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リニューアルレッスン |
2007.01.27 |
前話の続き。上級ギタリストになる為のお説教と行こう。 まだ、アドリブは出来ないが、リッチー・ブラックモアのSmoke On The Waterのフレーズを完コピーしている。そういうギタリストはいつも同じフレーズを弾く事になるが、いつの日かきっと「つまらん」と思う筈だ。そういう時、「もうSmoke On The Waterは完璧、卒業だ。次はHighway StarとBurnだな」と考え、Smoke〜を弾く事を止めてしまう。 これが間違いの元。まず1つ言えるのはそういう人の多くはフレーズそのものはなるほどリッチーと同じだ。でも基礎テクニックが未熟で、リッチーの演奏には程遠い。これを気付かずにSmoke〜は弾き飽きたから他の曲を・・・。 今はパソコンの時代、ギター音を録音するのも容易になった。自分の音、フレーズを録音してみると良いだろう。冷静になって聴けば自分の下手さ加減に嫌気を起こすだろう。「Smoke〜が弾けるようになった」、これは「初心者の中では上手かな」って程度のレベル。決して自分を上手いと思ってはならない。上級者が聴けば下手糞以外の何者でもないのだ。そういうのは30秒程度聴けばすぐに判断出来る。 オレは今でも本サイトで公開している音源の多くに納得していない。自分は下手だと思っている。いや、それはちょっとへりくだり過ぎか。ギターを再び弾くようになって4年目?、「最初の頃よりもかなり良くなった、これからはジャズギターをマスターするぞ!」とニンマリする反面、「まだまだ上には上がいる、凄い奴には敵わない」と謙虚な気持ちを決して忘れない。だからこそ日々の研究、練習、切磋琢磨出来る。 皆さんは1音チョーキング。本当に1音上がっているか?。1音に満たなかったり、1音以上弦を引っ張ってしまっていないか?。半音チョーキング、クオーターチョーキング、1音半チョーキング、しっかりと音程が取れているだろうか?、ビブラートは掛けているつもりでも、掛かっていない事だって多いし、スタッカートはちゃんと切れているか、トリル、ハンマリングオン、プリングオフを含めたレガートフレーズを流れの中で流暢に弾けているか?。。 完コピーしたと言うからにはこれらが完璧でないとならない。何もリッチーのニュアンスを完全に真似る事が完コピーではない。リッチーのフレーズを模倣し、ギターの基礎テクニックが完全であって「完コピーした」と過去形で表現出来るのだ。 初心者の多くは完コピーではなく、フレーズを真似ているだけに過ぎないし、前話で書いたように、何故そういうフレーズが弾かれた、考えられたのだろうか?、その解釈がお粗末になっている。これはリッチーの上っ面しか真似が出来ていない事なのだ。 初心者だからまずは上っ面でいいんじゃないの?。そう、確かにその通り。でも思想はそうじゃいけない。Smoke〜の上っ面を弾けたから次はHighwaystar、それは間違いでない。どんどん多くの曲、フレーズをコピーすべきだ。でも常に前に戻り反芻する姿勢を持つ事。そしてギタリストはミュージシャンである。ギターを弾くだけでなく、音楽を創造しなくちゃならない(作曲と言う意味ではない)。だったら初心者であっても理論的な事も学ぶべきではなかろうか?。 少なくとも理論は机上のものだし、クラシックを学ぶ訳じゃない。音大に通う訳でもない。基本の理論程度ならギターが弾けなくても十分に学習が可能だ。それを何故やらないのか?。「ロックに理論なんて必要ないぜ!」とか「理論を追求し過ぎるとそれにがんじがらめになってしまう」なんて言う人がいるが、前者は意味不明だし、後者は単にセンスがないだけのお話。むしろセンスがないのだから理論におんぶに抱っこされちゃった方が正しい。 理論を理解すると先人達のフレーズのあり方、何故定番フレーズと呼ばれるのか、どうしてSmoke On The Waterでリッチーはあのようなギターソロを展開したのだろうか、それを知るようになる。例えば、これを理論と言うのは笑っちゃうが、「フレーズ、メロディの基本はトニックに始まるトニックに終わる(ハ長調ならドで始まりドで終わる)」。そういうメロディは非常に安定感がある。 でもインターネットを徘徊していると、それが出来ていないギタリストが実に多い事が判る。ギターテクニックはオレ以上にあるようなギタリストでも中途半端な妙なフレーズを弾いていたりする人もいる。彼らはトニックの意味を理解していないのではなかろうか?、と疑ってしまうのだ。実はオレも偉そうな事を述べているが、それを考え始めたのはここ1、2年。でも綺麗に弾こうと思えば、自ずとそれが最終回答になる。 さらには「常にフレーズが安定していたら面白みに欠けるのでは?」。メロディとは複数の最小のフレーズ(パーツ)が組み合わさって出来るもので、不安定なフレーズも必要になる。では「トニックで始まらない、終わらない」ようなフレーズはどのような時に活かすか、トニック以外のどの音を使うべきか、それを考えるようになっていく。そうやって常に考える癖を付ければ必ず成果が出るのだ。 まだスケールの概念を判っていないアドリブが出来ない初心者ギタリストなら、しつこくなるが、コピーしたフレーズを本当にしっかりと弾けているのか、ギターの基礎テクニックを疎かにしていないか、先ずはそれを常に考える癖を付けるべき。 初心者もいつしかアドリブでギターソロを弾きたくなるだろう。そうなればスケール、コード、その辺の概念をマスターする事になる。最低限知るべき事項は本レッスンですでに記述済み。それを読むか、理論書やスケール本、コードブック等を買い、ロックを体で感じるだけでなく頭で考えよう。 パープル好きなロックギタリストならマイナーペンタトニックスケール、ナチュラルマイナースケール辺りからアドリブ道に入り込んでいくと思う。最初のうちはペンタの第1ポジションをマスターするだけでも大変かもしれない。 でもペンタの第1ポジションだけでもフレーズに限りはあろうが、Smoke On The Waterをアドリブで弾ける。同じく第2ポジションだけ、第3ポジションだけでも弾けちゃう。前話で足かせを設けて云々と書いた。第1ポジションを弾けるようになったら第1ポジションは使わない、そういう足かせだっていいし、第1と第2を混ぜたポジションで弾くでもいい。 そして全てのポジションを覚えたら、それぞれのポジションを平均的に使う練習をしたり、自分が得意なポジションを探求したりすればいい。あとはギターの基礎テクニックが出来れば、誰でもカッチョイイ、Smoke On The Waterを弾けるのだ。 そう、アドリブが出来れば1000回Smoke〜を弾いても飽きないのである。そして面白い事に、何度も弾いているうちに、ある時「あれっ?、今のフレーズ、凄くカッチョ良くないか?」、と自分でもびっくりするくらいのフレーズが偶然弾かれる事がある。 その時、運良く録音していれば良いが、そうでないと、自分がどう弾いたか、脳みそから記憶を取り出すのだが、それが判らない事が多い。1000回弾いたら1000回目が一番出来が良いなんて事はあり得ない。フロックではあっても自分が凄いソロを展開出来る、これが自信に繋がる。アドリブってのはそういう世界。だからこそ楽しい。そして楽しいから皆さんにも早く、これを味わって欲しいのだ。
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