(CNN) オバマ米大統領が17日、チェコ、ポーランドで進めていたミサイル防衛(MD)システム構築の見直しを正式発表したことに関連し、北大西洋条約機構(NATO)のラスムセン事務総長は18日、相互利益を促進させるため米国、ロシアとNATOはそれぞれのミサイル防衛システムを適切な時期に統合させるべきだとの見解を示した。
ブリュッセルで行った、ロシアとの関係改善を強調する演説で述べた。今年8月に事務総長に就任したラスムセン氏による初の包括演説となっている。
事務総長はこの中で、NATOとロシアは弾道ミサイル技術拡散を防ぐ上で共通の利益を持っていると指摘。イラン、北朝鮮の核開発が進めば、隣国も同様の道を歩みかねず、緊張要因になると述べた。ロシアはMD計画に対し、自国の戦略ミサイル網の無力化が狙いと疑い、反発していた。米国は、MDはイランの弾道ミサイルの脅威阻止が目的と主張していた。
事務総長はまた、ミサイル防衛システムの連結は東西関係の新たな始まりにもなるとも強調した。
その上でロシアに対し、イランの核開発問題で同国への圧力を最大限にし、治安が悪化するアフガニスタン情勢の改善でも一層の貢献を求めた。