再送:UPDATE1: 09年度補正の執行停止は小さな額でない、国債発行減も選択肢=藤井財務相

2009年 09月 18日 13:36 JST
 
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 [東京 18日 ロイター] 藤井裕久財務相は18日の閣議後の記者会見で、09年度補正予算の一部執行停止で捻出される財源は「小さな額ではない」と述べ、その活用先について景気対策を含めた第2次補正予算や10年度当初予算のほか、09年度の新規国債減額も選択肢との見解を示した。景気認識に関しては慎重な見方を示しながらも、日銀が17日に上方修正した景気判断について「重要な参考資料」と語った。

 政府は18日午前の閣議において、2009年度補正予算の執行に関する基本方針を了承した。藤井財務相は、「これは(予算の)削減ではなく、国民生活や経済効果に役立つものに振り替えることが前提」と強調。執行を停止する事業については、各所管大臣が点検して10月2日までに提出するが、金額や件数などの数値目標は設定しないと述べた。

 今後、各省庁で補正予算の内容をあらためて精査することになるが、藤井財務相は削減額について「それほど小さい額が出てくるとは思わない」とし、「数兆円」の規模で削減できるとの見通しを示した。

 補正停止で捻出する財源の振り替え先に関しては「(09年度2次補正での活用が)一番望ましい」としながら、実際には「秋深い頃の経済情勢次第」と指摘。景気対策が必要とならなければ「来年に国民生活に直結した正しい資源配分の予算としたい」とし、09年度新規国債発行の減額も「選択肢に入っている」とあらためて言及した。

 <景気の先行き断定できない、日銀判断は需要な参考資料>

 現在の景気認識について、4─6月期の国内総生産(GDP)のプラス転換は「悪くなり過ぎていた分の反動」と指摘。先行きは「所得・雇用環境はより悪化しており、これがどう消費に反映するか。輸出は少なくとも中国向けはいいが、これがどう反映してくるかわからない」とし、「経済は動いている。今の段階で固定的に見ること自体が誤りだ。第2次補正をどうするのか、今は言えない」と語った。

 日銀は17日の金融政策決定会合で、景気の現状について「持ち直しに転じつつある」と判断を2カ月ぶりに上方修正したが、藤井財務相は「日銀の判断は重要な参考資料と思っている」と述べた。

 <G20では経済・財政政策を説明、借入返済猶予に慎重>

 24─25日には、米ピッツバーグで20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)が開催される。藤井財務相は、鳩山新政権の経済政策として「(補正予算の見直しは)凍結ではなく、振り替えと説明する」と指摘し、「景気対策に万全を期すと説明するのか」との質問に対しては「その通りだ」と語った。

 

 政府は18日、財務省の副大臣に民主党の峰崎直樹氏、野田佳彦氏を充てる人事を発表した。藤井財務相は峰崎氏を「マクロ経済・税制への見識が高い」と評価。野田氏については、特別会計に詳しいとし、「今度の財政では、特別会計に切り込まなければならない。大きなポイントだ」と語った。

 また、亀井静香郵政・金融担当相が主張している中小・零細企業などの借入返済猶予に関して「(亀井担当相から)正式に聞いていない」としながら、1927年の昭和金融恐慌時に発令されたモラトリアムに言及し、「そういう状況なのか」と慎重な見解を示した。

 (ロイターニュース 伊藤純夫)

(sumio.ito@thomsonreuters.com; 03‐6441‐1832; ロイターメッセージング:sumio.ito.reuters.com@reuters.net)

 
 

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