変な話ですが、筆者を「ワクチン売り」と勘違いしている方がみえます。ワクチンで儲けるというのは実は大変です。自分だったらやりませんね・・・こんな商売。
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ワクチン返品 未使用量、過去最多か
今冬のインフルエンザワクチンの返品量が、過去最多となる見通しが強まっている。
国内に4社あるワクチンメーカーは今冬、昨冬より約30%多い過去最多の約2000万本(大人4000万人分)のワクチンを準備した。だが、厚生労働省 の最新の推計(4日現在)では、例年より1、2週間早く返品が始まり、メーカーの在庫品と合わせて未使用分は約313万本。すべて返品されれば、30億円 程度の損失と推定される。
(2005年2月16日 読売新聞)
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作りすぎると、返品で損するんですから・・・。必要十分なだけ作っておいて、翌年は株が変化していて使えないので、作りすぎないのが営利企業としては正しい姿です。
また、開業医や病院が儲けられる?と言われますが、逆に沖縄の県立病院は「通常の診療機能が低下し、収入減が想定される」状態で、決してインフルエンザのおかげで儲かる状況でもないですし、「急患」と言われて殺到されると本当に助けなければならない患者さんの処置や入院させることができなくなったり、重症個室や呼吸器などの取り合い、医療従事者の過労による発病となり、現場はとても困るのです。
ベッドに余裕がありそうだから「暇」に見えたり、「医療崩壊」していないというのも偏見で、急性期病院に十分な人手(医師や看護師)が集まらないため「病棟閉鎖」した病院も相次いでいます。病院で働いていない人にはわからないかもしれませんが、余裕が一瞬あっても次の瞬間、急患さんが殺到すれば修羅場になります。
一般の方からすると、「その時点」だけで判断するのは仕方ないのでしょうが、重症患者さんでいつもICUが満員になってしまう冬場を知らないから仕方ないですね。
万が一のことを考えるのが専門家であって、その時点で「対応」が全く変わります。おそらく、ワクチン接種が不十分で健康な方の熱発はこのままだと夜間の救急センターでは受診をお断りするか、開業医に受診してもらって、紹介状の義務付けも考えなければならないと思っています。
そうでないと、「本物の死にそう」な方が助からないからです。
今回の夏場のインフルエンザのブームについて、「この道」の専門家としてメディアでよくコメントしている医師でさえ、予想がつかなかったようです。
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(http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/infection/1243547065/201-300)
5/7 「現在の新型インフルエンザA(H1N1)は、冬に出てくるインフルエンザよりも病原性は低いし、さらに夏場に向かうこれからの季節には流行はしない」
5/10 「これから夏場に入る北半球では発生数は減少してゆく(流行は終息)と推定される」
5/13 「今後夏場に入ってゆくから、このこのA(H1N1)は例え国内で流行してもすぐ消える。入院する程の重症者は極めてすくないだろう」
5/14 「僕は日本の場合、せいぜい今月いっぱいと考えている」
5/15 「このまま放置しておいても夏場には姿が見えなくなる(北半球でのことである)」
5/17 「でも夏だ。SARSと同じように消えてゆくはずだ」
5/25 「インフルエンザA(H1N1)は夏に入り、北半球では終息に向かう可能性」
5/29 「米国CDCは夏にも流行は続くかもしれないような発言もしている」
5/31 「CDCへのインフルエンザ検査結果の報告データであるが、…夏場に向かって…A(H1N1)インフルエンザ発病者数に変化はないことを示している」
6/6 「このA(H1N19ウイルスは夏場でも感染を広げる可能性がある」
6/28 「このインフルエンザウイルスが真夏でも感染性を失わない可能性が高くなったと思う」
新型インフル、重症化に備え「学校感染」注視
読売新聞 2009/08/22
「先週からの患者数の伸びは緩やかで、まだまだ流行はこれから。南半球での大流行を考えれば、これから例年(1000万人程度)の4~6倍の患者が出る恐れもある」。インフルエンザに詳しい外岡立人元小樽市保健所長は、現在の流行状況について、そう警告する。
