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リニューアルレッスン
     59話 優しいモード理論 その2

2006.11.29

前話ではモードの概念を説明し、「メジャースケールを利用してメロディを作り、それにダイアトニックコードを当てはめてコードを作り、それに従い、モード名が決定する」なる結論を導いた。

しかし、実際に我々アマチュア、特にロック系のギタリストの多くはオリジナル曲を作る事はなく、既存曲でモードを利用してアドリブする事の方が多いだろう。今回はその辺りを説明して行きたいと思う。

もしコピー譜があるのならそれを利用したい。譜面には必ずキーが書かれている。良い譜面になると「Key In C」と明記されていたりするし、そうでなくても譜面の先頭にはキーを示す調号が存在する(シャープマークとフラットマーク)。旧39話に調号とキーの関係を表にしているのでそれを参考にして頂きたい。

例えばシャープが2つ付いていればそれはDメジャーかBマイナーのいずれかであるが、モードを弾く場合、メジャースケールだけを考えれば良くマイナーキーは無視して良い。よって「シャープが2つならDメジャースケールになる」とだけ認識していれば良い。

インターネットに出回っているフリーの譜面の中には稚拙なものもあり、調号が全く書かれていない、つまりCメジャーかAマイナーのままで各音符にシャープだのフラット記号だの付けているものや、間違った調号を付けているのもあるので、気を付けなくてはならない。同じ曲で複数の譜面を入手する事をお勧めする。

キーが判れば怖いものはもうない。何度も言うがドリアンだとミクソリディアンだと考える必要はなく、そのキーのメジャースケールを弾きさえすればいいからだ。

幾つか例を挙げよう。ジェフ・ベックのFreeway Jam(アルバム「Blow By Blow」収録)。如何にもモードらしい、ほぼワンコードな曲だ。ベースはG音が鳴っているが、キーはGではなくCだ。譜面がない場合、ここで間違いを犯す事もあろう。

そうなるとベース音やギターやキーボードが弾いているコードを参考にキーを導き出すしかない。今回はベース音で解析した。G音が中心だが他にF音が使われている。キーがGであるならばここはF#でなくてはおかしい。即ちコードはGmaj7でなくG7だ。

Gメジャースケールの構成音
 G, A, B, C, D, F#

Gmaj7の構成音
 G, B, D, F#

G7の構成音
 G, B, D, F

ダイアトニックコードの最初のコードは□maj7である。もしベースでF#が鳴っていれば問題なく、コードもGmaj7となり、そのままキーはGになるが、そうでなくFと言うb7thであるからコードはG7になる。この□7なるコードはダイアトニックコードには1つしか存在しない。常に5番目が□7コードなのだから「□7の時はそれの5度下の音がトニック、即ちキー」になる。G7なら5度下の音はCだからキーはC(Cメジャースケール)、D7ならば5度下はGだからGメジャースケール、F7ならば5度下はBbだからBbメジャースケールなど等・・・。

よってこの曲のキーはCとなり、Cメジャースケールでアドリブすればモードを使って演奏している事になるのだった。コードにG7が鳴っているから、Cメジャースケールであっても表現はGミクソリディアンモードとなる。

もう1曲、ジェフ・ベックからBlue Wind(アルバム「Wired」収録)を紹介しよう。これはキーはAである。よってAメジャースケールでアドリブすればいいのだが・・・。

この曲のメイン部分はコード自体は鳴っていないが、ベースラインを解析するとE7 x 8 - A7 x 8 - E7 x 4となり、ワンコード曲でなく、複数のコード(コード進行)が存在する。A7の部分がAmaj7であればいいのだが、実際に原曲にバッキングを付けてみると判るが、明らかにそこはA7なのだ。

Aメジャースケールに対するダイアトニックコードにはA7は含まれていない。だからここは理論的には転調されていると考えるべきだろう。A7がダイアトニックコードに含まれているキー(メジャースケール)はなんだろう?。それはDである。キーがDの時、5番目のコードがA7なのだ(イコールAの5度下がD)。

もう1度書こう。□7なるコードはダイアトニックコードには1つしか存在しない。常に5番目だ。だから理論的に正しくこの曲をモードでカッチリ弾くとするとE7部分はEミクソリディアン(Aメジャースケール)、A7部分はAミクソリディアン(Dメジャースケール)となる。但し、ジェフ・ベック自身はあまりこの辺は意識してなく、Eマイナーペンタに3rd音と6音を加えたようなスケールで弾いていると思われる。

