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【緯度経度】ワシントン・古森義久 日本謝罪不要論の余波 (1/2ページ)

2009.9.19 08:09
このニュースのトピックス慰安婦問題

 米国の首都ワシントンではなお日本が過去の戦争での悪事を反省し、謝罪すべきだ、というようなテーマで講演やセミナーが開かれる。日本側でとくに新しい動きがなくても、日本を被告席におく枠組みでの糾弾の催しがなお続くのだ。

 つい1週間前にも「東京戦争犯罪裁判と今日の日本」という題のシンポジウムがジョージワシントン大学で開かれた。題名からでもスタンスの偏りが浮かび上がるようだが、講師には日本の外務省の元局長も入っていた。

 さて鳩山新政権の登場となると、日本側での戦争にからむ「謝罪」や「反省」はまた改めて、これまでよりは容易に表明されそうな気配である。ところがこうした従来の流れに逆行する「日本はもう謝罪すべきではない」と主張する論文が最近、米国の若手学者から発表され、ワシントンの日本関連論議にユニークな一石を投じる形となった。

 同論文は「謝罪の危険」と題され、大手外交政策雑誌「フォーリン・アフェアーズ」5・6月号に掲載された。筆者はダートマス大学助教授のジェニファー・リンド氏、日本と朝鮮半島の歴史や安全保障を専門とし、2004年に博士号を取得したばかりの新進の女性学者である。

 リンド論文は結論こそ明快だとはいえ、その理由の説明は屈折していた。主張の核心は次のようだった。

 「戦争での非道な行為を日本がこれからも対外的に謝罪することは非生産的であり、やめるべきだ。まず謝罪は日本の国内でナショナリストの反発を招き、国民の分裂をもたらす」

 「再度の公式の謝罪や国会での決議による謝罪というジェスチャーは、日本国民同士の衝突や分裂を招くため、避けるべきだ。そのかわり日本の政府も指導層も戦前、戦時に日本がアジア各地で不当な弾圧や残虐を働いたことを認め、反省せねばならない」

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