので、こちらの方が取り扱いは楽だろう。
この他、□7コードで使うスケールは2つ。オルタードスケールとホールトーンスケールだ。解説は楽に出来るのだが、オレ自身、この2つを実践で使う事がほとんどなく、先程、試しに弾いてみたところ、今一歩、納得の行くアドリブが展開出来ないでいる。よってこの2つのタはもう暫くお待ち頂きたい。 とにかく、今まで解説した□7コードで使えるスケール、
メジャーペンタトニックスケール この7つをしっかりと覚えちゃえば、大概の事は満足出来ると思う。これだけ覚えちゃうと、なんちゃってジェフ・ベックやなんちゃってジョー・サトリアーニは勿論の事、なんちゃってジョン・スコフィールドやなんちゃってジョン・マクラフリン、なんちゃってフランク・ギャンバレで遊べちゃうのだった。 さて、ここまでお読みになった皆様へ、幾つかの練習用midiカラオケを用意したので、是非活用して頂きたい。テンポ105は16文音符での練習に、テンポ105は3連符での練習に最適だ。まずは弾き易いG7, A7, C7で練習し、F7やDb7、Eb7のように、ロックギターではあまり使われないキーで弾けるようになれば、そのスケールはモノにしたと言う事になろう。
C7コードでテンポ105の練習用midiカラオケ
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