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カップ麺、ビールにメガネにダイヤモンド!無料配布成功の秘訣!

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
5.0
113
2009年9月18日 10:46

企業の販売促進策として、商品無料配付が盛んに行われている。最近の傾向は少量サンプルの「試供品」ではなく、商品現物を配付する太っ腹な企画が目につく。そんなんで採算会うの?と思う方も多いだろう。そこで、無料配付の成功の秘訣を考えてみたい。

電通が提唱している態度変容モデル「AISAS」といいうものがある。A(Attention:注意喚起)→I(Interest:興味喚起)→S(Search:検索)→A(Action:購買)→S(Share:共有)と、ネットを中心とした購入前後の情報探索から共有までを表わしたモデルだ。ここで注目すべきは、ネット時代に消費者が何か気になった時にはまず「検索」して、その後、購入など何らかのアクションをした後には、ネットに書き込みをして情報をシェアする点である。メガネ無料配付はまさにこのモデルで設計されているように思われる。

上記の通り、無料配付は当然のことながら、配ればいいというものではない。どのような効果を期待して、どのように消費者を動かすか、AMTULなりAISASなりでしっかりと設計しておくことが重要なのである。

但し、その設計においても、「ターゲットは誰なのか?」を明確にするべきことは言うまでもない。「無料配付」という施策で集まってくるのはどのような人々なのか。それが、以降、自社の顧客として反復購入してくれる可能性がある人なのか、もしくは、クチコミの媒介としてふさわしい人たちなのかを見極めるのは重要である。
その意味では、今年6月1日に行われたフランスの老舗ジュエラー「モーブッサン(MAUBOUSSIN)」の「5,000円相当のダイヤ先着5,000名無料配付」の事例を他山の石とすべきだろう。「ダイヤモンドがタダ!」というインパクトで多数の人々が押し寄せて大混乱になったが、その後、同店の顧客として定着した人は多いとは思えず、また、ネット上のクチコミもネガティブなものが多かったように見受けられる。
消費者の態度変容の設計以前に「ターゲットの見極め」が成功のためにはまず第一条件なことも忘れてはならない。

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