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リニューアルレッスン
     78話 II-V-Iを考える

2007.09.30

ポピュラー曲のどこかには大概入っているコード進行がII-V-Iだ。見て判る通り、トニックで終了しているのでメロディの終わりに来るコード進行だってのが判るだろう。Vはドミナントコードであり、ドミナントコードの次にトニックコードを配すれば終結になる。

下にキーをCとしたダイアトニックコードとローマ数字の早見表を載せる。

Imaj7 Cmaj7
IIm7 Dm7
IIIm7 Em7
IVmaj7 Fmaj7
V7 G7
VIm7 Am7
VIIm7-5 Bm7-5

次にキーがCmであった時のダイアトニックコードとローマ数字の早見表だ。

Im7 Cm7
IIm7-5 Dm7-5
bIIImaj7 Ebmaj7
IVm7 Fm7
Vm7 or V7 Gm7 or G7
bVImaj7 Abmaj7
bVII7 Bb7

だから、、、

メジャーキーのII-V-Iは、
   IIm7 - V7 - Imaj7 --- 「Dm7 - G7 - Cmaj7」

マイナーキーのII-V-Iは、
   IIm7-5 - Vm7 - Im7 ---「Dm7-5 - Gm7 - Cm7」
   (Vm7はV7となり、G7となる事の方が多い)

キーがCのII-V-Iの例

キーがCmのII-V-Iの例

いとしのエリーに見るコード展開でもこのII-V-I形式が見られる。この曲はキーがDなのでII-V-IはEm7-A7-Dmaj7となる。Aメロの5〜6小節目でこれを見る事が出来る。

勿論、常にII-V-Iと言う形式を持つ訳ではない。いとしのエリーのAメロの7〜8小節ではIV-V-IであるGmaj7-A7-Dmaj7となっている。これも終結に向かう1つのパターンでII-V-Iの変形だ。と言うのもII-V-IのII、IV-V-IのIV、この2つはサブドミナントコードと呼ばれていて、原則的にどちらを使っても良い事になっているのだ(ちなみにI、IV、Vの組み合わせで一番有名なのはブルース進行で、最後はV-IV-I-Vになる)。これはマイナーのII-V-IでもIV-V-Iになる。

何故IIとIVを置き換えられるのか?。ではキーがCの際のIIm7であるDm7とIVmaj7であるFmaj7の構成音を考えてみよう。

Dm7 - D, F, A, C
Fmaj7 - F, A, C, E

ご覧の通り4つの音のうち3つ、F,A,Cが共通になっている。だからDm7とFmaj7は響きとしてほぼ同じ音になる。だからこそII-V-IでもIV-V-Iでも良いのだ。だからIV-V-IをII-V-Iの応用と考えると、いとしのエリーの中で、幾つも使われているのが判ってくる。だからこの曲でIVmaj7であるGmaj7の部分を全てIIm7であるEm7に置き換えても問題はない。反対にEm7をGmaj7に代えても良い訳だ。

これと似たようなパターンがV7とVIIm7-5である。キーがCならG7とBm7-5に当たる。それぞれの構成音を見てみよう。

G7 - G, B, D, F
Bm7-5 - B, D, F, A

4音中の3音のB,D,Fが共通だ。となるとII-V-IやIV-V-IをII-VII-IやIV-VII-Iにしても良い事になる。

IIm7-VIIm7b5-Imaj7
    Dm7-Bm7b5-Cmaj7

IVmaj7-VIIm7b5-Imaj7
    Fmaj7-Bm7b5-Cmaj7

まぁ無理にここまでする必要は無く、ストレートにII-V-I、IV-V-Iになる事が多いとは思うが・・・。

いずれにせよ、V-Iと言う終結のコード進行は非常に重要なのは判ってくれたと思う。そしてIIやIVはその終結に向かう為のワンクッションになる、そう覚えていると良いだろう。

さて、このV-I、ドミナントコードからトニックコードと言う流れだが(これをドミナントモーションと呼ぶ)、その応用としてセカンダリードミナントコードってのがある。それは、IとVIIを除くダイアトニックコードを仮のIとしちゃって、そのIに対するVであるドミナントコードをセカンダリードミナントコードと呼ぶ。

例えば、よくあるコード進行にこんなのがある。

Cmaj7 - Am7 - Fmaj7 - G7

これは繰り返し演奏されるので循環コードと呼ばれる。最後のG7と最初のCmaj7がV-Iとなり、G7の前のFmaj7はIVだから、ここはIV-V-Iになる事も判る(当然IVはIIにもなるからCmaj7-Am7-Dm7-G7と言う循環コードもある)。

