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新型インフルとBCP

2009年9月19日0時0分

 今後懸念されるのが、新型インフルエンザの大流行である。最近はBCPという言葉をよく耳にするようになった。BCPとは“Business Continuity Plan”の略で、日本語では「事業継続計画」と訳されている。

 元々は、地震や洪水、火災等の災害・事故の発生時に、企業が事業への影響を最小限に抑えるために対策などをあらかじめ策定しておく計画のことであり、大企業においては既に策定しているところも多い。そのBCPを新型インフルエンザに備えて策定しておく必要があるといわれている。

 新型インフルエンザが流行し始めると、感染した社員や疑いのある社員は出勤停止を余儀なくされる。さらに地域において感染が拡大した場合、都市部においては社員の出勤に多大な影響がでることも想定される。その数が多くなってくると、企業の業務に影響が出てくるので、その影響を最小限に抑えるための計画を事前に策定しておく必要があるというものである。

 対策としては、在宅でも業務が遂行できる体制を整えることから、機能・業務を最低限に絞り込むなどが考えられる。オフィスへの入室時の検温、手洗いの実施に加え、オフィスへの空気清浄機の導入など、社員間での感染防止に向けた予防策も重要となってくる。

 今春の流行時をみて、海外に比べて日本での反応は少し過敏すぎるのでは、と感じた部分もあるが、BCPにおいては、最悪のケースを想定して対策を練っておくことが重要である。その上で実際の運用時には、冷静かつ現実的な判断をもって適用していくことが大切なのではないだろうか。(H)

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 「経済気象台」は、第一線で活躍している経済人、学者など社外筆者の執筆によるものです。

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