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財源探し競争、試される官僚の忠誠度 補正執行見直し(1/2ページ)

2009年9月19日2時2分

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 いったん動き出した政府予算を止める――。マニフェスト(政権公約)実現のため、鳩山政権が異例の対応に踏み出す。鳩山由紀夫首相が18日、麻生内閣が編成した約14兆円の09年度補正予算の執行見直しを閣僚に指示。見直し方針も閣議で決めた。報告期限は10月2日。2週間で「子ども手当」などに必要な7.1兆円にどこまで近づけるのか。

 18日朝の閣議。鳩山由紀夫首相が09年度補正予算の見直しを閣僚に指示すると、ある閣僚は「目標の金額や規模はないのですか」と聞いた。

 閣議で決めた見直し方針は、執行凍結の対象として(1)地方公共団体向け以外の基金事業(2)独立行政法人、国立大学法人、官庁の施設整備費(3)官庁によるエコカーや地上デジタルテレビの購入費などを挙げた。だが、財源確保の目標額は示していなかった。

 藤井裕久財務相は「それは皆さんが個別に判断してください」と答えた。大まかな見直し基準はトップダウンで決めるが、数値目標はあえて設けない。閣僚委員会のメンバーは「今日から、各省の大臣が、どこまで(事業を)削ってくるかの競い合いだよ」。

 各閣僚の働きぶりや、官僚の「忠誠度」が試される。

 これまでなら財務省と各省庁がすり合わせて予算を積み上げ、閣議は事実上追認するだけだ。今後は、廃止した事務次官会議の代わりに設けた閣僚委員会と、閣議で大方針を決め、役所や大臣に細部を詰めさせる。官邸主導への転換だ。「財源確保」という宿題を課すことで新人閣僚たちが官僚に取り込まれてしまうことも防ごうというわけだ。

 その手法は小泉内閣で力を振るった経済財政諮問会議のスタイルに似る。調整が難しい課題を首相の面前で各大臣に議論させ、構造改革への姿勢を試し、最後は首相が判断する。「強い首相」を演出するためのトップダウン型だ。

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