東京・山谷にもチェンジの風 外国人向け宿が大盛況日本最大規模の労働者の街、東京・山谷で、外国人旅行者向けのゲストハウスにリニューアルする簡易宿泊所が増え続けている。周辺に、おしゃれなバーも次々にオープンし“下町の六本木”と呼びたい変ぼうぶりだ。 予約を入れて訪れたスウェーデン人の学生(23)は「ニンポウ(忍法)の道場に通う。部屋は狭いが、安いしネットもある。秋葉原にも近い」。外国人がレンタサイクルで行き交う姿も目立つ。 個室素泊まりで1泊2千円台から。「アニメなど日本のサブカルチャーに造詣が深い外国人が増えた。宿泊費を安く抑えて、グッズを買い求めるため集まるのが山谷」と、簡易宿泊所でつくる「城北旅館組合」の帰山哲男副組合長は言う。 高齢化で山谷の労働者は減少傾向だが、1990年代に改装した「ニュー紅陽」が海外のガイド本で評判になり、2002年のサッカーW杯を機に外国人が激増。今では14軒に1日当たり300人以上が宿泊し、平均稼働率は軒並み90%以上。フランス、スペインなど欧州勢が4割を占める。 こうした盛り上がりは経営センスにも変化を促した。4代目が07年に全面改装した「会津屋本店」はマネジャーにフランス人を起用。今年5月に開業した「カンガルーホテル」は、デザイナーでもある3代目が天然木の床など細部にこだわる。 【共同通信】
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