オレがこれを弾く時、(単に面倒と言う理由だけで)A7部分もEミクソリディアンで弾ききってしまうか、ジェフ・ベックと同じようにモードとして弾くよりもマイナーペンタにメジャー音を幾つか加える程度になる。よってあくまでも理論に従うと、またこの曲をバンドで演る際にアレンジとして、しっかりとE7とA7コードを鳴らすならばE7部分とA7を分けて考えるべきだ、と言う事になる。

何故A7を鳴らしたらEミクソリディアンを使ってはならないか?。EミクソリディアンとA7の音構成を考えてみよう。

Eミクソリディアン(=Aメジャースケール)
 E, F#, Ab, A, B, Db, D

A7の構成音(1st, 3rd, 5th, b7thの順)
 A, Db, E, G

A7の構成音のb7thに当たるG、Eミクソリディアンではそれがナチュラルな7thであるAbとなるから、ここでぶつかってしまう。コードはA7なのにAmaj7に含まれるAbを弾くのは理論的にはおかしいだろう?。だからこそAミクソリディアンで弾くべきなのだった。

Aミクソリディアン(=Dメジャースケール)
 A, B, Db, D, E, F#, G

このようにA7の構成音が全て含まれる。

You Know What I Mean(アルバム「Blow By Blow」。これもジェフ・ベックで、さらに難しいモード曲に仕上がっている。大きく分けると4つのコードが使われてて、4度の転調があるのだ。恐らくこの辺の譜面はしっかりと転調の調号は書かれてないのではなかろうか?。

まずイントロやメインメロディ部分。ここはD7(9)とD7(9, 13)中心のコード構成だ。テンションコードだが元はただのD7。ダイアトニックコードで□7コードは1つしかなく、その5度下がキー、よってキーはGとなりGメジャースケールで弾ける。コードがD7だからDミクソリディアンだ。

4分の4拍子から6拍子になる最初のギターソロ、ここはD7ではなくなる。コードらしいコードは鳴っていないのでベースラインで判断するしかなく、G7 x 4 - A7 x 2 - F7なる構成になっているのが判る。

ここまで判れば簡単だろう。G7部分は5度下のCメジャースケールでGミクソリディアン、A7部分も5度下を考えればDメジャースケールでAミクソリディアンになる。F7部分はギターソロらしいギターソロでなく、単に繋ぎのブリッジ部分なのであまり考えなくて良いが、ここも厳密に考えればBbメジャースケールでFミクソリディアンとなる。

後はメイン部分に戻ってDミクソリディアン、2度目のギターソロは最初と同じくG7とA7だから、GミクソリディアンとAミクソリディアンを使えばこの曲もすぐに弾けてしまう。

まとめよう。

D7部分 - Dミクソリディアン(Gメジャースケール)
G7部分 - Gミクソリディアン(Cメジャースケール)
A7部分 - Aミクソリディアン(Dメジャースケール)
F7部分 - Fミクソリディアン(Bbメジャースケール)

このようにこの曲を全てモードの概念を当てはめて演奏すると、4つのスケールを使う事になる。即ち、コードが変わる毎にスケールを変更しないとならない。ロックに親しむと1曲で使うスケールは1つの場合が多いから、モード曲はその辺厄介なのだ。

マイナー系のモードでは何があるだろう。アルバム「There And Back」にYou Never Knowと言う曲がある。これは典型的なドリアンな曲である。AメロはGm7が鳴っている。なるほど、□m7か、ダイアトニックコードはと・・・、おやっ?、ダイアトニックコードの中に□m7と言うコードは複数存在するぞ?。

□m7が2番目に該当するのならドリアン、3番目ならフリジアン、6番目ならエオリアン(ナチュラルマイナー)になるので、どれを使うのか、キーが何になるのか悩むところだ。

ただ、マイナー系のモード(ドリアン、フリジアン、エオリアン)の中で一番多く使われているのがドリアンであり(エオリアンを使う楽曲は調性音楽と変わらないので一般にはモード曲とは言わない)、またジェフ・ベックのフレーズの幾つかの音を取ってみると、ドリアンだと判ってくる。この辺は実際に音を取ってみるしか術はない。

とにかく□m7なるコードがあったら、まずはドリアンを疑え!、って事を覚えておこう。大概は当たる筈だ。外れたらフリジアン、エオリアンと1つ1つテストして行けばいいだけの話だ。余程の速弾きでない限り、テーマメロディを幾つかピックアップすればおおよそ見当が付く。

もう1つ、運の良い事にこの曲はBメロ(サビ)ではC7が使われている。Gm7とC7の関係は1度4度の関係であり、□m7の他にこの「□音」の4度上の□7コードが曲の中に存在していたら、ほぼ100%、□m7はドリアンであり、□7はミクソリディアンとなる。そして□m7から1度分下がキーとなる。これは是非とも覚えておこう。

