衆院選愛知3区で落選した自民党の馬渡龍治(まわたりたつはる)前衆院議員が8月18日の公示後もインターネットのホームページ(HP)でブログを更新していたことが分かった。公職選挙法は公示後に規定のビラなどを除く文書図画の配布を禁じており、総務省はHPも文書図画の一種とみなし、選挙運動のためのブログ更新は同法に抵触する可能性があるとしている。
公選法によると、小選挙区の候補が公示後に頒布できる選挙運動用の文書図画は(1)通常はがき3万5000枚(2)都道府県選管に届けた2種類以内のビラ7万枚。
総務省によると、これ以外の文書は選挙に言及していなくても、事実上選挙運動とみなされる内容なら同法に抵触するという。
馬渡氏によると、ブログは公示後も毎夜更新し、翌日総務省に相談して「問題がある」と判断した場合は閲覧できない状態にした。不可にしたのは公示後13日間のうち3分の1程度だったという。
閲覧不可とし、投票後に再び閲覧可能にした8月18日付のブログでは「11時から18時まで7時間マイクを握りっぱなしでした。初日なのに夜の集会を4カ所で開催した」などと記し、同様に同19日付では「いつも選挙妨害みたいなことをする人が必ず現れます」というエピソードを載せていた。
馬渡氏は毎日新聞の取材に「1400日以上続けてきた日記なので更新を続けたが、選挙絡みの話はなるべく避けた。将来的には集会の案内などもネット上でできるようにすべきだ」と話した。
総務省選挙課は「内容にもよるが、(公示後のブログ更新は)公選法に抵触する可能性がある」としている。【秋山信一】
法律が追いついていないという問題提起は大切だが、現行法下で、ブログを更新したのはやりすぎだ。衆院選で議員も大幅に入れ替わり、ネットの利用制限を緩和する方向には進むと思う。
毎日新聞 2009年9月6日 中部朝刊