酒井被告の関係者は同被告が「メンタル治療を受けるために入院した」としている。湾岸署から出て来た際にはさわやかな笑みを浮かべ、ふっくらしたようにも見えたが、メンタル面を患っているとするなら今後、どのような治療があるのか-。精神科医は精神療法など3点を指摘。また、入院期間は「短期もある」と話した。
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精神科医は今後の治療について(1)精神療法(2)薬物療法(3)立ち直るために依存症について勉強する-の3点を挙げた。
(1)の精神療法についてはカウンセリングが中心になると医師は指摘。「どのように進めるかは個々の患者の症状でまったく異なるが、対話の中でなぜ薬物に依存するようになったのか問題点を探っていく」と話した。
精神科医や心理療法士が担当する。
(2)の薬物療法について一般的に考えられるのは抗うつ剤と睡眠導入剤という。「40日におよぶ拘禁生活が大きなストレスになっている場合がある」とした。
入院期間も、個別のケースで違ってくる。症状が比較的重ければ長期におよぶ場合もある。しかし、症状が軽ければ短期で退院し、在宅治療に切り替えることもあるとしている。
これまで酒井被告は覚せい剤使用について「数年前から」と供述しているが、回復には使用期間の倍以上の時間がかかるとされる。覚せい剤からの離脱時には睡眠障害などが表れることが多く、酒井被告はこれから薬物との新たな闘いに入ることになる。決別するためには「ダルク」と呼ばれる依存者同士が共同生活を送る更生施設に入る場合もある。
薬物治療の病院といえば鉄格子の病棟のイメージがあるが、酒井被告が入院した大学病院はそういった物々しさは見られない。入院できる病棟は7階から16階。6人部屋など通常の病室もあるが、数部屋ある特別室は保険がきかず、電話やテレビ、バス・トイレまで付き1日7万円近くする高額な部屋もある。
酒井被告はプライバシーのため個室に入ると思われる。最低でも1日1万円以上の入院費用が発生するゴージャスな入院生活を送ることもあるが、専門の医師は「覚せい剤からの完全なる決別は本人の強い意志が伴わなければ難しい」と指摘した。