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リニューアルレッスン
     79話 コードの役割(代理コード)

2007.09.30

調性音楽の場合、キーに対するダイアトニックコードが存在する。メジャースケールに対するダイアトニックコード、マイナースケールに対するダイアトニックコードである。キーがCならドに対するのはCコード、レに対応するのはDm、ミに対応するのはEm・・・、シに対応するのはBm-5。

キーがCのダイアトニックコード(7thコード)

C Imaj7 Cmaj7
D IIm7 Dm7
E IIIm7 Em7
F IVmaj7 Fmaj7
G V7 G7
A VI7 Am7
B VIIm7-5 Bm7-5

そしてこれら7つのコードにはそれぞれ役割分担を持っている。

Imaj7 IIm7 IIIm7 IVmaj7 V7 VIm7 VIIm7-5
Cmaj7 Dm7 Em7 Fmaj7 G7 Am7 Bm7-5
トニック サブドミナント トニック サブドミナント ドミナント トニック ドミナント

ご覧の通り、7つのコードにはトニック、サブドミナント、ドミナントの3つの役割があるのが判るだろう。

トニック
  そのキーの中で一番安定している音色、終始感を持つコード

ドミナント
  トニックや他のコードに向かう際に動的なイメージを与えるコード

サブドミナント
  ドミナントコードを補助する役割を持つコード

基本はトニックコードはImaj7、ドミナントはV7、サブドミナントにIVmaj7が使われる。これを小学校か中学校で習ったと思うが、主要3和音と言う。ブルースの場合は全て□7タイプのコードではあるが、この主要3和音で成立している。

入門書、ハウツー書で、特にギター入門書にありがちなのは、この主要3和音だけに注目して、他のコードの説明は一切せずに(特にVIIm7-5等の解説は皆無だったりする)、代理コードがなんちゃらなんて書いてあるから、初心者はチンプンカンプンになる。

でも上のような表で、主要3和音の他の4つのコードもトニック、サブドミナント、ドミナントに分類されるんですよ、と明記していれば、ちょっとスマートな頭脳の持ち主だったら、Imaj7の代わりにIIIm7やVIm7も使えるのではなかろうか、と頭を働かせる事が出来る。

それぞれのコードの構成音を調べてみよう。

トニック群
  Cmaj7 - C, E, G, B
  Em7 - E, G, B, D
  Am7 - A, C, E, G

ドミナント群
  G7 - G, B, D, F
  Bm7b5 - B, D, F, A

サブドミナント群
  Dm7 - D, F, A, C
  Fmaj7 - F, A, C, E

それぞれの群のコードに共通の音が3つずつあるのがお判りになると思う。そう、どの群も構成音が似通っている、似たような音色だから、それぞれがそれぞれに属するのだ(実際にはさらに似せたりする為にテンションノートを付加したりするが)。

マイナーキーのダイアトニックコードでも検証してみよう。

キーがCmのダイアトニックコード(7thコード)

C Im7 Cm7
D IIm7-5 Dm7-5
Eb bIIImaj7 Ebmaj7
F IVm7 Fm7
G Vm7
V7
Gm7
G7
Ab bVImaj7 Abmaj7
Bb bVII7 Bb7

Im7 IIm7-5 bIIImaj7 IVm7 Vm7
V7
bVImaj7 bVII7
Cm7 Dm7-5 Ebmaj7 Fm7 Gm7
G7
Abmaj7 Bb7
トニック サブドミナント トニック サブドミナント ドミナント サブドミナント サブドミナント

トニック群
  Cm7 - C, Eb, G, Bb
  Ebmaj7 - Eb, G, Bb, D

サブドミナント群
  Dm7b5 - D, F, Ab, C
  Fm7 - F, Ab, C, Eb
  Abmaj7 - Ab, C, Eb, G
  Bb7 - Bb, D, F, Ab

G7とGm7はドミナント群と言うべきではないが(一般に併用される事はない、どちらか一方なので、それぞれがドミナントと考えた方が良い)、他のトニック群とサブドミナント群はメジャーキーと同様に類似する構成音になっているがお判りになるだろう(同じく実際にはテンションノートを色々と付加する事も多い)。

ここでもう1つ解説する事がある。メジャーキーの場合、上述した7つのコード以外にもう1つのコードが使われる。詳細はちょっと忘れてしまったが、調性音楽にはメジャーキーのコードとマイナーキーのコードを交換し合えるって事になっている。そしてマイナーキーのVm7がV7になるのと同様に、メジャーキーの場合は、サブドミナントコードのIVmaj7の他にマイナーキーのサブドミナントこーであるIVm7が使われるのだ。そしてこのコードをサブドミナントマイナーと呼ぶ。

これだけだとはてな?、になるだろうから、良くあるコード進行を示そう。

Cmaj7 - C7 - Fmaj7 - Fm7 - Cmaj7

C7からFmaj7ってのはセカンダリードミナントである。Fmaj7を仮のIとしたVがC7。そしてFmaj7の次にサブドミナントマイナーのFm7を配置する。実際に弾いてみて欲しい。嗚呼!、よくあるパターンだ!、とご理解頂けるだろう。Fm7の次にはCmaj7が来るので、トップノートがA, Ab, Gと半音下がりになり、実に心地良い。

