覚せい剤取締法違反(所持、使用)の罪で起訴された女優・酒井法子被告(38)が17日午後、東京湾岸署から保釈された。保釈から2時間後には洋服を着替え、千代田区の如水会館で500人を超す報道陣を前に「本当に申し訳ありませんでした」と涙で謝罪。「皆さまに恩返ししたい」と芸能界復帰を示唆する言葉もあったが、清純派イメージが崩壊した今、復帰は容易ではない。会見後は「メンタル面の治療」を理由に都内の病院に入院した。
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保釈保証金500万円を“分割”払いし、40日ぶりにシャバの空気を吸った酒井被告。午後6時半、保釈時の黒いパンツスーツから黒い丸襟の洋服に着替え、アイメークもばっちりの女優メークで500人を超える報道陣、110台のスチールカメラが待つ会見場に現れ、頭を下げた。
「このたびは、一社会人として、人として、決して手を出してはいけない薬物に、自分の弱さゆえに負け、皆さまにご迷惑をかけました。もう一度生まれ変わった気持ちで努力していきます。本当に…本当に申し訳ありませんでした」-。保釈前に書いた“台本”代わりの原稿を見ながら、ざんげの言葉を発するたびに鼻をすすり、涙をこぼした。
逮捕後は、復帰を願うメールや電話などが多数、元所属事務所のサンミュージックに寄せられた。それだけに「2度と信頼を裏切ることがないよう、みなさまに恩返しをしていきたい」と芸能界復帰を示唆するような言葉も飛び出した。
会見中、酒井被告の両隣には、1987年のデビュー以来、20年以上にわたって苦楽を共にしてきたサンミュージックの相澤正久副社長(60)と元レコード会社ビクターエンタテインメントの三枝照夫会長(58)が座った。逮捕によって、サンミュージックは億単位のCM違約金の支払いを迫られている。ビクターも酒井被告のCDを出荷停止にするなど多大な迷惑をうけた。
「この罪を今後、どのようにして償っていくか…。まずは自分の罪を悔い改め、2度とこのような事件に手を染めることのないよう固く心に誓います」
公判が控えているとの理由で質疑応答の時間はなし。酒井被告が用意した紙を読み上げる形で10分の“会見”は終了。酒井被告は報道陣の呼びかけに答えることなく18時46分に会見場を出て、都内の病院に向かった。「メンタル面の治療」(弁護士)のため精神科に入院するというが、保釈時や会見の様子を見る限り、以前よりふっくらし、むしろ健康になったイメージだ。実際にはマスコミから逃れるための病院行きでは?との見方が強い。病院では長男(10)とも対面したという。
東京地裁での注目の初公判は10月26日。