この時、Am7を仮のIとしたらVってのはE7になる。Fmaj7を仮のIとするとVはC7になる。G7を仮のIとするとVはD7だ。これらを全て連結させると、、、

Cmaj7 - E7 - Am7 - C7 - Fmaj7 - D7 - G7

と言ったコード進行になってくる。この時、最後のG7と最初のCmaj7のドミナントモーション。他のE7とAm7、C7とFmaj7、D7とG7、これをそれぞれセカンダリードミナントモーションと言うのだ。

Cmaj7 - Dm7 - Em7 - Dm7

こういうI-II-III-IIと言う単純なコード進行でもドミナントモーション、セカンダリードミナントモーションを加えると、、、

Cmaj7 - A7 - Dm7 - B7 - Em7 - A7 - Dm7 - G7

となり、最後のG7から最初のCmaj7をドミナントモーション。運良くその前のコードがDm7だからここはII-V-Iだ。そしてDm7を仮のIとしたVがA7、Em7を仮のIとしたVがB7となり、ここはセカンダリードミナントモーションになる。

ではもう1度いとしのエリーに見るコード展開をご覧になって欲しい。セカンダリードミナントモーション、ドミナントモーション、完璧に理解出来るであろう。

せっかくなのでキーがマイナーのドミナントモーションのサンプルを見て頂こうか?。オヤジだったら100人が100人知っている曲、若い方はもしかしたらご存じないかもしれないが、山口百恵の「いい日旅立ち」、これがとってもお勉強になるコード進行なのだ。

Aメロ

Am7 E7 A7 Dm7
G7 Cmaj7 Bm7-5 E7

ローマ数字にしてみよう。

Aメロ

Im7 V7 I7 IVm7
bVII7 bIIImaj7 IIm7-5 V7

E7からA7、これがセカンダリー・ドミナントになる。本来このA7はAm7になるが、この曲ではさらに次にDm7があり、A7からDm7への流れもセカンダリードミナントとなるからAm7がA7になるのだ。そして次のG7からCmaj7もセカンダリードミナントだ。そしてII-Vと言うBm7-5〜E7と来て、先頭に戻るので、ここがII-V-Iになるのだ。

ではBメロに行こう。

Bメロ

Dm7 G7 Cmaj7 A7
Dm7 Bm7-5 E7 E7

Bメロ

IVm7 bVII7 bIIImaj7 I7
IVm7 IIm7-5 V7 V7

ちなみにAメロからBメロの繋ぎとしてAメロの7小節目にBm7-5〜E7、8小節目がAm7、そして1小節、ブリッジ部分にA7が鳴り、Bメロ先頭のDm7に行き着く。ここですでにA7 - Dm7とセカンダリードミナントが存在する。G7とCmaj7、次にA7とDm7、これもセカンダリードミナントだ。最後にII-VのBm7-5とE7、そしてまたAメロに戻りAm7が弾かれるので、結果、Bメロ最後もII-V-Iだ。

ついでなので、せっかくテンションノートネタを書いたのだからいとしのエリーと同様、この曲にもちょっとしたテンションノートを加えてみたい。いとしのエリーでもそうだったが、一番テンションノートを入れやすいのは□7コード。次に来るコードがメジャー系だったら13th、マイナー系だったらb13thを入れる、これが基本である。曲によっては9thを加えても良いが、この曲には9th音は合わないので13th系だけのテンションにしている。

Aメロ

Bメロ

「いとしのエリー」はメジャースケールでのII-V-I、そしてこの「いい日旅立ち」はマイナースケールでのII-V-I、両曲ともコード進行の、作曲の教科書的な曲である。

この2つの曲のコード進行はどちらかと言えば定番。アメリカのスタンダード曲にありがちだったりするが、これにあのメロディが加わって、実に日本らしい、情緒溢れる曲として成立しているのだ。

流石、日本を代表するアーチスト、桑田佳祐であり、谷村新司である。

ジャズやフュージョン系の書籍にはII-V-Iのアドリブ展開だけに言及したハウツー本がある。厳密のII-V-Iとなるとメロディの最後に来るコード進行だから、ほんの1、2小節しかない。

でもこのセカンダリードミナントモーションを含めると、上を見て判る通り、全てがV-IやII-V-Iに当たるのが判る。だからこそ、そういう本が存在するのである。つまりII-V-Iを制覇したら、多くのスタンダード曲でアドリブプレイが出来るのだ。

   



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