2009年9月18日21時17分
厚生労働省は18日、新型の豚インフルエンザの国内産ワクチンを、呼吸器の病気など、9種類の病気の患者に優先的に接種する案を明らかにした。厚労省が関係学会の意見などをふまえてつくった重症度などの基準を満たす人が対象になる。
(1)呼吸器の病気(2)心臓病(3)腎臓病(4)肝硬変(5)神経の病気(6)血液の病気(7)糖尿病(8)悪性腫瘍(しゅよう)などで免疫が抑えられた状態(9)子どもの病気の9種類。子どもの病気には(1)〜(8)以外に重症心身障害児らが含まれる。
これらの病気以外の患者にも、医師の判断で接種することは可能という。同日、都内で開かれた専門家会議で示され、大筋で了承された。今月中に正式決定する。
国内産ワクチンの年度内の生産量は約1800万人分にとどまる可能性がある。このため、厚労省は医療従事者を最優先にし、続いて妊婦や重症化しやすいリスクの高い持病のある人に接種する案を作成。そのうえで、どういう病気を対象にするか検討していた。厚労省によると、これらの対象者は900万人以下だという。
専門家会議では、新型インフルのワクチンと季節性インフルのワクチンの同時接種を可能とする方針も示され、了承された。接種対象者は子どもや妊婦など医療機関に通うこと自体が負担になる人が多く、同時接種を求める声が出ていた。ただ、輸入ワクチンは安全性が確認できていないとして、同時接種を当面は見送ることとした。接種の間隔を含めて今後の検討課題になっている。(野瀬輝彦)