
米国大使館で記者会見するキャンベル米国務次官補=18日、東京都港区
来日中のキャンベル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)は18日、都内の米大使館で記者会見し、鳩山政権が真相解明を目指す核密約問題について「米側の開示文書は約50年前の日米間の合意に関する史実を明確に描いている」と述べ、核密約は歴史的事実との見解を表明した。
岡田克也外相との会談後に会見した次官補は「(核密約問題が)岡田氏と鳩山政権にとっていかに重要かを岡田氏は強調した」とも述べ、鳩山政権が現在進める核密約調査に理解を示した。
米側は既に、核搭載艦船の日本通過・寄港を容認した1960年1月署名の「秘密議事録」の草案や、同議事録が実際に署名された事実を確認する公文書を開示しており、次官補の発言は核密約を歴史的事実と位置付ける米側の従来姿勢を反映している。
次官補は一方で「(核密約は)基本的に過去の話だ」とし、「この問題が日米関係の強固さを損なわないやり方で処理されることを強く求める」と言明。日本の歴代政権下で築かれた良好な日米同盟関係に悪影響を与えない形で、日本で政治争点化した核密約問題の決着が図られるベきだとの考えを示唆した。
米公文書によると、核を搭載した米軍空母や潜水艦などが50年代から横須賀や佐世保に寄港していたが、米国は冷戦後、日本などに展開する海軍艦船から核を撤去。現在日本には核搭載艦船は寄港しておらず、日本への「核の傘」は大陸間弾道ミサイル(ICBM)などで担保されている半面、米国は朝鮮半島有事における潜水艦への核再搭載の選択肢を排除していない。(共同)