2009年9月19日1時16分
福岡県大牟田市の司法書士の男性(37)が、自らは司法書士の資格を持っているにもかかわらず、親族の名前で司法書士試験を2回受験していたことが、福岡法務局などへの取材でわかった。男性は福岡市内の資格試験を扱う予備校の講師で「司法書士を目指す生徒への指導の参考にしようとした」と話したという。同法務局は7日付で男性を2週間の業務停止処分にした。
法務局や県司法書士会によると、男性は07年7月と08年7月の司法書士試験の筆記を、それぞれ義弟と父親の名前で受け、いずれも合格した。その後の口述試験は受験しなかった。受験票に自分の写真を使っていたため、2回目の受験の際、男性を知る福岡法務局の職員が名前が違うことに気づいたという。
すでに資格を持っていても受験することは可能だが、男性は法務局などの調査に「司法書士である事実がわかった時の説明の煩わしさを回避するため、偽名を使った」などと説明しているという。
同法務局は「資格を持つ人が受験するのは、試験の趣旨に反する。司法書士の品位を害した」としている。男性が所属する県司法書士会も処分を検討している。