最新ニュース
鳩山政権 中国政府の期待と不安
アジア重視をうたう鳩山政権の発足に熱い視線を送る中国。温家宝首相が「新しい歴史の出発点にしたい」と述べるなど、中国では歓迎の声が上がる一方、懸念も指摘されている。中国総局・勝田真司記者が報告する。
鳩山首相が掲げる東アジア共同体について、中国外務省は歓迎する姿勢を示した。中国メディアの多くも、鳩山首相のアジア重視の姿勢について好感を持って伝えている。
こうした歓迎ムードの背景には、民主党が築いてきた中国政府との関係がある。02年に民主党代表として、江沢民前国家主席と会談した鳩山首相は、「民主党は、小泉首相の靖国神社参拝に見られるような歴史認識ではなく、中国に侵略したという認識に立つ」と述べた。また、07年に訪中した小沢幹事長は、胡錦濤国家主席から盛大な歓迎を受けた。
民主党を代表する2人が中国への理解を明確に示す一方で、前原国交相は、民主党の代表だった時に中国脅威論を唱えた。ある中国メディアは、鳩山内閣の中で前原氏が「対中関係の火種」だと指摘している。
中国は、来月1日の建国60周年に軍事パレードを開き、その力を内外に示す。また、日中間には「東シナ海のガス田の領有権」、「知的財産権の侵害」など、解決できていない問題がある。
10月中にも中国で首脳会談が開かれる見通しとなっており、早速、鳩山首相の外交理念、手腕が問われる。
【関連記事】
- 2009.09.14 01:10
- 鳩山新政権発足へ、米国に広がる不安とは?
- 2009.09.04 02:34
- 日本の政権交代、米国の反応は… 記者報告
- 2009.09.01 19:07
- 鳩山政権に日韓関係好転の期待高まる 韓国
- 2009.04.01 11:36
- 中国で高まるドル不安 基軸通貨見直し論も
- 2008.12.29 07:43
- オバマ政権誕生で、中国側の本音は?