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PJ: 葦乃原 光晴

山谷の炊き出しにカンパを!=東京・下町
2009年08月28日 09:20 JST


仕事が無くて、多くの仲間が野宿している現状を訴えていた「東京・山谷日雇労働組合」の方。顔は写さないで欲しいと言われた。(撮影:葦乃原光晴、8月26日) 

【PJニュ-ス 2009年8月28日】長引く不況の影響を強く受け、従来、建設現場で働いていた日雇い労働者の人達が窮地に陥っている。8月26日(水)の午後5時。JR総武線の亀戸駅前で、「東京・山谷日雇労働組合」の皆さんが、「野宿のなかで命を落とす仲間を出さないために『仕事要求』の運動に支援のカンパを!」と朱記した横断幕を掲げて、行き交う人々に支援を呼び掛けていた。

横断幕の前でスピーカーを持って訴える人の他に、ビラを配布する人が4-5人いたが、本来は仕事に出たいのだが、この日も仕事が無くて組合活動をしているとのことだった。

山谷(さんや)というのは、東京都の台東区と荒川区の境にある泪橋交差点を中心に、台東・荒川両区に広がる簡易宿泊所の密集地域のことで、日雇い労働者の町として知られている。

昨年のリーマンショック以降、建設現場の仕事が激減した。山谷では、20年、30年と建設現場で働いてきた日雇い労働者の方でさえも、仕事が減って簡易宿泊所に泊まることができずに野宿を強いられているそうだ。

組合では、お盆休みで仕事がなくなる8月13日〜8月15日の期間に炊き出しをしたが、今年は昨年よりも炊き出しに頼る人々が増えていて、今後も更に増える見込みだという。組合では今後も野宿する人達を支える炊き出し活動を続けるが、一人でも多くの市民の皆さんが心暖かいカンパをして下さることを願っている。

米や衣料品などの物資のカンパを受け付けている。「東京・山谷日雇労働組合」の住所、電話番号は下記の通り。

住所:台東区東浅草2-1-6
電話:03-3876-8040

また組合では、日雇い労働者を使って利益を上げてきた建設業者や、必要な失業対策を取るべき行政との交渉をしていくという。

この記事を読んで、「日雇い労働者になったのは自己責任だから仕方がない」と考える人もいるだろう。しかし、不可抗力の大きな波に飲み込まれて窮地に陥ることもある。但し、その不可抗力を受ける立場にあったことさえも自己責任と言うなら、自己責任である。

また、「建設現場以外の仕事を探せばいい」と考える人もいるかもしれない。しかし私は、年齢や今までの職歴で仕事にあぶれ、どうにもならないから野宿していると考える。

亀戸駅前で組合員の皆さんが窮状を訴えている横を、衆議院議員選挙で支持を訴える候補者の車が通り抜けた。【了】

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