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【社会】『鳩山首相 ぜひぜひぜひ』 都知事、総会出席を熱望2009年9月18日 朝刊
「鳩山首相なくして戦えない」−。東京都庁で十七日、東京五輪招致の出陣式と記者会見が開かれ、鳩山由紀夫新首相にIOC総会出席を熱望する声が相次いだ。四都市が接戦を演じる中でライバル都市は元首級を投入する一方、東京は「顔」が決まらぬまま。政権交代で超多忙のスケジュールとは知りつつ、関係者からは「そこをなんとか!」。 石原慎太郎知事は「ぜひぜひぜひ」と三度も「ぜひ」を使い、「コペンハーゲンで首相のメッセージを発信していただきたい」。東京五輪招致委員会の河野一郎事務総長は、それが「スポーツ界の総意」と強調した。 鳩山首相には石原知事が十日に電話で出席を要請、十三日には都内の会合で偶然同席し協力を求めた。招致関係者によると、首相サイドからはまだ返答がない。 民主政権は、この問題に限れば東京には痛い。自民に人脈を持つ石原知事も鳩山首相との接点はほとんどなく「父の威一郎さんとは同じ内閣で一緒だった」という程度。東京招致の国会決議に一時難色を示した民主に石原知事が激怒したこともあり、当時民主党幹事長だった鳩山首相は「われわれを批判しながら決議してくれと言うのは、どういう了見か」。総選挙の応援演説では石原知事が民主党を批判した。 そうはいっても、背に腹は代えられない。総会には、シカゴがオバマ米大統領夫人、リオデジャネイロはルラ大統領、マドリードからはカルロス国王が出席する。 二〇一二年のロンドン招致は総会直前に当時のブレア首相が走り回ったことが成功につながったとされ、政府トップの存在感がものをいう。この日あいさつした森喜朗元首相も鳩山首相からのメッセージを引き合いに「一緒に頑張ろう、ではなく、先頭に立って頑張ると言っていただきたい」とお願いした。 ◇ 十月二日の開催地決定に向けた出陣式で、招致委会長の石原慎太郎知事は「人事を尽くして天命を待つ心境だ」と述べた。 日本体育協会会長の森喜朗元首相、日本商工会議所の岡村正会頭、招致大使のみのもんたさんら約五百人が「勝つぞ」と気勢をあげた。 コペンハーゲンで開かれる国際オリンピック委員会(IOC)総会に出席を要請されている鳩山由紀夫首相は「私も招致の実現に力を尽くしたい。ともに頑張りましょう」とメッセージを寄せた。 出陣式に先立つ記者会見で、コペンハーゲンで支持を訴える五輪経験者として、金メダリストの室伏広治さん、高橋尚子さんら十三人を発表した。
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