ここから本文エリア 原発 「安全なものでは決してない」2009年09月19日
◆元下請け作業員 祝島の磯部さん 磯部さんは78年12月から約3カ月間、福島県の東京電力福島第一原子力発電所2号機の復水ポンプの修理や点検作業の下請け作業員として、原発の炉心近くで働いた。 磯部さんの話では、担当したのはポンプのパッキンの部分を溶接する作業だった。1回に15分から30分の作業で放射線被曝(ひばく)を知らせる警報器が作動したことを覚えている。放射線作業の管理手帳には、合計850ミリレムの被曝量が記録されているという。 磯部さんは、自らの体験から「原発は、中国電力がいうほど安全なものでは決してない」と、島の人々に語り伝えてきた。祝島には、出稼ぎで原発での作業を体験した人が他にもおり、中には、がんで亡くなった人もいるという。 建設予定地は、祝島から約4キロの場所。「自宅の庭先に原発をつくるようなもの。窓を開けると原発が見えることになる」と磯部さん。中国電力が作業を試み始めた10日から毎日早朝に起き、妻マツエさん(85)の手づくり弁当を持って抗議に駆けつける。民主党を中心にした政権が誕生し、「情勢が変わることに期待をかけています」と元気に話している。
マイタウン山口
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