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リニューアルレッスン |
2006.3.20 |
いきなりフレーズを作れと言われても・・・。きっとそういう読者もいるだろう。そこで今回は今までを踏まえ、精神論を語って行きたい。便宜上、Aマイナーペンタトニックスケールで説明を行うが、当然、他のキーでも同じ練習をする事。 まずAマイナーペンタトニックの基本ポジションを再度理解しよう。
さぁ、初心に返ろう。前話のカラオケ音源を鳴らし、上だけを使って、トライアングルフレーズ、ボックスフレーズ、スケール練習のような上昇、下降フレーズ、チョーキングフレーズ、これらを飽きるまで弾こう。そして全てを録音しよう。 何故録音するのか?。特に初心者の場合、指板の音の位置、各種基本ギターテクニックに脳味噌の大部分が忙しいので、本当に正しく弾いている否かを演奏中に判断するのは難しい。カッコイイフレーズを弾いたつもりで、録音した音源を聴いて唖然とする、こういう事は上級者でもあり得るのだ。 複雑なフレーズ、長いフレーズは考えなくて良い。フレーズはパーツ、2〜4小節程度のフレーズ作りを心掛ける事。ラン奏法をするのなら1〜2拍程度のフレーズを考えれば十分だ。1つの長いフレーズを作るよりも短いパーツを複数繋げたフレーズの方が全体的には必ず良い結果が生まれる。 また無理に速弾きする必要はない。速弾きの練習は2話、3話でやっていればいい。だからここではバックのカラオケに音が外れていないか、リズムはきっちり合っているか、そういう確認をしながら、弾いては録音して再生の繰り返し。音が外れていたら記憶しているスケールの位置を間違っている証拠だし、リズムが合っていない時は(特に遅れている場合)記憶していても指が追いついていない場合。 いずれにせよ、そういう人は基本ポジションすらまだ完全に慣れていないので、その先(音を複数加える)に進んでも仕方が無い。人間しちゃならないのは「判った振り」、「出来た振り」である。そんな振りをして、おざなりにしてしまったら元も子もない。 オーディオ再生ソフトにmidi音源のキーを変更出来る機能があれば、それで他のキーでテストする事も必要。そういう機能がない場合は、仕方が無い、カラオケ音源無しで、Aマイナーペンタトニックスケール用に作ったフレーズを他のキーに当てはめて練習しよう。 Aマイナーペンタトニックスケールの基本ポジションを理解した=マイナーペンタトニックスケールの基本ポジションを理解した事にはならない。EmだろうがBmだろうがF#mだろうが、どんなキーでも同じ事が出来て初めてマイナーペンタトニックスケールの基本ポジションを理解したと言えるのだ。 こういうのは焦っても仕方が無い。急がば回れ、嗚呼、なんて的を射た言葉だろう、楽器は地道に反復練習するのが一番賢く、それが結果、早道に繋がっていく。しつこいようだが「判った振り」、「出来た振り」をしても自分の為には決してならない。 慣れてきたら、自分が作ったフレーズにどんな音が使われているか、ある程度把握、吟味しよう。何気なく弾いたフレーズが良かった、そんな場合、何故良かったか、どの音を使ったから良かったのか、そういうを判断するのだ。 反対に、せっかく作ったフレーズで、間違いなくスケールを外した音を使っていないのに、なんか微妙な違和感を持つ、そんな時も、その感覚を伴った音が何なのかを知るのは大事。何故こんな事をするのか、理解出来ない方もいらっしゃるだろうが、これをやる、やらないでは雲泥の差。1年後にきっとその回答が見える筈。いや、数ヵ月後にお送りする予定のコード理論を学んだ途端に見えてくるかな・・・。 とにかく自分が何の音を弾いているのか、それくらい理解するのが楽器弾きでしょう!。それがドだのファだの、そう理解せよと言っているのでないし、演奏中、速弾きフレーズを全て瞬時に判断せよとも言っている訳じゃない(そんなものオレだって無理)。とにかく相対的な数字で考えるのだから、さほど難しくはないと思う。 これが出来て初めて次に進もう。
これは低音側に1音、高音側に1音加えた基本ポジションの拡張スケール。また6弦8フレットのb3rdと同じ音を出す5弦3フレット、そして1弦5フレットと同じ音を出す2弦10フレットも加えている。 たったこれだけで今まで考えつかなかったフレーズを作る事が出来ると思う。せっかくなので5、6弦の3フレット近辺を、1、2弦の10フレットを中心としたフレーズ作りに励んでみよう。そして6弦8フレットのb3rdと同じ5弦3フレット、1弦5フレットと同じ2弦10フレット、フレーズによってどちらを使った方が自分にマッチしているか、確認しながら作業しよう。 さて、ここでチョーキングフレーズを色々と考えてみるのが良い。間抜けなギター教本を手にしてしまうとチョーキングは1、2、3弦でしか行わないギタリストになってしまう。そこで、、、
1、6弦3フレットのb7th音から1音チョーキングし、1st音を出す(人差し指) この辺を意識し、このチョーキングに前後するフレーズを考えよう。4などはフレーズによってチョーキングする指に変化が出てくるので、どの指でも出来るように練習しよう。また5、6は指の力が強い人は人差し指でも出来る筈で、このポジションだと人差し指の方がフレーズを作りやすい。 音をもっと増やしてみよう。
3弦9フレットの5th音、4弦10フレットのb3rd音を加えたのが上。それぞれ2弦5フレットと3弦5フレットと同じ音である。この2音は先ほど拡張した、1弦10フレットの4th音と2弦10フレットの1st音を利用する際に便利だからだ。この加えた音を使えば、わざわざ5フレットまで指をずらす必要がないのだ。 勿論フレーズによっては2弦5フレットと3弦5フレットを使った方が遥かに楽な事も多いのを忘れずに。そこに音があるからと言って無理に使う必要はない。 ここで注目して頂きたい部分がある。5弦の3、5、7フレットのb3rd,4th,5th、そして3弦の5、7、9フレットの同じくb3rd,4th,5th音。この2つはオクターブ上下の関係にある。そして1音飛びであるから、普通の手のサイズであれば、このスケール上で唯一1本の弦で3つの音を出せる部分なのだ。 下譜面を見て欲しい。
このようにディープ・パープルのHighway Starの最後の1本の弦を使った速弾きフレーズのようなニュアンスで使えるのだった。 最後ももう2音加えよう。
この1弦3フレットのb7th音と2弦3フレットの4th音は特に重要な音ではないが、これを加える事で、1、2弦だけで、3フレットから10フレットまでと、幅広い音域を持った速弾きが可能になる。それもトライアングルフレーズ、ボックスフレーズで作れ、それを平行移動するだけなのだから、初心者でも比較的弾きやすい指使いになってくれる。 さぁ皆さん、後はとにかく考えて、弾いて、再考し・・・。これを繰り返し、良いフレーズを作って頂きたい。
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