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リニューアルレッスン |
2006.3.20 |
ラン奏法(奏法とあるが、厳密にはテクニックではない)。これは1拍、2拍程度の小規模なフレーズを繰り返し演奏する、もしくは類似する音使いをする小規模なフレーズを複数組み合わせて続けて弾く事を言う。 前話でアドリブフレーズの半数は1音1音上昇し、下降するフレーズだと書いた。これにラン奏法を加えると一般的なアドリブフレーズの70%は物にしたと言っていいくらい重要な奏法だ。 これはGマイナーペンタトニックスケールの基本ポジションである。
一番最小のフレーズ、それは2音からなるフレーズだが、これだとラン奏法には流石に乏し過ぎる。よってラン奏法に適している最小のフレーズは3〜4音構成であると断言したい。下図を見て頂きたい。
少し見づらいと思うが、点線の三角形が5つある。この三角形の3つの頂点の位置にある3つの音を使ったフレーズ、これがラン奏法に適した最小限のフレーズになってくれる。これをオレ独自は「トライアングルフレーズ」と呼んでいる。下図は三角形を逆したパターンだ。
これらの3つの音を使ってこんなフレーズを作る事が出来る。
上のmidi 1小節目は1st,b3rd,4の3つのトライアングル音を使ったフレーズ、3小節目は1st,b3rd,b7thを使ったフレーズだ。逆三角形ではこのようなフレーズが考えられる。
上のmidi
上のmidi 上の譜面は面白い。1小節目は3音のフレーズを16分音符で合計4回弾いている。譜面上は4分の4拍子だが、感覚的には8分の12拍子。そして3小節目からは今度は4分の4拍子のところを3拍で1つのフレーズを作っている。リズムは4分の4、ギターソロは4分の3感覚。 両者ともポリリズム曲(複数のリズムが存在する曲)を十分に感じるフレーズになっていて、基本のリズムを意図的に崩しながら弾いていく、これこそ実はラン奏法の最大の魅力なのだった。 指使いが難しくなるフレーズも含めれば、このGマイナーペンタトニックスケールの基本ポジションだけでもトライアングル音を利用した10以上のフレーズを作れ、それを1小節以上で続ける事でラン奏法が完成する。何小節続けるか。これにはルールは無い。別に延々と10小節、20小節と同じフレーズを弾き倒しても良いのだ。 ただ、あまり多用し過ぎるとソロアプローチの引出しがないと思われてしまうのでご注意あれ。個人的な感想ではトミー・ボーリン在籍時のディープ・パープルのライヴアルバムである「Live In California」。粗悪アルバムと呼ばれた「Last Concert In Japan」よりはましだが、ラン奏法の多用で、ボキャブラリーの足りないギターソロに聴こえてしまう。まぁフレーズにもよるが、ギターソロの総小節数に対してラン奏法は3割以内に納めるのが適当ではなかろうか。 さて、上記フレーズ、キーがGmのGマイナーペンタトニックスケールを例にしたが、それをキーをDmとしたDマイナーペンタトニックスケールで弾いて、前話のカラオケ音源をバックに合わせて弾いてみよう。
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