この曲にはコードが2つ、Gm7とC7があり、Gm7からC7を見ると4度上、だからGm7はGドリアンでありドリアンは2番目、だからキーはFになる。Fから見るとC7は5度上なのでCミクソリディアンだ。勿論Fメジャースケール=Gドリアン=Cミクソリディアンだ。

だからこの曲ではGm7とC7と2つのコードが存在するが、どちらもFメジャースケールで弾けてしまう。2つ以上のコードがあってもどちらもキーに対するダイアトニックコード上にそれが存在していたら、スケールは1つ、キーに対するメジャースケールだけでいい。

ジェフ・ベックの曲でコード(コード進行)が判り辛いのが、「Blow By Blow」に収録されているScatterbrainだろう。譜面が存在すれば楽だが、You Know What I Meanと同じく、調号にいい加減な譜面、特にインターネットで入手出来るフリーの譜面はその手がきっと多いだろう。

この曲に関してはちょっと曖昧。恐らくコード進行はBbm7 x 2 - B7 x 2 - D7 x 2 - E7 x 2 - Gmaj7 x 2で、最後にダブルチョーキングで4つの音を出している2小節ブリッジ部分が付く。ジェフ・ベックのギターソロを聴いていると、最初のBbm7ではBbマイナーペンタトニックスケールを使っているようでモード的な部分は全くない。他のコード部はフレーズを耳コピーして何とも言えないが、どうもコードトーンに沿ったようなフレーズなんじゃなかろうか?。

今回はモードの勉強なので、どのコードでもモードで弾く事を考えよう。まずBbm7。試してみたところ、ドリアン、フリジアン、エオリアンの3つのマイナー系モード、何でも合ってしまう。ところがその部分のテーマメロディを聴くと、明らかに4拍目付近でBbとB音が鳴っている。BbからするとBは半音上。これはフリジアンの特徴的な音であるから、このBbm7はBbフリジアンとなろう。キーはG、Gメジャースケールだ。

3つの7thコード、B7、D7、E7はそのままBミクソリディアン(キーはE、Eメジャースケール)、Dミクソリディアン(キーはG、Gメジャースケール)、Eミクソリディアン(Aメジャースケール)だろう。

問題は最後のGmaj7。単純に考えるとそのままダイアトニックコードの最初の音、キーもGで、Gイオニアン(Gメジャースケール)となりそうな気もするが、やはりテーマのフレーズを聴く限り、これはダイアトニックコードの4番目の□maj7ではないかと思うのだ。となるとGリディアンとなり、キーはD、Dメジャースケールだ。

このように□m7や□maj7コードはダイアトニックコードの中に複数存在するので、後は原曲のテーマメロディやギターソロ部分を聴きながら、どの音が使われているかを判断し、それをメジャースケールに当てはめていくしか術はない。申し訳ない言い方になるが、このネタを熱心に読んでいるような初心者ギタリストなら譜面を持ち合わせていなかったり、耳コピー出来る耳を持っていないと、この手の曲でアドリブするのは100%無理だろう。

Scatterbrainは相当に難儀な曲だと思う。速いテンポで2小節毎にコードが変わるし(=2小節毎にスケールが変化する)、それ以前に変拍子な上にテーマフレーズが複雑怪奇だ。ここで偉そうな事を述べているオレもモノにするには時間が掛かると言う理由だけで、テーマメロディすら練習した事がない。

仮に皆さんが譜面を持っていて、この曲をいわゆる完コピーしたとしよう。それは凄い事だ。この曲を完コピー出来たら、ギターの腕前はかなりのもの、大いに自慢して良い。しかし、ではギターソロ部分をアドリブで弾いてみろ、とリクエストがあったら果たして弾けるであろうか?。

モード、コードトーン、スケール、この辺の理論を知らないギタリストは弾けない、マイナーペンタスケールやナチュラルマイナースケール一発では絶対にクリア出来ない曲なのだ。本レッスンで常に述べている、また強調したい部分はココ。やはり自分のフレーズを弾く事、その為のレッスンであり、理論を学べとしつこく書いているのだ。そうすればさらにギタリストとして飛躍出来るだろう。

では当時、ジェフ・ベックはこの辺の理論に熟知していたか?、実はインタビューで知る限りでは、彼は詳しくは知らなかったようだ。でもこの曲を弾ける、うん、ジェフ・ベックはきっと天才なのだ。また相当に耳が良いのだ。もしくは・・・、この頃、キーボーダーのマックス・ミドルトンがほとんど作曲を手伝っているので、この人のレクチャーがあったのかもしれない。

   



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