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リニューアルレッスン
     84話 耳コピーの勧め

2007.10.28

我々の多くは相対音感しか持っていない。「相対音感」、この語句だと見栄え、聞こえは良いが、要は正確に音を掴めない、再現出来ない馬鹿耳しか持っていないって事なのだ。音楽だけに言及すると、絶対音感を持っている者と馬鹿耳とでは月とすっぽん、遥かに絶対音感を持つ者の方が有利である。

絶対音感を持って生まれて持つ者の他、後天的に鍛えてそういう耳を持つ事が出来るが、一般には5、6才までにそれを養う訓練をしないと身に付かないと言われている。よって、本サイトをご覧の方の99%は馬鹿耳だと思っている。オレも残念ながら皆さんと同じく馬鹿耳連合の会員だ。

ではその馬鹿耳連合が絶対音感に勝つにはどうすれば良いか?。ここで真に残念な事をお知らせしよう。馬鹿耳が絶対音感に勝つ事は不可能、1万人の馬鹿耳が寄って集っても1人の絶対音感者を倒す事は出来ない。よってこの問いへは「勝てない」と答える事になる。馬鹿耳連合が絶対音感のギタリストと同じ事をしていたら、永久に追い越す事は出来ない。

つまり、馬鹿耳連合は絶対音感者よりも多くの練習をし、テクニックを磨き、センスを養うしかないのだ。そこで1つの練習法として、センスを養う意味で耳コピーをお勧めしたい。勿論、耳コピーしたところで、馬鹿耳が突然治る事はない。しかし耳を鍛える事で、相対音感と言う馬鹿耳連合の中でも音感が良い、上位に属する為の術、それが耳コピーだ。

ここで言う耳コピーとは曲をコピーすると言う意味ではない。曲をコピーするのだったら耳コピーなんて時間の無駄。楽器屋さんやインターネットで譜面を探し、それを頼りにコピーした方が遥かに効率が良い。中には何が何でも耳コピーしろなんて言うシーラカンスな堅物がいるが、そういう人には「オレはあんた程暇じゃない」と一言言ってやろう。

耳コピー=フレーズコピー、そう思って欲しい。曲をなぞるのが目的でなく、あくまでも耳を鍛える事、それに重点を置かなくてはならない。余程、しょーもないギタリストが在籍しているバンドを除いて、1曲の中でギターソロを聴いて、あっ、これカッコイイなぁとか、良く耳にするフレーズだなぁ、はたまた、これは変なフレーズだなぁ、と思う事があるでしょう?。

こういうのを全てひっくるめて「気になるフレーズ」と言う事にしよう。耳コピーはそういう気になるフレーズのみを耳で感じ取る、これに主眼を置こう。12小節も24小節もフレーズをコピーする必要なんて無い。「おっ!」と思うフレーズなんてだいたい1〜4小節程度だ。

勿論、譜面があれば「おっ」と思ったら譜面を参照し、なるほどこうやって弾いているのか、と瞬時に理解する事が出来る。でももう1度言う。曲をなぞるのが目的なのではない。耳を鍛える事が目的なのだ。慣れないうちは簡単なフレーズ、それが1小節だけだったとしても何度も聴き直さないと、それを弾く事が出来ないだろう。

この「何度も聴き直す」、これがポイントだ。今、高校生でも四則計算すら満足出来ないアホがいると言う。彼らは馬鹿なのでなく、数字を計算すると言う訓練を真面目にやってこなかっただけ(まぁそういうのを世間一般では馬鹿と呼ぶのだが)。譜面を見てフレーズを弾こうとするってのは答えを見ながら算数のドリルを解いているのと同じ事でしょう?。だから耳にたこが出来るくらい何度も何度も気になる部分だけを聴く、そうすれば嫌でもそのフレーズを覚えちゃう。

人間の脳ってのは不愉快な作業を強いられる事によって活発になるらしい。ところが譜面を見ながらフレーズを真似るのは指の訓練にはなるが、耳の訓練にはならない。どうせ脳の訓練をするのだったら指と耳の両方を鍛えるべきだろう。耳の訓練をするのなら弾くんじゃなく聴くのだ。ただ聴くのではなく、音程をしっかりと取るように集中してひたすら聴く。これは人間にとって相当に不愉快な作業だ。

昔はこの作業、レコードからカセットテープに録音し、速度を落とすのならオープンリールデッキを必要とし、超がx100も付くくらい面倒な作業だったが(脳を鍛える以前の作業がかったるい)、今はデジタルな時代。パソコンの音楽再生ソフトや音楽波形エディターを使えば、ピンポイントでリピート再生が出来るし、音程はそのままにテンポだけを落とす事も出来るから、速弾きフレーズでも何とか聞き取る事が可能だ(手軽にリピート&テンポ落としをするのだったらJet Audio7が良い)。

とにもかくにも耳を鍛えるには真剣に聴くしかない。一番良いのはギターソロ全体を鼻歌で歌えるように記憶するする事だが、じゃぁディープ・パープルのChild In Time、あれを全て記憶するなんて時間の無駄だ。上述した通り、あの通りに弾きたいだけなら、譜面を見た方が良い。

そうじゃなく、Child In Timeを聴きながら、最初に「おっ」と思ったフレーズ、これだけに注目する。たとえそれが1小節に満たなくても良い。それをしっかりした音程で鼻歌や口笛で口ずさめるまでする。そして今度はその自分の口ずさんだメロディをギターで弾いてみる。そのフレーズがどんなコードの時に弾かれているのか、実際にそれを弾きながらスケールは何が使用されているのかを調べていこう。勿論、この時には事前に曲のキーを知っていて、各種スケールに熟知している事が前提だが、キーが判らなかったらその部分だけ譜面に頼っても良いし、スケールは理論書片手でチェックしても構わない。

もしそのフレーズの運指が難しかったら儲け物。耳のトレーニングと指のトレーニングの両方が出来ちゃう。その指のトレーニングの際に、そのフレーズを端折った、今の実力で弾ける類似なフレーズを考えるようにすると、センスも養われちゃう。それを色々なポジションで弾けるようになったら、それはもう自分のフレーズになったも同然。

もう1度書こう。目的は曲をコピーする事ではない。耳を鍛える事である。だからどんな曲でもどんなにフレーズが短くてもトレーニングになる。Child In Timeが難しいと感じたら、速弾きの少ないBlack Night等で演るのも良いだろうし、ブルースは定番フレーズの宝庫なので、耳の訓練には持って来いだ。繰り返し繰り返し、定番フレーズを耳にするので、ブルースを音楽の公文式と呼びたい。

毎日訓練する事に越した事はないが、1週間に1フレーズ、「おっ!」と思ったフレーズを耳コピーしていけば、1年で50のフレーズを物に出来る。そして1年を経ればきっと馬鹿耳の中でも優れた音感を持つミュージシャンになっている事だろう。大切なのは実際にギターで弾きながら、音をスケールに当てはめる事。これをやる事で、色々なフレーズを実践で利用出来るようになるのだ。

   



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