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リニューアルレッスン
     60話 優しいモード理論 その3

2006.11.29

ジャズやフュージョン系のモード曲でモードを使うのは何とか理解した。では、一般的なロックのギターソロ部分でもモードは使えるのではないか?。本サイトはハードロック、ヘヴィメタルなギタリストが多いだろうから、きっとそう感じる読者も多いだろう。

では幾つか例を挙げてみよう。ディープ・パープルのSmoke On The Water。この曲を弾く時、多くはGマイナーペンタトニックスケール、Gナチュラルマイナースケールを使っているだろう。ではこれでモードを弾くと・・・。

まずキーを考える。いわずもがな、Gマイナーである。モードの場合、マイナーキーで考えるよりもメジャーキーで考えた方が判り易いのでキーは平行調であるBbとなり、基になるメジャースケールはBbメジャースケールになる。

度数 I IIm IIIm IV V VIm VIIm-5
Bb C D Eb F G A
コード Bbmaj7 Cm7 Dm7 Ebmaj7 F7 Gm7 Am7-5

Smoke On The Waterのギターソロ部分のコードを見てみよう。Gm, Cm, Fの3つだ(出回っている譜面のほとんどはCmをCと書いているが、これは何故?。ジョン・ロードのオルガンは明らかにCmが鳴っている)。

となるとGm部分はGエオリアン、Cm部分はCドリアン、FではFミクソリディアンとなる。なんだ、モードが使えるではないか!、と思った方、ちょっと違うんだ。GエオリアンもCドリアンもFミクソリディアンも中身はBbメジャースケールって事を忘れちゃいけない。

よってコードが変化しても使われる音はBbメジャースケールの7つの音でしかない。これではモードの意味がない。モードを使っていると表現しても間違いではないが、これはやはりGナチュラルマイナースケールを使っていると表現した方が正しいだろう。

コード進行のあるモード曲、前話で、Blue Wind、You Know What I Mean、You Never Know、Scatterbrainと解説しているが、You Never Knowのところをもう1度読んでみよう。キーをFとした場合、Gm7とC7はダイアトニックコードに含まれるから、コードが変化してもスケールそのものは変化がない。Smoke On The Waterはこれと同じなのだ。

ただYou Never Knowの特筆すべき点はベースがG音が鳴っていてコードがGm7なのにキーがGマイナー(Bbメジャー)でなく、Fであるところ。だからモードらしい表現が出来てしまう。方やSmoke On The Waterは、まんまキーがGマイナー(Bbメジャー)であるからして、モード概念で演奏する意味がないのだ。

そして他のコード進行が存在するジェフ・ベックの曲、コードが変わる度に転調されているだろう?。転調されているからメジャースケールもそれ毎に変わり、イコール、モードも変化していく。これがモードなのだ。コード進行を含むモード曲は曲中で転調してナンボなのだ。

理論ぶると、コード進行のある曲で使われているコードが全てダイアトニックコード上に存在すればそれはモード曲ではない。だからSmoke On The Waterはモード曲ではない。この手の音楽を一般に調性楽曲と言う。調=キー、キーにがんじがらめにされている曲、そう考えれ良く、がんじがらめにされているのだから使うスケールも1つでいいのだ。

ではSmoke On The WaterのGm、C、F。これを無理矢理転調されていると解釈したらどうだろう?。キーがBbのダイアトニックコードのGm、C、Fでなく、、、

GmはキーがFのダイアトニックコード(Gmは2番目なのでGドリアン)
CmはキーがAbのダイアトニックコード(Cmは3番目なのでCフリジアン)
FはキーがBbのダイアトニックコード(Fは5番目なのでFミクソリディアン)

なるほど、こうすると3度の転調があり、モードらしくなる。でも、うーん、相当に無理矢理だ。恐らくこういう解釈をしても良いとは思う。しかし、せっかく調性楽曲として統一性が保たれているのにそれをわざと崩す、それに意味があるのだろうか?。

次にHighway Starを考えてみよう。ギターソロ部分のコードを抽出する。

D7 x 8 - A7 x 8 - Dm x 2 - Gm x 2 - C x 2 - A7 x 2 〜

おやおや、□7コードがD7とA7と2つあるじゃないか!。ダイアトニックコードには□7コードは5番目に1つしかない。となると・・・。そう、これこそ転調なのである。最初のD7部分のキーはG、次のA7でキーがDになると考えて良い。

