電車の痴漢見逃さない…「特捜イエロー」活躍
電車内での痴漢やスリなどを専門に捜査するため今年4月に発足した静岡県警鉄道警察隊特務係(通称・特捜イエロー)が活躍している。
17日現在で、同隊が摘発した県迷惑防止条例違反(痴漢、盗撮)などの件数は15件(昨年9件)。このうち7件を特捜イエローが摘発した。
同隊は「専従捜査員が徐々に経験を積み、不審者を見分ける『目』が培われたことなどが奏功している」としている。
「何をしている」。今月14日朝、JR浜松駅で停車した普通列車内で、特捜イエローの捜査員が男の手をつかんだ。車内で愛知県豊川市内の女子高校生(17)の体を触ったところを捜査員は見逃さなかった。
女子高生は今月に入り、通学に利用している同じ列車内で痴漢の被害に3回遭い、同隊に相談。14日は女性捜査員ら4人が同乗して女子高生の近くで目を光らせていた。男は「たまたま当たっただけ」と車内の手すりにしがみついて抵抗したが、捜査員3人が「その瞬間」を目撃しており、同条例違反容疑で現行犯逮捕された。
特捜イエローの発足前は同隊員が交代で、ほかの業務もこなしながら痴漢などの捜査にあたっていたが、特捜イエローは女性3人を含む捜査員5人で痴漢などの摘発に専念する。
イエローの岩本奈美警部補は、「最初は多数の人の中で慣れなかったが、そのうちに目が慣れてきた。電車に乗るのが目的でない人は、女性にばかり視線を向けるなど、周囲の人と比べ、違和感がある」と語る。
発足当初は、犯行の瞬間を逃すまいと、手元ばかりに目がいってしまったが、最近は容疑者を含めた全体の状況が見えるようになったという。
同隊の前出秋雄副隊長は「痴漢などの捜査は現行犯逮捕が大事」と強調する。今年4月には、電車内で女子高生に痴漢をしたとして強制わいせつ罪に問われ、1、2審で有罪判決を受けた大学教授に対し最高裁が無罪判決を言い渡した。「被害者と容疑者2人だけの場合、立件は難しい。イエローは複数の捜査員が現場をおさえることができる」(前出副隊長)
浜松駅で被害に遭った女子高生は、これまで痴漢被害に遭っていることを言い出せなかったが、容疑者の逮捕後、「勇気を出して相談してよかった」と
同隊は「痴漢被害は、『恥ずかしい』などの理由で申告が少ない。1回だけだとあきらめてしまう場合が多いが、相談があればその分、摘発にも結びつけられる」として、積極的な通報を呼びかけている。
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