ローマ(CNN) イタリアのベルルスコーニ首相は17日、アフガニスタンで治安改善に当たる北大西洋条約機構(NATO)主導の国際治安支援部隊(ISAF)に従軍する自国軍部隊について、出来る限り早期に撤退させるのが最善との見解を示した。ベルギー・ブリュッセルで記者団に述べた。
アフガンの首都カブールで17日起きた車爆弾テロで、ISAF兵士ら少なくとも16人が死亡、55人が負傷し、犠牲者の中に伊軍兵士6人が含まれたことを踏まえた発言。イタリアの地元メディアは、6人死亡について「虐殺」などの言葉を使い大々的に報道しており、首相の発言は国内反応を意識したものともみられる。
伊国内には、アフガンからの早期撤収を求める声が高まっている。
伊軍兵士6人の死亡は、同国がアフガン軍事作戦に参加以降、1日当たりでは最悪の数字。犠牲者の総数は21人となっている。アフガン駐留伊軍の規模は約2800人で、西部ヘラート州の作戦に従事している。また、アフガン大統領選での治安確保に伴い、約500人を追加派遣していた。
ベルルスコーニ首相は、500人について大統領選が終了したことを受け、撤収させる考えを表明したが、具体的な時期には触れなかった。
アフガン軍事作戦では、オバマ米大統領がテロとの戦いの主戦場と位置付け、増派を発表。ISAF参加のNATO加盟国にも派兵追加を求めているが国内世論の反発などを受け、積極的に応じる国はない。