『ピューと吹く!ジャガー ~いま、吹きにゆきます~』伊武雅刀 インタビュー
Flashアニメ界のトップランナーFROGMANが、「週刊少年ジャンプ」で連載中の大人気ギャグマンガ、うすた京介の「ピューと吹く!ジャガー」を手がけた!伝説の笛を求めてパラレルワールドに迷い込む、ふえ科のメンバー。“友情”“勇気”をテーマにしたジャンプらしい王道ストーリーにも関わらず、FROGMANの手にかかり抱腹絶倒の壮大なオリジナル・ギャグストーリーに仕上がっている。
今回は本作の主要キャラクター:ステンベルゲンの声を担当された伊武雅刀さんにお話を伺った。
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声優と参加された経緯をお聞かせ下さい
■伊武雅刀(以下、伊武):「簡単に言うとFROGMANさんから出演依頼があったので、「はい」とお返事したまでですね(笑)。彼の作品は以前から知っていて、彼も僕のことを『スネークマンショー』で知っていてくれて、そんな二人が出会ったのがきっかけといいますか(笑)」
FROGMAN作品との出会いは?
■伊武:「最初は『秘密結社 鷹の爪』です。ちょっと変わっていて、不思議で面白い作品ですよね。色合いとかも独特で、今まで出会ったことの無い匂いがしました」
FLASHアニメーションの魅力はどこにあると思われますか?
■伊武:「通常のアニメーションと違って、自分の世界を手軽に作れることじゃないですかね。それはすごい事だと思います。今までのアニメーションだと、製作会社あって、そこに監督とアニメーターがいて作っていましたが、FLASHでは1~2人で作れちゃうんだもん。
今ではパソコンもあれば、携帯電話で映像も観れる面白い時代になりましたよね。でも僕等の若い頃はテレビも無い様な時代だったから、そこまでは時代の速さに追いついて行けないんだよね。それに新しいものが苦手で、携帯電話の使い方もそんなに分からないし。今でもビデオで録画するのがやっとですよ(笑)」
真木よう子さんとの共演についてお聞かせ下さい
■伊武:「実は真木さん演じる王女の従者役なんですが、一緒にアフレコ収録してないんですよ。バラバラに収録して先に収録した人のセリフを聞きながらオンリー撮りしたので。
『宇宙戦艦ヤマト』のときもそうだけど、今までは声優の皆さんが集まって収録していましたし。今回みたいにオンリー撮りだと自分の好き勝手なペースで出来るので、楽ではありました。
最近そういう収録が主流なのかな? そういえば『シュレック』『ストリングス ~愛と絆の旅路~』でもそうでしたね(笑)。昔のドラマ系の役者さんだと、ちゃんと相手役がその場にいないとやり難いってのがあるんですよ。ああ来たら、こう返すとか、人ありきな部分も大きいので。そう思えば、ここ最近は孤独な仕事でした(笑)」
今回久々の声優のお仕事ということで
■伊武:「そうだね。単純に疲れた(笑)。やっぱり声だけって大変なんですよ。お芝居でしたら全身を使って表現出来ますから。
例えばやられるシーンだったら、「う゛っ!」と声を発しなくても、表情だけでも伝わりますが、どうしても声だけだと「う゛ぁぁぁっ!!」と大げさに言わないといけないからね(笑)。
だから普通に演じるより声だけだと疲れるよ。久しぶりに声がガラガラになったもん。一年分の声を酷使した雄叫びはぜひ聴いて下さい(笑)」
今後も声優のお仕事のオファーがあれば受けますか?
■伊武:「来たらやりますよ。でもギャラが高いと思われているから(笑)。こないんじゃない?」
伊武さんのご自身の中で、声優という仕事はどのような位置づけですか?
■伊武:「色んな仕事の中の1つだと考えています。ただ、先ほども言ったように技術がいる仕事ですよね。顔が出ない分、要求される事も多いので。だって絵には動きがあるのに、声優はただ立ってアフレコしていますから。そこは想像力で声を作るしかない、声優の勝負所ですよね。声優という仕事は突き詰めれば突き詰めるほど、高度な技術が必要になっていくと思います。
“アニメ声優は可愛い声じゃなきゃ”みたいな風潮があるけど、本当はそうじゃないと僕は思うけど」
ジャンルは問わず、今後も新しい挑戦を続けて行かれそうですよね
■伊武:「これをやりたい!ってのは特にないですね。でも、FLASHアニメでもそうですが、色んな方たちが色んな事をしているから、何かジョイントして面白い事が出来ればなと常々思ってはいます。実は今でも「M-1」とかみることがあるんだけど、僕が求めている笑いと、今の笑いは違うんですよね。そのときは面白いですけど、それではないんですよ。何かを伝える手段として“笑い”はすごくいいと思うんですよ。政治の話だって、真正面から行くと拒否される方が多いからね」
『スネークマンショー 楽しいテレビ』(2009/2/25発売予定)がリリースされますが、その経緯をお聞かせ下さい
■伊武:「これは埋もらせるには惜しい作品だからです(笑)。25年も前にこんな事をしていた奴等がいたのか!と知ってもらいたいですね。しかも出演者は今では業界の一線をキープしている方々ですからね。ある意味デビュー前の映像みたいなもんですよ。みんな役者業だけでは食えなかった時期ですから。原点ですね。
ただ、僕は発売されるのがちょっと恥かしいですけどね(笑)。ああ言う笑いは今あまり無いですから、是非皆さんに観ていただきたいです」
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『ピューと吹く!ジャガー ~いま、吹きにゆきます~』
配給:DLE
公開:2009年1月10日
劇場:TOHOシネマズ六本木ほか全国TOHO系にて公開
公式HP:http://www.pyu-to.com/
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