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雪だるま式に膨らむ韓国の国家債務(上)

 国家負債の増加ペースが尋常ではない。韓国政府が四大河川事業と親庶民政策、道路建設などのさまざまな景気対策を同時多発的に打ち出し、国家財政が急速に悪化している。昨年9月以降の世界的な金融危機や世界経済の大不況という非常事態に直面し、韓国政府が大規模な財政出動を行うことは避けられないが、ここで財布のひもを締めなければ国家債務が雪だるま式に膨らみ、経済にさらなる悪影響を与えかねないというのが専門家の見方だ。

 外国でも韓国の財政赤字の増加ペースが他国に比べ目立って速いという事実に注目している。韓国は国内総生産(GDP)に占める財政赤字の比率が今年の3.2%から来年には4.7%へと上昇する。G20(主要20カ国・地域)のうち、財政赤字の拡大幅は最大になると見込まれる。

■李明博政権でも急増する財政赤字

 韓国の国家財政が急速に悪化し始めたのは、分配主義を掲げた盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権期だ。盧政権初期の2003年に165兆7000億ウォン(約12兆5600億円)だった国家債務は、07年には298兆9000億ウォン(約22兆6600億円)にまで増え、300兆ウォンに迫った。盧政権は07年を除く毎年、景気対策を目的とした追加補正予算を平均4兆ウォン(約3030億円)規模で編成した。その結果、国家債務が目立って増え、GDPに占める政府債務の割合は30%台に達した。

 李明博(イ・ミョンバク)政権は昨年の発足当時、財政状況を政権末期の12年までに均衡させると宣言した。しかし、世界的な金融危機でむしろ財政赤字が膨らんだ。今年は景気対策のために28兆ウォン(約2兆1200億円)規模の追加補正予算を編成し、国家負債は昨年より57兆7000億ウォン(約4兆3700億円)も増えた。これは、盧政権での年平均増加規模(約30兆ウォン)の2倍に相当し、年次別では過去最大だ。GDPに占める政府債務の割合も35.6%に跳ね上がった。

キム・ヨンジン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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