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民主政権:就任3時間で謝罪した鳩山首相

政治献金虚偽記載

 「国民の皆さんにいろいろとご心配をおかけしたことをおわびする」  

 16日、第93代首相に就任した鳩山由紀夫氏。鳩山氏は首相になってからわずか3時間で、国民に頭を下げた。2カ月前に明らかになった「政治献金スキャンダル」のためだ。

 鳩山首相はこの日夜、官邸で就任後初の記者会見を行い、「(政治献金虚偽記載について)いろいろとご心配をおかけしたことをおわびする。なかなかご理解をいただけないことは事実。私なりの思いを正直に伝え、理解が深まるよう努力したい」と述べた。

 朝日新聞をはじめとする日本の各メディアは、「鳩山首相が就任会見で謝罪したのは、政治献金虚偽記載問題が新政権全体を揺るがす前に事前に回避しようという意図」と分析している。

 鳩山首相が自身をめぐる政治資金問題で謝罪したのは、今回が初めてではない。今年6月末、鳩山・民主党代表(当時)は、自身の政治資金管理団体「友愛政経懇談会」の報告書に、故人や実際には寄付をしていない人が政治資金寄付者として虚偽記載されていることが発覚し、謝罪した。

 当時の民主党の自主調査によると、友愛政経懇談会は2005年から4年間、虚偽寄付者約90人の名義で、193件にわたり2177万円の政治資金を受け取っていた。鳩山首相はこれに対し、会計担当秘書二人が「献金が多く入ったように見せかけよう」と鳩山首相の個人資産から資金を政治献金に回し、この際に故人や虚偽の人物を寄付者として記載した、と説明した。鳩山首相は「秘書に対する監督責任はあるが、不正な献金はなかった」と述べた。

 しかし、54年ぶりに民主党に政権を譲り、野党になった自民党は、このスキャンダルに食い下がる姿勢を見せている。また、検察の捜査にも関心が注がれている。現在、鳩山首相とその会計担当秘書二人は、政治資金法上の虚偽記載容疑で、東京地検に告発されている。

 さらに、別の政治資金疑惑も見え隠れしている。朝日新聞は17日、「鳩山首相がこの10年間で個人献金として申告した金額は5億9000万円だったが、そのうち60%が氏名や住所を記載する必要のない5万円以下の匿名献金だった。こうした匿名献金者は『鳩山ファミリー』ではないかといううわさや疑惑もある。鳩山首相自身が明らかにすべき」と主張している。鳩山首相は夫妻の資産だけでも86億円を超えると言われ、母・安子さんも世界的なタイヤ・メーカー「ブリヂストン」創業者の娘ということで、こうした疑惑がさらにふくらんでいる。

権景福(クォン・ギョンボク)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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