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障害者自立支援法廃止へ 長妻厚労相、新制度の設計着手 母子加算早期復活は難航

2009.9.19 20:27
このニュースのトピックス鳩山内閣
記者の質問に答える長妻厚労相=19日夕、厚労省記者の質問に答える長妻厚労相=19日夕、厚労省

 長妻昭厚生労働相は19日、障害者のサービス利用に原則1割の自己負担を課す障害者自立支援法の廃止を表明、新制度の設計に着手する考えを示した。一方、民主党が衆院選マニフェスト(政権公約)で「復活」を掲げる生活保護の母子加算は、自治体の準備態勢などの課題をクリアできず、結論を連休明けに持ち越した。

 長妻氏は19日午後、細川律夫副大臣ら政治任用の厚労省幹部と今後の対応を協議。その後、記者団の質問に答えた。

 長妻氏は、障害者自立支援法廃止について「連立与党の中で詳細な合意をしてもらう。その前に(省内で)どういう制度にするかを詰める」と述べ、新制度の設計に関し、早急に論点整理を行う考えを示した。

 障害者自立支援法では、利用料の原則1割負担が盛り込まれたため、収入の少ない障害者が施設利用を控えざるを得なくなるなど問題点が指摘されてきた。

 民主党はマニフェストで同法を廃止し、利用料を所得に応じた負担方法に変える「障がい者総合福祉法(仮称)」を制定することを明記。新制度導入に伴う必要額は400億円を見込んでいる。

 一方、一人親世帯の生活保護に月額2万円程度を上乗せする生活保護の母子加算の早期復活は微妙な情勢だ。今年度内に必要となる75〜90億円の財源は21年度予算の予備費を充当する方針で調整が進んでいるが、自治体に新たな支給システムの整備が必要となるため、事務方が「一定の時間がかかる」と慎重姿勢を崩していないからだ。

 長妻氏は19日、記者団に「『何月に復活した場合にはこうなる』と複数案を提示して検討している。最終的には(財務相や総務相ら)閣僚で話を決める」と述べ、連休明けに再協議する考えを示した。

 だが、母子加算の復活は、鳩山由紀夫首相が衆院選でも街頭演説で復活を訴えてきた重点公約の一つ。法改正は必要なく大臣告示で見直すことができるため、長妻氏も就任会見で「年内といわず、10、11月に復活するため、ハードルをクリアする方法を早急に検討する」と述べていた、

 ■障害者自立支援法 平成18年施行され、身体、知的、精神の障害別に分かれていた旧来の福祉サービスを一体化し、障害の程度を6段階に分けサービスを提供する仕組みに変更した。「応益負担」の考え方を導入し、障害者の生活に不可欠な介助や介護などのサービス費用に原則1割の自己負担を課した。

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記者の質問に答える長妻厚労相=19日夕、厚労省
記者の質問に答える長妻厚労相=19日夕、厚労省

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