つまりここをモード流に演奏するのならD7部分はDミクソリディアン(Gメジャースケール)、A7ではAミクソリディアン(Dメジャースケール)を使えば良い。

では最後のA7は?。ここはコード理論を知らないとならない。実はA7の後のDm7、ここで再びDマイナーに転調されるのだ。新50話のマイナーキーのダイアトニックコードの表を見て頂きたい。Vm7とあるところに括弧してV7とある。

さらにその下の文章、「マイナーキーのダイアトニックコードで1つ注意したいのはVm7の部分、ここに敢えてメジャーコードであるV7で代用される事も多い」とある。そう、ここでA7ではDマイナーをキーにした時のドミナントコードであり、本来Am7であるところをあえてA7にしているだけで、転調されている訳じゃない。これはBurnのコードトーン奏法に入る前のD7も同じくGmのドミナントコードとしての働きがあり、転調されているのではない。

またドミナントコードは一般にトニックコードに戻る為のコードであるからして、最初のA7も解釈によって、ここでキーがDマイナーに変わると考えても良いかもしれない。但し、余談だが、この2つのA7、キーがDマイナーだからと言って、この部分でDナチュラルマイナースケールを使うとおかしくなる。

Dナチュラルマイナーの構成音
 D, E, F, G, A, Bb, C

A7の構成音(1st, 3rd, 5th, b7thの順)
 A, Db, E, G

A7の3rd音のDbに対応するにはDナチュラルマイナーのC音を半音上げてやる必要がある。つまりD, E, F, G, A, Bb, C#(Db)と言うスケールを使わなければならない。これはいわゆるDハーモニックマイナースケールであり、Aフリジアンドミアントスケールとも呼ばれる。

フリジアンドミナントスケールは別名ハーモニック・マイナースケール・パーフェクト5thビロー(略してhmp5スケール)とも呼ばれる。これの詳細はいずれまた。

他にもドミナントコード部分ではコンビネーション・オブ・ディミニッシュスケール(略してコンディミや半全ディミとも呼ばれる)や、オルタードドミナントスケールなども使えるが、その辺はいずれまた。

だいぶ脱線してしまった。話をモードに戻そう。もう1曲、ディープ・パープルからBlack Nightを挙げよう。この曲、ギターソロ部分はEのパワーコードが延々と続く。普通ならEマイナーペンタトニックスケールで弾き切るだろう。そこをモードにしてしまう。

Eのパワーコードだし、ベースもひたすらE音をベンベン。だからコードがEなのかEmなのか実は区別が付かない。そこでここをE7としてしまうのだ。ジミヘンコードであるE7(#9)なら尚カッチョイイだろう。

となると□7コード、そうミクソリディアンが使えるのだ。E7がダイアトニックコードの5番目に位置するからEミクソリディアンの正体はAメジャースケールだ。曲そのものが泥臭いので、それがマッチするか否かは演奏者の好み。オレ個人はこれでも間違いではないと思うし、これをEm7と考えて、Eドリアンで弾いたって全く問題はない。むしろEドリアンを使う事で、マイナーな響きの他にメジャーな響きのある6th音が使えるのでフレーズはブルージーになっていく。

このようにワンコード、特にロックの場合、メジャー、マイナーを決定付ける3rd音を排除して、パワーコードがバックで鳴っている事が多いので、そういうのを全て□7コードにしてしまい、ミクソリディアンで弾く、もしくは□m7と仮定しても良く、そうなればドリアンやフリジアンが使える。これも1つの術なのだ。

結論を述べよう。一般的なロックを含むポピュラーソング。これらにモードを使ってギターソロを展開するには、まず楽曲に使われているコードが全てダイアトニックコードに収まっているかを判断しよう。収まっていたら、モード解釈でギターソロを弾く意味がない。

反対に収まっていない、それは曲中で転調されている、つまり1つの曲の中に複数のメジャースケールが存在する、そういう場合はモード解釈で演奏出来、また、ワンコードで進む曲は、コードとモードを結び付ける事は容易だ。

   



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