小沢鋭仁環境相は19日夜のNHK番組で、民主党が衆院選のマニフェストで掲げた高速道路無料化を実施した場合の二酸化炭素(CO2)排出量に関する調査を始めたことを明らかにした。
小沢環境相は「国土交通省は無料化によってCO2排出量は減るとし、NGO(非政府組織)は増えるとしている。環境省としてできるだけ公平公正に(データを)持っておきたい」と話した。18日に同省に調査を命じたという。
高速道路無料化をめぐっては、シンクタンク「環境自治体会議環境政策研究所」(東京)が、自動車の利用が増える一方、鉄道や航空機の利用が減少し、CO2排出量は年835万トン増加すると試算。国土交通省も実施前の33%にあたる年364万トン増えると推計した。いずれも、長距離での移動を対象とし、短距離は考慮していない。
一方、同省と国土技術政策総合研究所の別の試算では、高速への移行で一般道の渋滞が解消し、CO2排出量は年310万トン減るとしている。鉄道など他の交通機関からの振り替えは加味していない。【大場あい、足立旬子】
毎日新聞 2009年9月19日 21時38分(最終更新 9月19日 23時56分)