これらを踏まえて、ようやく出てくるキーワードが「代理コード」である。読んで字の如し、I, IV, Vの主要3和音の代わりに使われるコードの事を言う。もう1度メジャーキーのダイアトニックコードの役割分担を書こう。

トニック群
  Cmaj7 - C, E, G, B
  Em7 - E, G, B, D
  Am7 - A, C, E, G

ドミナント群
  G7 - G, B, D, F
  Bm7b5 - B, D, F, A

サブドミナント群
  Dm7 - D, F, A, C
  Fmaj7 - F, A, C, E

もうお判りだろう。トニックであるCmaj7の代理はEm7でありAm7。ドミナントであるG7の代理がBm7-5、サブドミナントであるDm7がFmaj7になる。コード表記をローマ数字にするとどんなキーにも対応出来るので表にしてみよう。また判り易いように一応、キーがCの時のそれぞれのコードネームも記する。

役割 主コード Key=C 代理コード Key=C
トニック Imaj7 Cmaj7 IIIm7, VIm7 Em7, Am7
サブドミナント IVmaj7 Fmaj7 IIm7, VIm7 Dm7, Am7
ドミナント V7 G7 VIIm7-5, bII7 Bm7-5, Db7

おやおや、VIm7のAm7がトニックの代理にもサブドミナントの代理にもなっている。では構成音を見てみよう。

Cmaj7 - C, E, G, B
Fmaj7 - F, A, C, E
Am7 - A, C, E, G

Cmaj7とAm7はC, E, Gが共通で、Fmaj7とAm7はF, A, Eが共通になっている。恐らくトニックってのは□maj7だけでなく□6も使われるから、C6の構成音はC, E, G, Aになり、Am7と全く同じ音。だからVIm7はトニックに分類されているのだろうが、IVmaj7の代理コードとしてVIm7も使える、そう覚えておいて欲しい。

ダイアトニックコードでない物としてドミナントコードの代理としてbII7がある。これも構成音を見よう。

G7 - G, B, D, F
Db7 - Db, F, Ab, B

うーん、共通音はFとBの2音だから決して類似する音とは言い難い。しかし、不思議と弾いている見ると合うんだ。II-V-Iで例を示そう。



上段が普通のII-V-I、中段がVの代理にbIIを利用したII-bII-I、下段はそれに9thのテンションを付けてみた。実際に弾いてみれば下に行くに従い、ジャジーなサウンドになるのが判ると思う。個人的な考えだが、bII7ってのはVの代理と考えるのでなく、Iに向かう際、終結の過程に使えるコード、そんな意識がある。

ちなみにこのV7に対するbII7は代理コードと呼ぶよりも裏コードと呼ばれる事が多い。だからII-V-I進行でセッション等をしていた際に、メンバーから「ドミナント部分は裏で行きましょう!」、なんて言われたら「V7じゃなく、bII7を使おう!」それを意味するのだ。

とにかくトニックに向かう際のドミナントモーションにbII7を使う、これが一般的なようだ。つまり、仮にIに対するV7を挿入するセカンダリードミナントにそのV7に対するbII7はあまり使われない(まぁジャズだったらその辺も平気で使っちゃうのかもしれないが)。

要するに代理コードを使うってのはマンネリの予防策と考えほしい。

Cmaj7 - Am7 - Fmaj7 - G7

上は一般的な循環コード。いつもこのコードじゃつまらん。この進行にはトニックのCmaj7、サブドミナントのFmaj7、ドミナントのG7が使われているから、それぞれに代理コードを使う。

Em7 - Am7 - Dm7 - Db7(9)

とかにしちゃう訳だ(bII7には9thのテンションノートを付加する事が多い)

このコード進行の面白いところはキーコードのCmaj7が出てこないのにキーはC(並行調のAmがキーとも言えるが)なのだ。だからこのコードを示されてEのナチュラルマイナースケールなんかで弾いちゃうとおかしくなる訳だな。しかもCのスケールで弾ききろうと思うとDb7(9)で躓く。そりゃそうだ。こんなコードに対するスケールはCメジャースケールにはないのだから。だからこの部分はDb7用のスケールを使わないとならない。

つまり、代理コードを使う時、スケールそのもののそのコードに特化したものを使えると言うメリットがある。このコード進行全てでEナチュラルマイナーで弾くとどうしようもなくなるが、Em7のところだけをマイナー系のスケールを使うと面白いフレーズを組み立てられるようになる。

さらには本来Em7の部分はCmaj7だから、Em7が鳴っている時に、ガツン!、とCmaj7のコードトーン中心に弾いてやったり、Aマイナーペンタトニックを使うと、微妙なアウト感が出てユニークなフレーズを作れる。反対にコードがトニックのままCmaj7であった場合、そこにEm7のコードトーンで弾けば同じような感覚なる。

様式美なハードロック、ヘヴィメタルにはディミニッシュコードってのが良く出てくる。用途の1つにドミナントコードの代わりにディミニッシュを使うってのがある。その際に、単にキーによる決まったスケールでなく、ディミニッシュのコードトーンや、半全ディミニッシュスケール、オルタードスケールを使うと、アウト感バッチリのウネウネしたフレーズになるのだ(ディミニッシュコードに関してはいずれまた)。

代理コードの使用はコード進行のマンネリを防ぐと共に、リードプレイ、フレーズそのもののマンネリ化も防止する事が出来ちゃうのだった。

   



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