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リニューアルレッスン
     61話 優しいモード理論 その4

2006.11.29

モード曲なのにモードらしくない曲も存在する。ジェフ・ベックのLed Bootsがそう。この曲はG7とC7の2つのコードで構成されている。もうお判りだろう?。□7はダイアトニックコードには1つしか存在せず、それはミクソリディアンと結合する。よってモード的に演奏するなら、G7ではGミクソリディアン(Cメジャースケール)、C7ではCミクソリディアン(Fメジャースケール)になる。

ところがだ、まずテーマメロディ、Gミクソリディアンと言うよりもGマイナーペンタトニックスケールに3rd音と6thを加えたようなフレーズだし、ギターソロ部分もジェフ・ベックはほぼGマイナーペンタトニックで弾き切っている。

□7コードの3rd音はナチュラルな3rdだ。そしてマイナーペンタトニックスケールの3rd音はフラットしたb3rd音になっているのが、普通に考えれば合わない。ところが、b3rd音はb5th、b7th音と同じブルーノート音なのだ。

これは理論と言うものでなく、あくまでも黒人達の感性から発生したものだが、メジャーコードでもマイナーをイメージするブルーノート音を使っても良いと言う事になっている(□maj7コードでは使わない方が無難だが)。

それが一般的なのはブルースだろう。ブルースはメジャーキーであってもマイナーペンタトニックスケールも使える。ブルースを弾いた事がない読者もいるかもしれないが、例えばAのブルースと言えば、コードはA7、D7、E7の3つが使われる。マイナーコードは1つもない。なのにAメジャーペンタトニックスケールに加えAマイナートニックスケールも使えるのだ。

60年代、ジャズの世界ではモードが流行し、何が何でもモード、そんな風潮があったようだが、21世紀になった今、もっと自由でいいと思う。よって何が何でもきっちりとコードに結合したモードで弾こうと思わない方が良い(勿論練習の意味でモード曲をモードらしく弾くのは当然)。

1つ例を挙げよう。ハービー・ハンコックの代表的なモード曲にCantaloupe Islandがある(ロックアレンジした音源はコチラ)。

この曲はFm7 x 4 - Db7 x 4 - Dm7 x 4 - Fm7 x 4と言う構成だ。□m7はドリアン、□7はミクソリディアンを使う。よって、、、

Fm7部分 - Fドリアン(Ebメジャースケール)
Db7部分 - Dbミクソリディアン(Gbメジャースケール)
Dm7部分 - Dドリアン(Cメジャースケール)

となる。Db7に注目しよう。新50話のマイナーキーのダイアトニックコードの表のbVIm7部分を見て頂こう。括弧してbVI7となっている。Db7をこのbVI7に当てはめてしまおう。

度数 Im7 IIm7-5 bIIImaj7 IVm7 Vm7
(V7)
bVImaj7
(bVI7)
bVII7
F G Ab Bb C Db Eb
コード Fm7 Gm7-5 Abmaj7 Bbm7 Cm7
(G7)
Dbmaj7
(Db7)
Eb7

そうなるとDb7の部分はFナチュラルマイナースケールが使えてしまうのだ。事実、オレはこの曲を弾く時、Dbミクソリディアンを使うよりもFナチュラルマイナースケールを使う事の方が多い。このコードに入る前のコードはFm7で、スケールはFドリアンを利用する。FドリアンとFナチュラルマイナーは6th音がフラットするかナチュラルの6th音かであり、Fm7 - Db7と続く部分で、6th音からb6th音に切り替える、この部分が好きで堪らない。だから敢えて上記の解釈を用いて、Fナチュラルマイナースケールを使用している。

またDm7、時折これの代理コードとしてAbmaj7が使われる(基になるコードのbVImaj7となる)。それぞれの構成音を見てみよう。

Dm7の構成音
 D, F, A, C

Bbmaj7の構成音
 Bb, D, F, A

Fmaj7の構成音
 F, A, C, E

これを利用してBbメジャースケールを使ってしまう。コードはDm7でも全く問題はない。また同じくDm7の代理コードとしてFmaj7がある(基になるコードのbIIImaj7だ)。となるとDm7の部分ではFメジャースケールも使っても差し支えない。

この代理コードに関しては、他にも色々とあり、オレ自身、多くを覚えている訳ではないので、いずれ別の機会にでも詳細について述べようと思う。

リディアンモードの変形としてリディアンフラット7thスケールがある(別名、リディアンドミナントスケール、リディアン7thと言われたり、リディアン7と略す事もある)。これはリディアンモードの第7音を「フラット7th」の通り、半音低くしたスケールだ。キーをCとしたFリディアンと、Fリディアンフラット7thを比較してみよう。

Fリディアン
 F, G, A, B, C, D, E

Fリディアンフラット7th
 F, G, A, B, C, D, Eb

これはミクソリディアンの第4音を半音上げたスケールとも言い換える事が可能だ。

Fミクソリディアン

 F, G, A, Bb, C, D, Eb

このリディアン7は一般に□7コードがサブドミナントになった時に使われるコードで、キーがCであるならF7コードの時に用いられる。しかしサブドミナント云々抜きにこのスケールは□7コードで利用してもさほど問題でなく、また面白味もある。

ギターな日々の351話の2つ目の音源ではジャズブルースでこのリディアン7を用いている。この曲はキーがFのブルースなので、使われているコードはF7、Bb7、C7だが、どのコード時でもFリディアン7で賄っている。ブルースはロックでもジャズでもメジャーペンタトニックスケールやマイナーペンタトニックスケールを中心に弾かれる事が多いが、それを全く無視した音源だ。

このようにモード曲でもモードに執着せずに、コードそのものを分解したり、如何様にも解釈をすれば、使えるスケールも増えてくる。スケールが増えると言う事は使える音が増えるとイコールなので、他人と異なるフレーズを作る事も可能になる。代理コードでのスケールの場合、厳密には1つ2つの音はアウト音になるが、それはそれで味としてジャズ、フュージョンギタリストは当たり前のように使っている事が多い。

   



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