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リニューアルレッスン |
2007.09.04 |
マイナーペンタトニックスケールを数字で表すと1st、b3rd、4th、5th、b7thの5音で形成されている。下図は皆さん、もうお馴染みのAマイナーペンタトニックスケールの第1ポジションだ。
第1ポジションは非常に弾き易いし、先人達のリック(定番フレーズ)も豊富にあり、学ぶのは簡単だ。その為なのか、どうも第2ポジションがおざなりになってしまっている人が多い。今回はマイナーペンタトニックスケールの第2ポジションの幾つかの音だけを使ってブルースを学んで行こう。 まずはAマイナーペンタトニックスケールの第2ポジションを見て頂こう。
そして今回、主に使用するのは次図。たったこれだけ。
とは言え、これだけしか使わないとしょぼいアドリブになってしまうので、コードによって音をちょっとだけ変化させたい。Aブルースの場合、使われるコードはトニックコードのA7、サブドミナントコードのD7、そしてドミナントコードであるE7を使うのが基本だ。
D7で使う音
E7で使う音 今回は上をご覧の通り、b7thがD7では半音下がり6thに、E7ではb7はそのままに1stを半音下げた7thを使う事になる。では音源を聴いて頂こう。最初の1コーラス目がこれを実践したフレーズだ。全て同じように弾き、A7ではb7th〜1st、D7では6th〜1st、E7でb7th〜7thと弾いている。その部分、譜面を参考に良く聴いて違いをじっくりチェックしよう。
では何故マイナーペンタトニックスケールを崩してまでD7では6thを、E7では7thを弾くのか。これがコードを意識しての演奏なのだ。
Dコードの2弦7フレットのF#音、Eコードの2弦9フレットのAb音、それがそれぞれ(Aをトニックとして)6thであり、7th音なのだ。つまりD7が鳴っている時に6th音を使うことでDコードを意識し、E7が鳴っている時に7th音を使うことでEコードを意識出来るのだ。そして6th音も7th音もメジャー的な音なので、マイナーペンタトニックスケールの中で使うと、より泥臭いサウンドになってくれる。
上の譜面はそれぞれのコードでの上昇フレーズだ。A7時は通常のマイナーペンタトニックスケールで、他の2つのコード時は同様にコードトーンを上手く使う事で、基本は同じフレーズなのにコードにマッチした異なるフレーズになってくれる。 これらを踏まえて使えるフレーズとしたのが上記音源の2コーラス目である。何やら複雑そうだが、基本は上の通りで、時折、b3rdでなく、3rd音を、5th音でなくb5th音を使うとこの程度のフレーズは幾らでも作る事が出来てしまう。 マイナーペンタトニックの幾つかの音を対応するコードトーンに変更する手法は、何もブルースだけでなく、どんな楽曲にも使える。とにかくキーコード以外のコードが何か、そのコードトーンはどんな音か、それを把握する事で、マイナーペンタトニックスケール中心の演奏でもコードに対応した美しい演奏が可能となる。 さて、D7部分、開始30秒のところでちょっとアウトっぽいフレーズがあるが、使用している音は次の図の通り。厳密にはアウト音は1つも存在しない。
6th、1st、b3rd、b5thと短3度毎の上昇下降フレーズ。譜面にすると下。オレは最初の小節の運指をするが、人によっては2小節目の運指の方が楽かもしれない。
また35秒のところで半音が絡んだフレーズがある。使っている音は単純そのもの。勿論、これもアウトフレーズではなく、コードがA7の時に効力を発揮する、理に適ったフレーズだ。
勿論これは1オクターブ下の3弦9フレットから6フレットまでの下降でもOKだし、コードがD7なら2弦10フレットのA音から7フレットのF#音までの下降フレーズもカッチョイイ。 ちなみにE7のところで使う音。これは今まで述べたようにAマイナーペンタトニックスケールに変更を加えたと考えても良いが、実はちゃんとしたスケールとして存在するのだ。それがオルタードスケール。下図は1〜3弦を利用したEオルタードスケールだ。
これをAをトニックにした数字に置き換えるとこうなる。
当然、b2ndやb6h音ってのはA7コードにはマッチしない。A7が鳴っている時にこのスケールを使うと、当然気持ち悪くなる。オルタードスケールと言うのはあくまでもドミナントコードにのみ使用した方が良い(アウトフレーズとして敢えて使っても良いが)。AのブルースのドミナントコードはE7、即ちE7が鳴っている時にEオルタードスケールを使うのが良い。
この手のフレーズは第2ポジションじゃないと弾けない訳ではないが、意外に第2ポジションってのは使い勝手がある。当然第1ポジションと第3ポジションとの繋ぎとしても有効だし、第1ポジションと第3ポジションとを絡めると、ほとんどのフレーズは第2ポジション中心に展開出来てしまう。 但し、下のように第2ポジションだととてつもなく難しいフレーズもあり、そういう時は無理に使わずに他のポジションで同じフレーズをm弾くようにしよう。例えば・・・。1小節目のようなポジションで弾くよりも、2小節目のように第1ポジションに移行した方が断然に弾き易い。
本レッスンで何度も述べていると思うが、雑誌やスコア譜等を参考にフレーズをコピーする時、疑う事が重要。少しでも弾き辛いと感じたら、他のポジション、他の運指を試すべきである。また、自分でフレーズを創造した時でも、他のポジションでも弾いてみて、運指を確認するようにしよう。
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