へき地診療所の過半数が支援機構と「かかわりなし」
へき地拠点病院からへき地診療所への医師派遣の調整などを行う「へき地医療支援機構」との関係について、へき地診療所の52.4%が全くかかわりがない状況であることが、厚生労働省の調査で分かった。9月18日に開かれた「へき地保健医療対策検討会」の第2回会合で明らかになった。【関連記事】
新たなへき地保健医療対策の議論、始まる
第11次へき地医療計画策定へ検討会―厚労省
産科医不足・偏在は諸外国も共通
「地方の医師確保、国の積極的関与が必要」
東京都が「医師派遣システム」創設
同機構は、無医地区、無歯科医地区での医療提供体制の確保を目的に1956年から段階的に実施されている「へき地保健医療計画」の第9次計画(2001−05年度)の中で、へき地医療対策の各種事業を円滑・効率的に実施するために、各都道府県に一か所構築するとされており、現在39都道府県に設置されている。
調査は、全国のへき地診療所1063施設のうち、各都道府県でおおよそ10か所ずつを選んで実施した。それによると、418へき地診療所のうち、同機構との関係について「全くかかわりがない」と回答したのは52.4%に当たる219診療所。「年に1−2回は連絡・相談を持つ」は33.5%(140診療所)、「月に1回は連絡・相談を持つ」は11.8%(49施設)で、10施設は無回答だった。
調査結果について、委員からは「これほど関与がないとはびっくりしている」との声が相次いだ。
澤田努委員(高知県へき地医療支援機構専任担当官)は「機構が設置されているにもかかわらず、へき地診療所に全く関与していないと思わせるのは、非常に残念なこと」と述べた上で、11年度から始まる予定の第11次計画の中に都道府県が改善策を策定することを盛り込むよう求めた。
鈴川正之委員(自治医科大教授)は「支援機構の存在感を示すことができなかったのではないか」と指摘。「支援機構会議のようなものを立ち上げて、どのような先進事例があって、どのようなことをやっているかということを、もっとアピールしないと伝わらないのではないか」と強調した。
更新:2009/09/18 19:36 キャリアブレイン
新着記事
新人看護職員の教育担当者の役割などで議論− ...(2009/09/18 22:59)
優先接種の基礎疾患、「定義」案を公表−厚労 ...(2009/09/18 22:52)
慢性期入院調査の報告書を了承−中医協小委(2009/09/18 21:15)
注目の情報
[PR] 医師の転職ならCBネット
記事を検索
CBニュース会員登録メリット
気になるワードの記事お知らせ機能やスクラップブックなど会員限定サービスが使えます。
一緒に登録!CBネットで希望通りの転職を
プロがあなたの転職をサポートする転職支援サービスや専用ツールで病院からスカウトされる機能を使って転職を成功させませんか?
【第77回】小山信彌さん(日本病院団体協議会議長) 11の病院団体でつくる日本病院団体協議会では、来年度の診療報酬改定に向けて入院基本料の増額などを主張している。議長の小山信彌さん(東邦大医療センター大森病院長)は、エビデンスや国民のコンセンサスを得た上で、急性期病院だけでなく開業医などへの評価を含 ...
労働環境の悪化などが原因で、勤務医から開業医の道を選ぶ医師がいる中、「病気の発生を未然に防ぐ予防医学や公衆衛生などの分野も魅力があります」と話すのは、財団法人岩手県予防医学協会で常務理事を務める十和田紳一さん。同協会は、岩手県内全域をカバーする健診センターの中核施設であるため、検査・健診結果などの ...
WEEKLY