大阪市は16日、大阪港の防波堤など港湾施設内の一部区域について、立ち入り禁止とせず、釣りを容認することを事実上決めた。07年に釣り人の転落死亡事故があり、市は安全面から全面立ち入り禁止を検討していたが、釣りファンの反発を受けたため、釣り団体や弁護士らでつくる検討会で議論を重ね、方針転換した。年内にも立ち入り禁止区域を確定し、告示する。
検討会は、防波堤などへの立ち入りを「釣り人」に限定した。転落防止柵を設置しなくても、施設管理者の市が救命浮き輪や縄ばしご、看板の設置をすることなどで安全対策が可能と判断した。
一方、渡船業者や釣り人に対しても、ライフジャケットの着用や単独での釣りはやめるなどのマナー徹底を求め、事実上の許可条件とする。
釣りを容認するのは延べ約30キロの防波堤などのうち、約8キロ。大阪市のホームページに掲載されている「港湾施設の立入禁止区域の指定に係る検討会」の議事概要で、区域の原案が確認できる。【石川隆宣】
毎日新聞 2009年9月17日 地方版