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仕方ありません。専門家といえど、神様とは異なるし、ワクチンがなくて南半球のオーストラリアが感染がおさまったのに、寒くもない沖縄で感染の広がりが報告されるなんて・・・誰が予想したのでしょうか?。
僕は、「ワクチン万能」を唱えたりはしません(やらないで戦うのは一般人で構いませんが、医療従事者は非常には地雷原のようなところで働くので医療従事者は必須だと思います)。
予防出来る範囲でワクチン接種を行い、さらに病弱な高齢者や若年者の健康を守るため行政サイドがの輸入に向け努力しているのは、万が一、パニックとなってワクチンが不足すれば、「ワクチンがないのは何故だ!」やはり困るからです、ワクチン接種の義務付けや公費による助成も・・・今のところはありそうもないです。
医師専門のサイトである、MedicalTribuneの電子版MTproの記事にはきちんと学会からの接種すべき患者さんについて見解が発表されています。
残念ながら「一般人」の方はこれを御覧になれないので、一部を抜粋しておきます。しかし、「健常人」についてワクチン接種・・・という記載はありません。
各学会がワクチン利権まみれとは思えませんが、これらを足していくと「ワクチン」の必要数が1700万人分以上になります。(1700万人分では幼児~高校生まででほとんど使われてしまいます)では足りないのは当然です。
まぁ、中高生や高校生にはワクチンなしで・・・となると集団感染をおこし、学級閉鎖しても活動して感染を広げるため社会人の感染が増えて、経済活動の停滞したり、通院中の患者さんが発病して重症者への診療が集中し、他の医療サービスなどに穴があく可能性を恐れています。
こういうのって「変」でしょうかね?僕は、高齢者とかが病気になってしまうとすごく医療費がかさむので、ワクチンを打つのが当たり前だと思ったのですけどね・・・。
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MTpro 2009年8月31日掲載
大流行に向けて早期の準備が期待される新型インフルエンザ(A/H1N1)ワクチンだが,国内生産分は思うようなウイルス増殖が得られず,政府は当初予 定していた5,300万〜5,400万人分から1,300万〜1,700万人分へと年内生産量を大幅に下方修正した。不足分を輸入に頼るか否かとともに, 数少ないワクチンをどの人々へ接種するのか,その優先順位が議論の焦点となっている。厚生労働省は8月27日,専門家や医学関連学会代表者らを集めて「新 型インフルエンザワクチンに関する意見交換会」を開催(関連記事1)。そのなかで,基礎疾患を持つ人や妊婦,小児,高齢者などの接種優先順位について,関連各学会が見解を発表した。
↓厚生労働省のワクチンの優先接種対象者
・妊婦 100万人
・1~6歳の乳幼児 600万人
・基礎疾患(ぜんそく、糖尿病など)のある人 1000万人
・医療従事者 100万人
・7~18歳の小中高生 1400万人
・基礎疾患のない高齢者 2100万人
……………………………………………………
計 5300万人
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【沖縄】県立6病院 3900万円黒字/4~7月期 経費抑え患者減補う
沖縄タイムス 2009年09月01日
県立6病院の本年度4~7月期の純損益の累計額が約3900万円の黒字で、予算ベースの目標値を約2500万円上回ったことが8月31日、分かった。経費の縮減や診療単価の増加が、休床などによる患者数の減少をカバーした。県庁で開かれた第3回経営改革会議で各病院長が報告した。
疾患別に報酬を定額料金とする包括払い制度「DPC」の導入などで診療報酬が加算され、医業収益は累計約126億円となり、前年同月比で約1億4000万円のプラスとなった。
一方、看護師不足で一部病床を休床している南部医療センター・こども医療センターと中部病院では、累計入院患者数が前年同月比でいずれも4000人前後減少。病院側は「黒字化には患者数の確保が必須」として地域の診療所との連携を課題に挙げたほか、看護師の負担が軽くなり、診療報酬も加算される「7対1」看護体制の早急な実施を県病院事業局に求めた。
また、新型インフルエンザの感染拡大を受け、各病院長からは「通常の診療機能が低下し、収入減が想定される」「必要な病床をつねに確保しなければならず、病床利用率の低下につながっている」「秋、冬に向けて医師の過重労働の軽減策が必要」と悪影響を懸念する声が上がった。
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by 桜子 (sakurako) ★
「ワクチン後進国」ワクチンに…