リニューアルレッスン
　　　　　８７話　□7コード上でのスケール
　　　　　　　　　　メジャーペンタトニックスケール

2007.11.2

ロックギタリストが□7コードで最も使うスケールは恐らくマイナーペンタトニックスケールだろう。そう、マイナーペンタトニックスケールと言うのはマイナーコードでもメジャーコードの両方で使える万能スケールだからだ。だからブルースで一般的に使われるのはマイナーペンタトニックスケールなのだ。

だからここは敢えて、□7=マイナーペンタ、この図式を捨てて、まずはメジャーペンタトニックスケール、これで□7コードを制覇しよう。□7コードはメジャーコードだからメジャーペンタトニックスケールを使うのは当たり前で、これでオンリーワンを目指せるのか？。

そんな疑問が聴こえてきそう。でも、では皆さん、これまでにメジャーペンタトニックスケール中心にギターを弾いた事がありますか？、と逆に問いたい。少なくとも様式美ロックやマイナーキー中心のハードロック、ヘヴィメタル中心に演奏しているギタリストはあまりメジャーペンタトニックスケールは使っていないんじゃなかろうか？。

ではメジャーペンタトニックスケール、今回はキーをGとしよう。Gメジャーペンタトニックスケールの指板表をご覧頂こう。

Gメジャーペンタトニックスケールの第１ポジション

どこかで見慣れた配列だとは思わないか？。では次の指板表を見て頂こう。

Eマイナーペンタトニックスケールのの第２ポジション

そう、音楽理論の基本中の基本、平行調の関係だ。AmとCが平行調でどちらもドラミファソラシドを使うのと一緒でEmとGは平行調、だからEマイナーペンタトニックスケールとGメジャーペンタトニックスケールは同じ音を使う。開放弦まで数字を入れるともっと判り易いだろう。

Gメジャーペンタトニックスケールの 第５と第１ポジション		Eマイナーペンタトニックスケールの 第１と第２ポジション

マイナーペンタトニックスケールをそのまま３フレット左にずらせばメジャーペンタトニックスケール、上の表のようにGメジャーペンタトニックスケールなら３フレットからのGマイナーペンタトニックスケールの第１ポジションを３フレット左にずらし開放弦スタートとしたものをGメジャーペンタトニックスケールだと考える人も多いだろう。

スケールの音列をどう覚えるかは個人の自由で、それでも間違いではない。但し、この時に気を配らなくてはならないのは同じ構成音のEマイナーペンタトニックスケールとGメジャーペンタトニックスケールでも中心になる音、トニック音を意識しないとならない点。

３フレット左にずらす、それだけを考えていると、６弦の開放弦のE音、これを基準としてしまう。なるほど、Emペンタトニックスケールならそれが1st音だから問題はないが、Gメジャーペンタトニックスケールとして弾くとそれは6th音に相当する。実際に弾いてみれば判ると思うが、6th音からスタートしたり、6th音を終結音とするのは相当に勇気がいる。

要するにスケール本やハウツー本に掲載されているようなマイナーペンタトニックスケールを利用した定番のブルースフレーズってあるでしょう？。それを３フレット左にずらしただけのフレーズを弾いても上手く聴こえないって事なのだ。

だから次の譜面のようなEマイナーペンタトニックスケールによるブルース、ロックの定番フレーズ、これをEmやE7コードが鳴っている時に使うのは良いが、G7が鳴っている時に使ってもただおかしいだけである。理論上は間違っていない音を使っているが、G7と言うコードにはマッチしないフレーズ。

だからGメジャーペンタトニックスケール=Eマイナーペンタトニックスケール、そう覚えている人は、常に1st音であるGはどこにあるのか、さらにはG7のコードトーンでる3rd、5th音もどこか、これを把握している必要がある。下の指板表のように１オクターブ毎に記憶するのも良いだろう。初めのうちは１オクターブ内でフレーズを作り1st音で始まり、1st音で終わる、そういう練習をしてみよう。

慣れてきたら今度は２オクターブ使ってみる。６弦３フレットから２弦８フレットまでで２オクターブ、同じく、５弦１０フレットから１弦１０フレットまでも２オクターブ。２オクターブもあれば大概のフレーズは作れるだろう。後は上の指板表で薄い数字部分、２弦１０フレット、１弦の７、１０フレットを繋ぎとして利用すれば６弦３フレットから１弦１５フレットまでの３オクターブを使えるようになる。

実際にオレはメジャー系のスケール(後に説明するミクソリディアン、リディアンb7thも含め等)はほとんど、上の指板表のパターンだけで弾いているのだ。指板の全部を使おう、覚えようとするのでなく、自分が使う範囲だけ、覚えちゃう、これが手っ取り早い。

ではG7のワンコードのファンキーmidiを用意したので、メジャーペンタトニックスケールだけで、フレーズを構築する練習をしよう！。まず最初はEマイナーペンタトニックスケールとして定番フレーズを弾いてみて、どこがおかしいか、何がいけないのか、それを考え、次にメジャー系スケールっぽいフレーズを考えてみよう。中にはマイナーペンタトニックスケールの定番フレーズがマッチする場合もあろうから、そういうフレーズの発掘もしたい。

練習用のg7.mid

１つ、こつと言うのかな？。このメジャーペンタで一番厄介な音は6th音だ。□7コードの中で6th音をロングトーンで延ばすと、余程凝ったフレーズでない限り、全く合わない。

だから自分で弾いていて、物凄く違和感を持つ音にぶつかったら、それは6th音だと思って、次に同じ弦の３フレット右を押さえよう。6th音の３フレット右は1st音だ。「6thを弾いたら次は1stで終結させる」、こういう癖を身に付けても良いと思う。それに慣れたら他のコード構成音である3rdや5thに着地する練習もしよう。